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2014年04月12日
村の長(おさ)であろうが、マフィアのボスであろうが、世界秩序のボスであろうが、それぞれの社会において、リスペクトされるだけの資質と実力と言動と云うものが存在するのだろう。故に、彼らが揉め事や紛争の仲介者として行動し、益々その力を増強させていくものである。そうして、彼らは、権威を完成させた場合は、その椅子にかけているだけで、他の者たちはその前に傅くのである。第二次大戦以降のアメリカが、その象徴でもあったことは誰も否定しない。1970年代、グローバリゼーションと云う言葉が使われはじめた頃から、アメリカの経済的威力に蔭が差したのだろう。
1980年代になると、ネオリベ中心に新自由主義、市場原理主義な経済観念が生まれてきた。このグローバリズム経済と市場原理主義経済への傾きは、敢えてその道を創造したと云うより、そのような道を選択しなければならない、アメリカ経済成長の鈍化があったと考えるべきだ。つまり、グローバリズム経済と市場原理主義経済、そして金融工学を駆使するマネーゲーム中心の経済が誕生した。この金融資本経済は、架空のマネーのゲームゆえに、実体経済以上の規模に膨らみ、そして爆発(サブプライムローン)した。米国経済の上述な流れも、マーケットの成長の限界を、何かで補おうとしたプロセスなのだろう。
アメリカの豊富な知恵から産みだされたアイディアではあるが、成長の限界と云う本質を変えることは出来ず、苦悩している。苦悩もせずに、ぬくぬくと少子高齢化による構造的問題を先送りした日本政府よりはマシである。しかし、彼らは、経済だけでボスの座は安定しないと云うことで、外交軍事分野でも、仲介者的存在にも君臨しようとした。しかし、アメリカの仲介者としての器量は、歴史の浅さや、人工国家ゆえの弱点を晒し、成就することはなかった。結局、第二次世界大戦における仲介者が最後で、その後は、紛争の当事者又は、その傀儡を動かし、悉く失敗している。
インテリジェンスだか、なんだか知らないが、知恵・度胸・体力・経済力、そのすべてが世界一で、自分たちの「正義」も折り紙つきと信じて疑わないのが、アメリカと云う国である。たしかに、多くの面で、彼らは世界一かもしれない。しかし、人類の歴史の中で眺めれば、1ページを満たしているに過ぎない。アメリカのアキレス腱は、その浅い歴史にある。このような国家が、唯我独尊な思い込みと態度で地球上をのし歩くことが、世界秩序の安定であるか否か、そこを考えるのが21世紀に生きる我々の責任であり、権利でもあるのだろう。
そのようなことを考えながら、ウクライナ問題を眺めていくと、なるほどアメリカと云う国が、NATO勢力圏の東進を試み、ロシア、延いては中国を牽制する体制づくりに邁進している意図を考えるとき、ウクラナなんて国には経済的メリットは、EU、ロシア双方にないのだから、軍事バランス以外に、弄りまわす意味はない。おそらく、EUとロシアの経済的繋がりが濃くなればなるほど、アメリカの地位は低下するわけで、これをオバマは看過できなかったのだろう。故に、ヌーランドや共和党のマケインまで抱き込んで、EUを自陣に引き止める策を弄したのだろう。
アメリカにとって、NATOが戦闘意欲どころか、防衛意識さえ失うような出来事は、見たくもないと云うことだろう。今回のウクライナ問題で、一番迷惑を蒙り、ポジショニングに苦悩しているのがドイツのメルケルだろう。或は、飛び火されることを怖がっているのはトルコかもしれない。フランスのオランドは、ロシアと国境を接しているわけでもないし、常に傭兵部隊でリスク対処する体制が出来ているので、何事にも好戦的だ。英国はフォークランド領有権問題で、サッチャーが居住住民の意志の選択と云う考え方を出した都合上、偉そうにロシアを糾弾も出来ない。また、シティーにおいて、ロシア・マネーはお得様であり、このマネーの凍結は死活問題になる。イタリアに及んでは、“俺たちゃ関係ねぇ”の有様である。
11日、ウクライナ問題に進展がみられた。アメリカの煽りに乗って、いがみ合うのは、EUにもロシアにも、ウクライナ国民にとっても、全員が損をする事だと、関係者の多くが気づいたようである。ロシアのラブロフ外相は、テレビの番組で、ウクライナ東部の親ロシア派デモ隊が要求しているロシア編入は考えていない。ウクライナ東部の編入は、ロシアの国益に反すると語った。また、ラブロフ外相は、ロシアが求めるウクライナ連邦化の住民投票実施の可能性あることを前提に語っている。ウクライナをEU(NATO)とロシアの股裂き状態に追い詰めることで、米国が直接の利を得る可能性は低いが、ボスのアイデンティティをEUに確認させる試みも、半ば崩壊したようである。
アメリカが、真の世界のボスであるのなら、自らの地位確認の為に、他国の選挙で選ばれた政権を、エジプト、ウクライナと潰して回る意味などまったくない。お大尽な顔で、左団扇でいるだけでいい。つまり、無人機で世界中の子供を爆撃するゲームに興じたり、テロ容疑者殺害実況中継を観戦したり、世界に君臨するボスのやることではない。残念ながら、プーチンや習近平の存在感の方が大きくみてしまう。当然、彼らの方がオバマより長く政権にいることになるだろう。欧米文化に根ざす「普遍的価値」の親玉国家がこれでは、普遍性など、どこにも感じられない。
これで、安倍晋三も、プーチン外交に光が見えてきたわけだが、肝心のアベノミクスが崩壊の危機に瀕しているようだ(笑)。世界第三位の経済国の舵取りを、馬鹿男に任せたツケだから、国民が痛みをじっくり味わうしかないだろう。1家庭、月額1〜2万の出費増は確実で、ベースアップがつづうら浦に行き渡っても、精々3〜5千円。それを歓んでいる国民の脳味噌、ぱっくり開けて、中身を覗きたいものだ。その上、株高で、一時の浪費を味わった連中は、追証に追いまくられる日々が続くことになるだろう。週初からの株価の値下がり率は、世界一8%以上になっている。この調子だと、現時点で打てる手は殆どないので、ずるずると12,500円まで下げる可能性が強くなっている。
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