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日銀引き受けで赤字財政支える 【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】
http://gendai.net/articles/view/news/149397
2014年4月11日 日刊ゲンダイ
スタートから1年「異次元緩和」の正体
日銀の黒田総裁が就任して1年が過ぎた。大量の国債を引き受けてどんどん紙幣を刷る「異次元の金融緩和」は、円安を招き、景気回復に寄与したとの見方もある。はたして、そうだろうか。
黒田総裁の異次元緩和は、2%の物価目標を掲げている。だが、2月の消費者物価指数の上昇率は1.5%。日銀が集計した「企業の物価見通し」も、1年後は1.5%で3年後も5年後も1.7%である。2%の目標達成は簡単ではない。
価格の動向は、需給関係によって規定されるものだ。これは経済学のイロハのイである。しかも、今日の経済では、需要水準と供給力はいずれもグローバル規模だ。一国の金融政策や財政政策で需給関係に介入し、物価を一定レベルまで押し上げようというのは、どだい無理な話なのである。それがたとえ「異次元」であったとしても、効果が限定的になるのは当然だ。
また、日銀が国債を引き受けることで、日本の国債市場は日銀直轄となり、国債取引から事実上、市場性が排除された。内外の民間資金は日本の国債市場に幻滅し、その多くが海外へ流出。結果として為替は円安に転じた。これによってデフレからの脱出を期待する向きも多かったようだが、物価上昇は輸入物価が中心である。燃料、原材料、飼料用穀物、日用雑貨の類いが値上がりした。これが中小の事業者や多くの国民を苦しめているのだ。
そもそも資金需給がひっ迫して景気にブレーキがかかっているのならともかく、民間の資金は大余りの状態である。民間金融機関が余剰資金を預け置いている日銀の当座預金(支払準備預金以外の預け金)残高は、2013年1月の3.4兆円から14年1月には10.5兆円へと急増した。大量のカネを市場に流す緩和策が効くわけがないだろう。
民間企業の留保金も過去最大規模だと報じられている。企業としてやるべき投資は、金融環境のいかんにかかわらず、実行可能という状態なのだ。
こうした状況下で異次元緩和をやる理由は、ただただ国債の日銀引き受けで赤字財政を支え、アホノミクスを支援すること。安倍首相と黒田総裁がペアを組んで「アベクロサンバ」を踊っているだけ。日本経済や国民生活にプラスとならないのである。
【高橋乗宣】
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