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6月にヤマ場を迎える辺野古埋め立て工事 【高野孟の「永田町の裏を読む」】
http://gendai.net/articles/view/newsx/149516
2014年4月16日 日刊ゲンダイ
沖縄防衛局が名護市に対して11日、米海兵隊普天間基地の移設に絡む要請を行っていることが明らかになった。具体的には辺野古の埋め立て工事着手のために漁港を資材置き場にするための使用許可や、海底ボーリング調査に伴う岩礁破砕についての市長としての意見書提出など6項目だ。
埋め立ての許可を出すのは県知事で、すでに昨年12月に石破茂自民党幹事長や菅義偉官房長官に脅しあげられた仲井真弘多知事が車椅子にしがみつくようにして許可を発表したことは記憶に新しい。しかし実際に工事を始めるには、前述のような地元市長の許可や協議を通じての同意などが必要で、稲嶺進市長は一切の手続きに応ぜず、すべての市長権限を用いて着工を阻止すると、対決姿勢を鮮明にしている。
また県下の平和団体も、復帰42周年にあたる5月15日から18日にかけて大がかりな平和行進と普天間の即時閉鎖、県外・国外移転を求める県民大会を開いて、着工を実力によってでも阻止する構えを固めようとしている。
政府・自民党とすれば、12月に予定される県知事選で辺野古移転反対派の知事が誕生し、前知事の埋め立て許可は手続きに齟齬(そご)があるので取り下げるなどと言い出したら大変なので、それまでに出来るだけ既成事実を積み上げて後戻りできないようにしておこうという魂胆で、稲嶺市長の抵抗やデモ隊のピケなど蹴散らしてでも着工を急ごうとしている。
かくて、辺野古移転問題は、この6月にも最初のヤマ場を迎えようとしている。
知事選の基地反対派候補として有力視されているのは、現那覇市長の翁長雄志氏である。元自民党県連幹事長でありながら、オスプレイ配備反対や辺野古移設反対の県民大会や建白書運動の共同代表を務め、戦いの先頭に立ってきた。彼が出馬を決断すれば、保守層の一部から社民党、共産党までが支援に回り、勝つ可能性が大きい。
対する自民党は候補者がおらず、菅長官は仲井真に「3選出馬して辺野古推進に命を懸けろ」と迫っているという。仲井真が5月に例年通り「政治資金パーティー」を開けば、事実上の出馬宣言となろう。
▽〈たかの・はじめ〉1944年生まれ。「インサイダー」「THEJOURNAL」などを主宰。「沖縄に海兵隊はいらない!」ほか著書多数。
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