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2014年04月11日
以下の日経BPの記事で不安視しているように、アベノミクス、第三の矢、成長戦略のカナメとなる国家戦略特区だが、このコラムが書いているように、官僚組織が不利になるものは、表向き抵抗されるかどうか別にして、悉く法案が骨抜きにされるだろう。自民党内の「敵」は意外にあっさり白旗を揚げるかもしれないが、面従腹背なわけで、安倍首相の権勢が落ちるのを、いつか、何時かと待ち続けるに相違ないので、党内議論は官僚に筒抜けになる。
竹中平蔵が中心になって議論をまとめているようだが、彼のマクロ経済展望には、重大な瑕疵が二つある。まず一つ目が、ことが此処まで煮詰まっても、未だに先進諸国の経済成長余力があると主張している事だ。その証拠に、アメリカは、財政赤字を半分にする成長を遂げた。昨年も今年も、経済成長は3%台をキープしている、と云う理屈だ。すべからく、アメリカの真似をすればいいのだと云うのが、竹中の理論のコアにある。それが出来るなら、昔から日本だって実行しているだろう。アメリカと日本が、同一条件で語れるのならいざ知らず、宗主国と属国と云う立場の違いを無視している。基軸通貨がドルであり、そのドル通貨供給量を制御しているのがFRBである事まで、無視した論理で構成されている。
ベースとなる前提条件を省いて、あの通りやればいい、は暴論だろう。製造業で一定の競争力があるとしても、現地生産(サプライ品含め)と現地雇用を強制されているのだから、製品の輸出で儲かるわけがない。逆輸入する羽目に陥り、円安がwパンチなのだから、話の出来るレベルに立脚していない。挙句にアメリカはシェールガス革命で、エネルギー問題はほぼ解決しているのだ。金融工学を駆使した八百長金融商品を弄ぶテクニックも備えている。同じことをやっても、同じ結果が生まれる可能性は殆どゼロ。逆に、アメリカのような人口国家が真似の出来ない、自然国家の魅力さえ失うのがオチである。
我々日本人に求められているモノは、日本独自の価値観の樹立である。脱亜入欧の逆さま、言い換えれば、先ずは「脱欧入日」なのである。欧米の猿まねで、一定の先進国入りしたのは、もう過去のことである。これだけ極端な少子高齢化と資本主義の飽和が見えてきたのだから、逃げるわけではなく、創造性が必要なのである。いまだに20世紀の遺物のような欧米文化に根ざす「普遍的価値」に追随しても、得るべきものは僅かだし、失うものの方が断然多い。「民主主義と市場経済」を軸に、「自由と繁栄の弧」に便乗しようなんて、そんな美味い手は残っていない。
欧米諸国に追随することで、民主主義や資本主義の外観は整えた。その点は、明治以降の人々を評価しておこう。しかし、猿まねには「画龍点睛」がないのだから、必ず行き詰るのである。そこを無視して、より強国になろうとする、キリスト教的欲望が紛争や事変や戦争を起こすのである。外交的軋轢も、そこから生まれる。だからと云って、アメリカが優れていると云うことにはならない。ただ、欧米諸国と同じ「普遍的価値」に拘る点が問題なのだ。血と心が馴染んでいないのだ。今こそ、日本独自の価値観を創造し、その価値観に基づく政治が重要になる。
その為には、直近の尖閣だとか、竹島などに深く関与する意味など、さらさらない。自分の国の特性を、よくよく見つめ直す時なのである。たかだか200年にも満たない明治維新後の猿まね文化が、本来の日本の文化であったかどうか、歴史を紐解くべきである。なにも、封建制度を導入せよと言っているわけではない。民主主義でも良いだろう、資本主義でも良いだろう。ただ、中国や朝鮮半島から学んだ多くのモノを、日本独自のモノにまで作り変えた実績が日本人にはある。
まぁ一例に過ぎないが、グラハム・ベルが日本の地形と気象はエネルギーの宝庫だと唸った。それが、宝の国日本と呼ばれる由縁である。そういうお宝が日本列島には明治維新以降、眠ってしまった可能性がある。海があり、山があり、川が流れ、水源は豊富だ。暖流があり、寒流があり、四季折々の季節もある。衣服だけでも3種類の用意が必要。これは内需市場の強さを示している。ここで、長々日本の隠れた長所を並べるつもりはないが、市場経済の競争原理の波に揉まれても、狩猟民族化出来ない農耕民族が同等の闘いをするのは、そもそも土俵の選択を間違えている。
≪ 安倍首相の覚悟が試される国家戦略特区、「敵」は自民党内と霞が関にあり
日本の国際競争力の向上や新しい産業の創出を目指すのが成長戦略。このアベノミクス「第3の矢」の目玉政策として、国家戦略特区が動き始めた。3月28 日に開かれた国家戦略特区諮問会議で第1弾として東京圏や関西圏など6地域が指定され、「岩盤規制」を切り崩す役目が期待される。だがその一方で、規制改革は本当に進むのかと不安視する声も少なくない。
■東京圏と関西圏でGDPの3分の1をカバー
戦略特区は2種類ある。一つは大都市圏を中心として広域で進める特区。もう一つは革新的な企業を連ねた「バーチャル特区」だ。発表された6地域はこの二つがはっきりと示されているわけではないものの、その意味合いは持たされている。
大都市圏特区には、国際ビジネスを推進する東京圏(東京都、神奈川県、千葉県成田市)、医療イノベーションを進める関西圏(大阪府、兵庫県、京都府)が 指定された。東京圏と関西圏で「国内総生産(GDP)の3分の1をカバーすることになる。マクロ的にも大きなインパクトを持つ」と諮問会議の民間議員を務 める竹中平蔵・慶応義塾大学教授は指摘する。
⇒ 戦略特区指定、東京都に「養父市のような意欲」がほしい
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20140402/391050/
東京圏、関西圏のほかにベンチャー特区として福岡県福岡市、観光特区として沖縄県、そして農業特区として新潟県新潟市と兵庫県養父(やぶ)市が指定され た。このうち「岩盤規制を打破するモデルになる」と高い評価を受けたのが兵庫県養父市だ。同市のプランは農業委員会(農地の転売などを許可する組織)を廃 止して、その役割を市で引き取り、積極的に農業改革を進めるというもの。農業生産法人「新鮮組」(愛知県田原市)と組んで耕作放棄地で新しい農産物づくり に取り組む。「バーチャル特区の出発点となる」と期待されている。
■スピード感が求められる改革、リーダーは安倍首相
繰り返しになるが、国家戦略特区の目的は「岩盤規制」を突破することにある。各種規制は全国にまたがる問題だが、全国的に規制緩和を実施するには、ものすごく時間がかかる。だから、地域を限定して特区で規制緩和に取り組み、その進め方にはスピード感が求められる。
諮問会議では、「国家戦略特区の制度の主眼は、これまでの構造改革特区、総合特区では十分に実現できていない『岩盤規制』の改革及びそれに相当する抜本 的な税制改革に総理主導で突破口を開き、経済成長を実現することである。そのための突破口が『特区』である」とその目的が確認されている。
⇒ 「岩盤規制」の突破口となる国家戦略特区、その生命線はスピード感
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20140120/380687/
国家戦略特区法で示された規制改革は次の主なものを含め16項目ある。
・容積率・用途等土地利用規制の見直し
・エリアマネジメントの民間開放(道路の占用基準の緩和)
・雇用条件の明確化
・有期雇用の特例
・国際医療拠点における外国医師の診察、外国看護師の業務解禁
・保険外併用療養の拡充
・農業委員会と市町村の事務分担
・農業生産法人の要件緩和
これまでの特区制度と違うのは、国・地方・民間事業者の3者が参加する区域会議がもたれることだ。この区域会議で特区の中身を具体的に詰めていく。
⇒ 戦略特区は規制改革の突破口、政治は改革への意欲を
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20131107/372120/
各特区をチェックする中央機関として存在するのが諮問会議で、各特区の成果目標の設定、進捗状況の管理を行う。そして、全体を主導する内閣総理大臣が特区指定の解除を行うことができる。こうした仕組みにより、特区同士が緊張感をもって競い合い、成功事例は他の地域にすばやく展開するとしている。
■「防衛ライン」を設定する霞が関の思惑
1月30日に開催した第1回の諮問会議で、安倍首相は次のように述べている。 「先日のダボス会議で、向こう2年間、国家戦略特区では岩盤規制といえども私のドリルから無傷ではないとの趣旨を申し上げました。基本方針にもその趣旨を明確に盛り込みました」
安倍首相は世界の政治家や経営者、エコノミストが集まるダボス会議という場で、2年間で岩盤規制を突破するという、いわば国際公約を示したわけだが、実は早くも「霞が関」の強い抵抗が水面下にあるという。
たとえば雇用改革。国家戦略特区法には雇用改革は付則に含まれているものの、法律が特区の対象とする事業として明確に定められているわけではない。霞が関はすでに法律に盛り込まれた改革事項を「防衛ライン」にして、それ以外の岩盤規制には手を付けさせない姿勢で臨んでいるというのだ。
⇒ 好循環ならぬ「逆回転」に直面するアベノミクス
http://d.hatena.ne.jp/isoyant/20140210/1391991411
そんな霞が関の官僚に絡めとられているのが国家戦略担当相の新藤義孝総務相との指摘がある。総務省は地方自治体に権益を持つほか、通信や放送、郵政など「規制の山」を抱える。規制を突き崩す役割を担う特区担当相と、規制を守ろうとする代表的な役所のトップである総務相を同一人物が務める。これは矛盾ではないかというのだ。
⇒ 改革派vs霞ヶ関派、「4対4」への楔が日本の将来を決める
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140109/257968/
抵抗するのは官僚ばかりではない。アベノミクスを支えるはずの自民党内からも改革への異論の声が上がっている。
■身内である自民党も激しく抵抗
1月22日朝、自民党本部で開かれた自民党経済再生本部の会議。国家戦略特区の状況を説明するはずだったが、冒頭から紛糾した。 「病床数の見直しといった根幹にかかわる問題を党の厚生労働部会の承認を得ないで決めたのは問題ではないか」
自民党厚生労働部会の部会長を務める丸川珠代参議院議員が、再生本部の本部長代理を務める塩崎恭久衆議院議員にこう食ってかかった。厚労省や医師会などとのつながりが深い国会議員が多数を占める厚生労働部会の議員からすれば、「頭ごなしに決められた」という思いが強いのだろう。
丸川議員は第一次安倍内閣の時に初当選しており、安倍首相と近いと見られている。その丸川氏が安倍首相の手法に噛み付いたのは、部会のメンバーや厚労族議員の重鎮の指示があったのだろう、とみられる。
⇒ 「国家戦略特区」に自民党内で猛反発
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140122/258647/
上記の件は一例だ。国家戦略特区の議論では今後、特区内に限って税率を引き下げるなどの難しくやり取りする場面もありうるが、当然、自民党税制調査会の 抵抗が予想される。官邸に近い議員からは、税調会長を財務省の影響力が及ばない人物に差し替えるべきだといった声や、税調インナー(幹部会・顧問会議)の 廃止などを求める声も聞かれるという。
安倍首相が本気で岩盤規制にドリルで穴を開けようとすれば、身内である自民党と霞が関の激しい抵抗にあうのは避けらない。成長戦略への期待をこれ以上失わないためには、安倍首相の覚悟が問われる。 ≫(日経BPnet:企業・経営)
PS:4月11日東証日経前場は14,000円割れ、330円安になっている。日銀への更なる追加金融緩和の催促なのか、第三の矢を確実に実行せよと云う要求なのか、消費増税のダメージは、マスメディアが喧伝する以上にダメージが大きいとマーケットが見ているのか、NY市場の連れ安なのか、現時点で定かではない。
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