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グローバル時代の先の「囲い込み」の時代 【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】
http://gendai.net/articles/view/news/149588
2014年4月18日 日刊ゲンダイ
グループの外とは対立
集団的自衛権の行使容認をめぐる議論が続いている。
安倍首相は「日米同盟の深化・強化のための法的な整備基盤」と強調。ゴールデンウイーク明けには有識者懇談会の報告書が提出される見込みだ。一気に解釈改憲が進む恐れもある。
時の政権の考えひとつで国家の骨格や顔つきが変わっても構わない――およそ民主主義とかけ離れた安倍首相の蛮行には怒りを覚えるが、歴史の流れをつぶさに見ても、行使容
認の是非は熟慮すべき問題だと分かる。
ベルリンの壁が壊された1989年から世界は雪解けに向かった。
米国を中心とした資本主義諸国と、ソ連や中国に代表される社会主義諸国が緊張関係にあった東西冷戦は終わりを告げ、世界は垣根のないグローバル時代に突入する。
ドル基軸の事実上の崩壊も、グローバル化に拍車を掛けた。中心と呼べる国家のない世界で、ヒト、モノ、カネが自由に行き交う。
草原に放たれた動物たちのように、それぞれがバラバラに活動する時代。規制や対立のない自由な社会が来るように思われた。
だが、勝手が許されたのは一瞬だ。世界は次の段階、新しい囲い込みの時代に入っている。
欧州では、EUとロシアがウクライナをめぐり火花を散らした。ユーロ加盟を選択するか、ロシア中心の関税同盟に入るのか。そんなゴタゴタの中でクリミア半島の帰属問題が浮上。対立はウクライナ東部にも飛び火している。
環太平洋ではTPPだ。農産物の関税をめぐり日本と米国が協議を続けているが、多少の意見の違いをのみ込んでも形にしようと必死である。いずれも壊れた壁や垣根を修復し、再び仲間をつくる動き。かつての東西冷戦が、規模を小さくしながらも、世界のいたるところで置きかねない状況である。
そんな中で日本は、米国グループの一員となる選択をするらしい。
もともと米国とは同盟関係にあるが、新しい囲い込みの流れの中でも、米国中心の小さなグループに加わろうとしている。はたして、この選択は正しいのか。
このままでは垣根の外の国、例えば中国などとは軋轢(あつれき)や対立も辞さずというスタンスになる。そこに集団的自衛権の問題だ。
安倍首相が意図しているかどうかは別にして、軍事的にも米国グループで積極的な役割を果たそうという格好になれば、グループ外の国々とは、いやでも応でも緊張が高まる。それが国益にかなうことなのか。
中韓との対話をサボタージュし、グループ化だけを急ぐ姿は、非常に危うく映るのだ。
【高橋乗宣】
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