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重慶大爆撃裁判 第1回人証調べで原告が証言
2014年04月18日14:42
第二次世界大戦中の1938年から43年にかけて、旧日本軍は当時の中国の首都・重慶やその周辺地域に対して断続的に無差別爆撃を実施。直接死者だけで約3万人、間接死傷者が約6600人に上った。今月16日に東京地裁103号法廷で行われた第26回重慶大爆撃裁判において、原告の粟遠奎さん(80)が法廷で証言し、「1941年6月5日、家が旧日本軍の爆撃を受け壊滅。姉2人が亡くなった。この日を境に、それまで豊だった生活が一変してしまった」と訴えた。人民日報が報じた。
粟さんは17日、東京衆議院第2議員会館で開催された「重慶大爆撃の被害者の証言を聞く連続院内集会(第1回)」にも参加し、「日本の中国侵略戦争から既に70年近くが過ぎたが、被害者にとって、戦争はまだ続いている。私たちの精神的、肉体的苦痛は消えていない。被害者の一人として、日本政府が歴史と向き合い、誠意をもって重慶爆撃の被害者に謝罪と賠償を行うことを求める」と訴えた。
謝罪と賠償を強く要求
2006年、中日両国の弁護士や民間団体が、日本政府に謝罪と賠償を求める「重慶大爆撃賠償請求訴訟」を起こし、これまでに行われた25回の裁判で、多くの被害者が法廷で証言した。16日に行われた裁判では、北京大学の徐勇・教授が資料や研究の結論を提出したほか、粟さんと同じく原告の羅淑琴さん(68)が、原告188人を代表して被害状況を証言した。同意見陳述は、5回行われる計画の人証調べの1回目。今後6月30日までに、残りの4回が行われ、日本の研究者3人を含む12人が法廷で証言する。その後、8月に法廷弁論が行われ、第一審の判決が今年の年末までに下される予定だ。
「被害者の証言を聞く」で、羅さんは涙を流しながら、母親の羅富易さんが1941年7月28日の爆撃で負傷し、右足の膝から下を失ったこと、さらにお腹の中にいた赤ちゃんも流産してしまったことを訴えた。そして、母親が不自由な右足を引きずりながら、人の何倍もの努力を払って体力仕事をし、家族を養ったことを語り、「日本の軍国主義が中国侵略戦争を起こし、母親や家族に悲痛な苦しみをもたらした。日本政府からの謝罪と賠償を強く求める」と訴えた。
同集会に参加したジャーナリスト・軍事評論家の前田哲男氏も「同裁判の判決がまだ出ていないため、多くの日本人が旧日本軍が重慶で犯した重罪を知らない。旧日本軍は当時、重慶やその周辺地域に対して爆撃を行い、重慶だけでも2万人以上が犠牲になった。今回の意見陳述が始まったことで、同裁判は新たな段階に入った」との見方を示した。
日本にもある関係資料が法廷に出されるか
同裁判で原告側の弁護を務める、重慶の林剛弁護士は、「重慶爆撃の資料は中国にも日本にもあり、これらの資料が法廷に出され、歴史の真相が認められることが望まれる。原告や弁護士は17日、外務省を訪問し、日本政府の謝罪と賠償を求めた。同集会に日本の国会議員も招いたのは、良識ある国会議員が日本政府が戦争遺留問題を解決するよう促してくれることを望んでいるから。道は険しいとしても、引き続き努力しなければならず、訴訟を通して、多くの人に旧日本軍が第二次世界大戦中に重慶市民に対して犯した罪を知ってもらいたい。命ある限り、賠償請求は行われ続ける」との見方を示す。
同裁判で原告側の弁護を務める、日本の一瀬敬一郎弁護士は取材に対して、「今回、15人が法廷で証言することには大きな意義がある。ほとんどの日本人、裁判所が『重慶大爆撃』の規模の大きさを知らない。今回の証言で、裁判所に事実を明確に認識してもらうことができる。そのような意味では、非常に意義ある新たな段階に入ったと言える。同裁判により、日本政府を真摯に歴史と向き合わせるという目的を果たせると信じている。しかし、すぐにそれが実現するわけではなく、その過程は厳しいものになるだろう。最終的に勝利するためには、日本の国民が政府に圧力をかけられるかにかかっている」と指摘した。
「なぜ原告側の弁護を務めているのか?」との質問に、一瀬弁護士は、「これは平和と関係のある問題。日本政府と裁判所が間違いを認め、正しく処理するかは、中国の被害者に対する戦争責任。これは日本の政治の基礎にもかかわり、これらの問題をうやむやにし続けることはできない。今後、どんな困難に直面しようと、努力し続ける」と答えた。
侵略の歴史への認識が日中友好関係のカギ
同集会に参加した、井上哲士参議院議員は、「このような集会は非常に有意義。日本が侵略戦争において行った多くの悪行を、多くの日本人が知らない。日本は真剣に歴史に対峙し、謝罪と賠償を通して、戦争責任問題を解決しなければならない。そのようにして初めて、日本の国民は誇りを持つことができ、隣国と良い関係を築くことができる」と述べた。
同裁判の支持者として来日した湖南省常コ市日軍細菌戦被害者協会の会長である高鋒弁護士は、「初めて日本の国会で公聴会が行われた時、ある議員が『旧日本軍が過去に、細菌戦のような非人道的悪行を行ったことを初めて聞いた』と言っていた。日本の官僚のようなエリートでさえ知らないのに、一般人が知っているはずがない。世界の平和を愛する人は、旧日本軍が犯した戦争の罪を世の多くの人に知ってもらうように努めなければならない」と語った。
06年から始まった同裁判において、多大なる貢献をしている小野喜彦さんは、「ここに来るまで本当に大変だった。最後に勝利するために、これからも努力を続ける」と語る。
服部良一元衆議院議員の秘書を務めた経験を持つ芹沢礼子さんは、「『重慶爆撃』と聞くと、重慶だけで起こったことと、多くの人が感じる。多くの日本人に、これは日本が、当時の四川省を含む広範囲で犯した罪であることを知ってほしい。日本人にとって、『重慶爆撃』の歴史を知ることは大きな意義がある。これは、日中の友好の基礎の1つ。日本人が過去に中国に対して行った侵略の歴史を知らなければ、本当の意味での日中友好関係を築くことはできない。原告は中国からはるばる東京を訪問しておられる。裁判所が、被害者の方々が納得できる判決を下すことを強く願っている。敗訴になるリスクも抱えているが、被害者の証言が裁判所に認めてもらえることには大きな意義があり、旧日本軍が犯した罪を認めることにつながる」と述べた。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年4月18日
http://j.people.com.cn/94475/8602884.html
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