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マイナンバーなし崩し 個人預金が丸裸
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2014年4月18日 東京新聞:こちら特報部 俺的メモあれこれ
昨年5月に国会で可決、成立した国民一人一人に番号を割り当てるマイナンバー制度で、政府税制調査会(首相の諮問機関)は、資産や所得を把握するため、個人の預金口座と結び付ける方針を打ち出した。マイナンバー法の施行令では、捜査機関への情報提供も幅広く認め、なし崩しに利用範囲が拡大している。国による国民の管理が、ますます強まろうとしている。(林啓太、荒井六貴)
◆口座と連結 個人丸裸 脱税対策 効果は不透明
「所得の流れの把握は預金口座への付け番が軸になる」。政府税調のマイナンバー制度活用策を議論するグループで座長を務める神野直彦・東大名誉教授(財政学)は8日の会合後の記者会見で、こう述べた。会合では、マイナンバーと預金口座を結び付けることを早急に検討すべきだとの認識で一致した。
マイナンバー制度は、国民一人一人に12桁の番号を割り振り、個人情報を管理する仕組み。年金などの社会保障や税務、災害対策の3分野で活用するとしている。例えば、税務署に申告した所得や納税の記録、雇用保険の失業給付を受けた記録、公的年金の支払い記録などの個人情報を一つの番号で一括管理すれば、現行の方式より効率が良くなるとしている。2016年1月に運用を始める方針だ。
政府税調が、個人の預金口座とマイナンバーの結び付けに意欲的なのは、「公平な課税や社会保障の実現のためには、所得や資産の正確な把握が不可欠」との考え方からだ。内閣官房社会保障改革担当室の担当者は「実現すれば、脱税などの犯罪がやりにくくなり公平性が高まる」と指摘する。
現行のマイナンバー法では、預金口座とマイナンバーを直接結び付けることは認められていない。結び付けるためには、法改正が必要になる。
だが、問題点は多い。
まず、約10億件といわれる口座の全てにマイナンバーを付ける見通しが立たないことだ。当面、新規に開く口座に付ける案も出ているが、旧来の口座については預金者の「自己申告」に頼らざるを得ない。
日弁連情報問題対策委員会副委員長の水永誠二弁護士は「長く使われていない休眠口座などは利用者の特定が難しい。全ての口座にマイナンバーを付けるのは非常に難しい」と話す。
預金口座に付けるのが不十分では、脱税や資金洗浄、生活保護の不正受給などの根絶にはつながらない。マイナンバー制度そのものには賛成の立場の大和総研の吉井一洋制度調査担当部長も、「口座の悪用を考える人は、マイナンバーの網にかからない口座を利用し続けるだろう」と認める。
コストの問題もある。
マイナンバー制度は、初期費用だけで2700億円が必要で、その後の維持管理にも年数百億円がかかるとみられている。預金口座との結び付けのシステムを構築しようとすると、さらに数百億円かかるとの見方もある。金融機関側がこれを負担できるのかという問題もある。費用に見合う効果が得られるかは不透明だ。
マイナンバー制度では、個人情報の流出の危険性がかねて指摘されてきた。
上智大の田島泰彦教授(情報法)は「もし口座情報からどの業者にいくら支払ったのかなどが知られれば、個人の好みが分かってしまう。年金や社会保険料、税務の情報と結び付けられれば、どんな人間であるかが丸裸になり悪用される危険性はより高まる」と指摘する。
◆捜査機関へ提供拡大 第三者のチェックできず
マイナンバー法では、利用の範囲を明記。正当な理由のない第三者への提供や不正取得には罰則が定められている。
ところが、これには抜け道がある。第19条で「政令で定める公益上の必要があるとき」には、第三者に提供できるようにしたのだ。
3月31日に公布されたマイナンバー法の施行令では、この個人情報を提供できる相手が、捜査機関などに広く認められた。公正取引委員会や少年法上の調査をする警察のほか、具体的な刑事事件が発生していなくても、公安調査庁が治安の調査名目などで収集できるようになった。裁判所の令状も必要としない。
内閣官房が、公布前に実施したパブリックコメント(意見公募)では、約380件寄せられ、治安利用に反対する多くの声が届けられたが、考慮されることはなかった。
マイナンバー法を審議した参院内閣員会で2013年5月、向井治紀・内閣官房審議官は「利用範囲の拡大は今後3年をめどに、進めていくが、公安の世界というのは、ある意味、最も比較的遠い世界かなという気はします」と答弁していた。
政府は、個人情報の悪用を防ぐため、個人番号がどう利用されたかをインターネット上で自分で確認できるサイト「マイ・ポータル」を開設する。個人番号の利用を監視、監督する第三者機関の「特定個人情報保護委員会」を設置した。
ところが、警察や公安調査庁など捜査機関は、「マイ・ポータル」や「特定個人情報保護委員会」のチェックの対象外になっている。
内閣官房社会保障改革担当室の担当者は「利用範囲の拡大ではなく、提供するだけだ。資料などに付いていた個人番号がわからないと、資料としての価値がなくなる可能性がある。個人番号を二次利用すれば、罰則もある」と説明する。
市民団体「反住基ネット連絡会」の宮崎俊郎さんは「内閣官房の説明は、詭弁(きべん)だ。捜査機関の利用の有無をチェックすることもできない」と憤る。
マイナンバー制度に詳しい清水勉弁護士は「捜査機関がやりたい放題にならないようにする運用ルールをつくるべきだ。ルールができれば、適性に運用されているか、国会で説明を求めることもできる」と提案する。
甲南大大学院の園田寿教授(刑事法)は「社会保障と税務、災害対策の3分野だけで利用するはずだったのに、逸脱している。利用範囲がどんどん拡大している。歯止めをかけるために、裁判所の判断を必要とすることも一つの方法だ」と唱える。「かつて、ドイツでは、ナチスが住民に番号をつけることで、ユダヤ人を選別し、ホロコーストに利用した。個人番号制度は、国民の選別を容易にする。国家による個人の監視以上に、選別が怖い。最悪の事態を想定すべきだ」
◆「秘密法と連動 国民を管理」
前出の田島教授は「マイナンバーは国民を監視したい政府の側からすれば非常に便利な道具。特定秘密保護法と連動して国民を管理するための制度だ。治安維持への活用にも道を開いた。国民が政府をしっかり監視しない限り、権力の増長は止められない」。
[デスクメモ]
ああ、やっぱり。「3年後をめどに見直す」としながら、運用開始前から利用範囲を拡大していく。脱税なんて、関係ない。秘密保護法で情報をコントロールしながら、マイナンバー法で、国民の管理は強めていく。これが、国家というものの本質だ。情報流出や悪用の被害は覚悟しておかねばならない。(国)
2014年4月18日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014041802000135.html
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