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2014-04-19 09:54:43
安倍首相の意向で日本側が拝み倒した結果、オバマ大統領は「23日来日」をなんとか了承してくれたようです。「くれたようです」と、あいまいな言い方にならざるを得ないのは、来日が目の前に迫っているにもかかわらず、いまだに23日の何時頃到着するのか、確定していないのです。
安倍首相主催の晩さん会の細かい段取りも進められないとか。この「日程がなかなか確定できない」という現実に、現在の日米関係の温度差がすべて反映しているといえます。
オバマ大統領をなんとしても、「国賓としてお招きし、最高のおもてなしをしたい」というのが、安倍首相の考えでした。オバマ大統領は、衰えたりといえどやはり世界のトップリーダーです。その大統領を国賓として招き、天皇との晩さん会でおもてなししところを見せつければ、「虎の威を借るキツネ」に箔がつく。そんなさもしい計算だったに違いありません。
「天皇の政治利用」であり、いわば「天皇の私物化」そのものです。
ところが、オバマさんにしてみれば、「そんな形式ばったことは不要に願いたい。それより目の前の大事な案件を片づけるのが先決だ」という思いだった。だから、24、25の2日間滞在とし、迎賓館宿泊を断り、都内のホテルに滞在、とビジネスライクな日程に固執した。もちろん、韓国からの強い要請で、朴槿恵大統領との会見日程を組み入れたため、日本滞在の日程を短縮せざるを得なかったという事情もあったと伝えられています。
日米間には、TPP、尖閣、普天間、対中韓関係、あるいはウクライナ問題をめぐる対ロ制裁などいくつもの重要案件が横たわっており、いずれにも微妙な温度差があります。蜜月関係などからは程遠い。
オバマさんは実は、安倍首相の「人間力」に対して不信感を抱いているではないでしょうか。それもかなり根深い不信感です。本音では、軽蔑しているのではないかと思えます。
その根本にあるのは、安倍首相の「世界史に対する無理解」。「安倍は、世界のルールが分かっていない。人間的に欠陥があるから、世界のルールの基本が理解できないのだろう」という思いのようです。
確かに安倍晋三という男は、太平洋戦争の敗戦から何も学んでいないのでしょう。だから、憲法9条の改定をもくろんだり、それがダメなら解釈を変更してでも平和憲法の根幹を骨抜きにしようとする。
さらには、集団的自衛権も使えるように改め、海外へ出て行って戦争が出来るようにする。そういう戦争への動きに対して反対運動が強まる場合を想定し、特定秘密保護法で封じる。あるいは罰する。
日米が共同で戦争が出来るようにするための基地として、普天間基地の移設を好都合とし辺野古へ最新鋭の米軍基地を造ろうと執拗に画策する。
しかし、オバマ氏が我慢ならないのは、日本が周辺の中国や韓国などとの関係をこじらせ続けていることです。ケリー国務長官と、ヘーゲル国防長官という二人の最重要閣僚を日本に派遣し、わざわざ千鳥が淵国立墓苑のほうに参拝してみせました。ここまですれば、「靖国参拝はやめておいたほうがいいですよ」というメッセージは確実に伝わるはずと誰でも思いますよね。
ところが、安倍という男はあっさりと、「靖国参拝を果たしました」と、ドヤ顔でした。「あのアベのアホが――」と絶句する思いだったのではないでしょうか。
案の定、中国や韓国との関係は、簡単には修復できそうにないほど、悪化しました。安倍首相が、「ドアはいつもオープンです」などというのは、それこそ人をコケにする話です。
それにしても、拝み倒しての「23日来日」、高くつきそうです。TPPの牛肉、豚肉にしてもどこまで譲歩するのでしょうか。そのほかにも、かなりの要求を飲まなくてはならないでしょう。
安倍という男が首相になってから、いったいどのくらい国益を損なったことか。中国や韓国との関係悪化で経済的な損失もはかりしれません。TPPでアメリカに譲った国益損失もはかりしれません。第一、車の関税はアメリカ側の引き下げは求めないことをとっくに約束しています。郵貯・簡保関係でも、アフラックを上陸させたようにいいなりです。
いわば絞首刑にしても足りないくらいの損失をもたらしています。
それでもご本人は、「オレは歴代でも抜きんでた総理大臣であるぞ」です。
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