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他国への攻撃を日本への攻撃と"みなし"て反撃するための根拠が「集団的自衛権」であるべき理由 長谷川 幸洋
http://www.asyura2.com/14/senkyo164/msg/130.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 4 月 11 日 09:04:33: igsppGRN/E9PQ
 

かつて議論を呼んだ自衛隊によるインド洋上での給油活動 〔PHOTO〕gettyimages


他国への攻撃を日本への攻撃と"みなし"て反撃するための根拠が「集団的自衛権」であるべき理由
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/38926
2014年04月11日(金) 長谷川 幸洋「ニュースの深層」 現代ビジネス


安倍晋三政権が目指す集団的自衛権の憲法解釈変更にからんで「集団的自衛権を行使しなくても、個別的自衛権の行使で対応できる」という意見が与野党から出ている。日本周辺で起きた有事の際、米軍を守るのに集団的自衛権の行使は必要なく、従来から政府が合憲としてきた個別的自衛権の拡大解釈で対応可能、という主張である。

この意見は与野党だけでなく、集団的自衛権の行使容認に反対ないし慎重な新聞などマスコミの間でも根強い。いずれ国会で本格的な論争になるだろうが、ここでは議論を一段と活性化させるためにも、ひと足先に考えてみる。

■「日本が攻撃目標になっている」と"みなす”ケース

たとえば、公明党は米艦船が自衛隊艦船と並走している時に攻撃を受ければ、日本は個別的自衛権の行使で米艦船を防御できると繰り返している。山口那津男代表は私がコメンテーターとして出演した4月5日放送のBS朝日「激論!クロスファイア」でも「集団的自衛権の行使はリアリティがない」と強調した。

日本共産党は4月10日付「しんぶん赤旗」の「主張」で同じようなケースを挙げて、次のように書いている。

〈 元内閣官房副長官補(安全保障担当)の柳沢協二氏は著書で、第1次安倍政権時に『公海上で米艦が攻撃された場合の自衛隊の対応については、日本近海であれば、そのような攻撃は通常、日本への攻撃の前触れとして行われ、日本有事と認定できるため、・・・個別的自衛権によって米艦の護衛が可能』と説明していたことを明かしています(『検証 官邸のイラク戦争』)。高村氏が挙げる事例は個別的自衛権で対応できるのに、無理やり集団的自衛権行使の類型に入れ、それを正当化する口実に使っているだけです。 〉

ここで「高村氏が挙げる事例」というのは、同紙によれば「A国が日本を侵略するかもしれない状況下で、日米安保条約に基づき日本近海で警戒行動をとる米艦をA国が襲った。日本は集団的自衛権の行使になるからといって米艦を守らず、米艦は大損害を受けた。A国はその後、日本を侵略してきた」というケースである。

もう1つ、例を挙げよう。結いの党の江田憲司代表の主張だ。江田は近著『政界再編』(角川ONEテーマ21)でこう言っている。

〈 今、問題とされているケースは、本来「個別的自衛権」の範疇に包摂されるべきものであり、これまで認められてこなかった「集団的自衛権」をわざわざ持ち出すようなケースではない。 〉

〈 太平洋で米軍の艦船と自衛隊の艦船が並走していたところ、たまたま敵国のミサイルが米軍の艦船に命中した。それに対して反撃した場合、集団的自衛権の行使にあたるのではないかというのですが、これなどはまさに机上の空論です。そういう事態というのは、実際には既に日米に対して開戦している状況でしょうし・・・もしかしたら自衛隊の艦船を狙ったものかもしれない。そうなら即座に反撃する、それが現場の常識、感覚ではないか。 〉(同書、41〜42ページ)

これらは、いずれも完全に同じケースとは言い切れない。だが「日本が攻撃目標になっている」と「日本がみなしている」点で山口、柳沢(日本共産党)、江田の3例は共通している。具体的に言えば、たとえば北朝鮮が米艦船を狙ってミサイルを発射したとしても、日本は「日本艦船に対する攻撃」とみなす、というケースである。

■個別的自衛権の論理が破綻する危険性

江田がいみじくも著書で書いているように「ミサイルが当たった時点で、発射した側に『もしもし日本を狙ったのですか』などと確認できるわけもない」。だから、発射した時点で日本は「もしかしたら日本が狙われているかもしれない」とみなして即座に反撃する。その根拠は個別的自衛権、すなわち「日本が攻撃されたのだから当然、日本は反撃する権利がある」という理屈である。

ここが議論が分かれる最大のポイントである。

結論から言えば、こういうケースで個別的自衛権を適用するロジックは誤りであり、国際常識で認められないだけでなく、非常に危険でさえある、と思う。なぜなら、相手にしてみれば「おれたちは日本を狙ったのではない。米国を狙ったのに、紛争に関係ないはずの日本が突然、横から出てきて攻撃してきた」という理屈を与えてしまうからだ。

もしも敵のミサイルがだれにも当たっていない時点で、日本の反撃が開始されていれば、なおさらだ。ミサイルが結果的に米艦船に当たったとすると、相手はこう主張するだろう。

「ほらみろ、おれたちは米国を狙ったのだ。それなのに日本は自分が狙われたと言って、勝手に参戦したんだ」

このとき日本が「いや、おれたちは自分が狙われたと思ったんだ」などと反論しても通用しない。「なにを言ってるんだ。日本が自国防衛という理由で突然、参戦してきたんじゃないか。自分がそう言ってるじゃないか。宣戦布告なき戦争行為だ」という話になる。つまり個別的自衛権の論理が破綻してしまう。それどころか、攻撃を受けたわけでもない日本の行為が世界的に批判されかねない。

これに対して集団的自衛権とは、まさにあらかじめ「他国への攻撃を自国への攻撃とみなす」という点に核心がある。「米艦船への攻撃は日本艦船への攻撃とみなして集団的自衛権に基づいて反撃する」と堂々と宣言する。そうすれば「日本を狙ったわけでもないのに、日本が勝手に参戦してきた」という相手の理屈を封じ込めることができる。「われわれの集団的自衛権行使は国連憲章で認められた行動だ」と主張できるのだ。

■国連憲章51条を根拠とする国際常識

こういう集団的自衛権のロジックは、北大西洋条約機構(NATO)の根拠になっている北大西洋条約が典型である。北大西洋条約の第5条はこう定めている。

〈 締約国はヨーロッパまたは北アメリカにおける1または2以上の締約国に対する武力攻撃を全締約国に対する攻撃とみなすことに同意する。したがって、締約国はそのような武力攻撃が行われたときは、各締約国が国際連合憲章第51条の規定によって認められている個別的または集団的自衛権を行使して・・・攻撃を受けた締約国を援助することに同意する。 〉

ここにあるように、まさに「みなす」点が鍵を握っている。この考え方を、いまの日本の議論にあてはめれば、米国に対する攻撃を日本への攻撃とみなして反撃するのは、日本の個別的自衛権行使ではなく、まさしく集団的自衛権の行使でなければならない。それが国連憲章51条を根拠とする国際常識である。

個別的自衛権で対応可能という主張は、米艦船を日本艦船が防御する対応そのものに反対していないにもかかわらず(日本共産党はそれにも反対だろうが)、ロジックだけは国際常識である集団的自衛権の適用を避けて、個別的自衛権の拡大で説明しようとするものだ。それは一見、もっともらしく見えて、実はかえって敵に「日本が勝手に参戦した」という口実を与えてしまいかねない。「悪漢は集団で退治する」という国連と国際社会の原理原則から離れて、なんでも自分だけで対応するという態度に固執しているからだ。

集団的自衛権のロジックは以上のように、実は単純である。一言で言えば「私はみんなのために、みんなは私のために」だ。英語で言えば「All for One, One for All」である。そういう原理を離れて個別的自衛権のみにこだわる姿勢は「とにかく嫌なものは嫌」と言って聞かない駄々っ子のように見える。

(文中敬称略)


 

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コメント
 
01. 新共産主義クラブ 2014年4月11日 09:19:36 : w0NMVeciJ/Y.. : i2q62WS81c
>一言で言えば「私はみんなのために、みんなは私のために」だ。英語で言えば「All for One, One for All」である。


徴兵制度も同じですね。

徴兵拒否は、「みんなのために自分が犠牲になる」という精神の欠如ですね。

ですから、徴兵制度に逆らうのは非国民です。



02. 2014年4月11日 09:31:11 : jGBvShvpwg
>結論から言えば、こういうケースで個別的自衛権を適用するロジックは誤りであり、・・・なぜなら、・・・米国を狙ったのに、紛争に関係ないはずの日本が突然、横から出てきて攻撃してきた」という理屈を与えてしまうからだ。

なぜ、日本の艦船が同行している時に米国を狙ったの?と反論したくなる.
米国と日本を狙ったと見なすのが常識じゃない.


03. 罵愚 2014年4月11日 10:46:01 : /bmsqcIot4voM : E2OdyHnF5o
 二百数十カ国ある地球上の独立国のなかで、集団的自衛権の不行使を表明しているのが日本だた一国だけだという事実の理由はなんだろうかな? なぜこの国だけは集団的自衛権がいらないのだろうか?
 アメポチの論理としては「アメリカが守ってくれるから」というものだったが、いまやそのアメリカが支那との戦争を恐れずに守ってくれるかどうか、あのクロンボが「トラストミー」といっても、ハトポッポのそれと同様で信じていいものやら、どうやら…

[12削除理由]:アラシ
04. 2014年4月11日 12:06:22 : JxMUKf4lBM
てゆーか アメリカの軍艦ってそんなに脆弱か?
米軍艦船が応戦できるのなら要らぬお節介だし
米軍が太刀打ちできない攻撃(そんなものがあるとして)に割り込むのは馬鹿のすること

所詮こじつけのための、ありえない事例
本当にやりたいのはケースとしてあげたくないことなんだろうな


05. 2014年4月11日 12:13:55 : qABQvdTAB6
>>02
>なぜ、日本の艦船が同行している時に米国を狙ったの?と反論したくなる.

それは攻撃するほうの都合にすぎない。

あなたと一緒に歩いている友人が、その友人を恨む人間に刺されることはありえるでしょ。
その場合、あなたが犯人に恨まれているわけでもなければあなたが攻撃を受けたわけでもない。。

このような場合に、個別的自衛権の行使は論理的に鵜困難だろうね。

論理的には、集団的自衛権を行使するしかない。




[32削除理由]:管理人特別処理

06. 2014年4月11日 15:33:54 : GSDC8gygnU
はい でました ABです

具体的な例を出せば出すほど現実から解離していきますな
街中の殺傷事件をあげている時点でアレです


07. 新共産主義クラブ 2014年4月11日 17:18:55 : w0NMVeciJ/Y.. : TTzHwB6oS2

>集団的自衛権のロジックは以上のように、実は単純である。
>一言で言えば「私はみんなのために、みんなは私のために」だ。
>英語で言えば「All for One, One for All」である。
>そういう原理を離れて個別的自衛権のみにこだわる姿勢は「とにかく嫌なものは嫌」と言って聞かない駄々っ子のように見える。
(東京新聞・論説副主幹 長谷川 幸洋)  
   
  
「私はみんなのために、みんなは私のために」、「All for One, One for All.(하나는 전체를 위하여, 전체는 하나를 위하여)」は、北朝鮮の憲法に書かれている、北朝鮮の公民の基本権利及び義務についての集団主義原則を表したものです。

このようなフレーズで人心を掌握し、先軍政治をおこない、人民統治ができると考えるのは、北朝鮮の指導者と、安倍政権の面々と、その腰巾着ジャーナリストくらいのものでしょう。
 
  
  
■朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法

「第5章 公民の基本権利及び義務 」

第63条:朝鮮民主主義人民共和国で公民の権利及び義務は《1人はみんなのために、みんなは1人のために》という集団主義原則に基づく。

http://www.geocities.co.jp/WallStreet/3277/2012kenpou.html


08. 新共産主義クラブ 2014年4月11日 17:39:15 : w0NMVeciJ/Y.. : i2q62WS81c
>>07(修正)

上の北朝鮮の憲法へのリンクは、2012年修正のものでした。

最新の北朝鮮の憲法(2013年修正)は、こちら↓です。

http://www.geocities.co.jp/WallStreet/3277/2013kenpou.html


09. 2014年4月11日 17:42:36 : YxpFguEt7k
衆議院法制局
「(砂川事件)判決後に出されている政府の答弁などを踏まえれば、判決が言及しているのは個別的自衛権と解釈するのが一般的だ」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140409/k10013622711000.html

では、衆議院法制局や最高裁や政府答弁も「駄々っ子」の論理ということでしょうか。
長谷川氏は東京新聞内の左右バランスをとるための(単なる)右側の錘のような気がしますが…


10. 罵愚 2014年4月11日 18:19:49 : /bmsqcIot4voM : E2OdyHnF5o
 なにはさておき、自分の国は自分で守る。9条平和の破棄が目的で、集団であろうと個別であろうと、もてる防衛力はなんでも持つ。集団的自衛権の議論は、憲法改正の、最初の一歩に過ぎない。

[12削除理由]:アラシ
11. 2014年4月11日 19:44:02 : qABQvdTAB6
>>10
>なにはさておき、自分の国は自分で守る。

軍事力が膨大となった現在では、自国だけの国防は無理だよ。

だから国連でさえ、集団的自衛権は全ての国が持つ当然の権利だと宣言している。

まあ、日本が核を持ち、スイスのように徴兵制にするのなら、日本だけで国防ができるかもしれないが、私は反対だね。



[32削除理由]:管理人特別処理

12. 罵愚 2014年4月12日 04:42:36 : /bmsqcIot4voM : E2OdyHnF5o
Res11. qABQvdTAB6 さん
 それはそうだ! そのとおりなんだが、だからといって、おんぶにだっこで、丸抱えで他国を守ってもらえるわけでもない。当然、甘い話には下心が見え隠れするわけだ。
 そこで、どこかの大国と同盟関係を結ぶわけだが、その前提として自分の国は自分で守る。同盟国がオオカミに変身するリスクを避けるためにも、国防政策の主語は“日本”でなければならない。社会主義や共産主義はもちろん、アメリカや国連が主語の平和では、日本の安全は守れない、ということさ。
 結論として「自分の国は自分で守る」「政治的価値観…自由な民主主義を共有するグループと共同して国際平和に貢献する」という、ご飯を食べるときのおはしのような、ふたつの政策の共同作業になるのだろう。

[12削除理由]:アラシ
13. 北の零年 2014年4月12日 06:19:10 : pi7eKAjFENWsU : JpZ4uld0oQ

ドーベルマンの集団がシェパードに襲われた時、豆柴が守る?
あり得ない…と思うがね。

14. 2014年4月12日 14:04:19 : 9L5qHJyxOU
>日本周辺で起きた有事の際、米軍を守るのに集団的自衛権の行使は必要なく、
>従来から政府が合憲としてきた個別的自衛権の拡大解釈で対応可能、という
>主張である。

嘘つき!
石破は「地球の裏側へも行ける」って言ってるじゃん。


15. 罵愚 2014年4月12日 14:37:11 : /bmsqcIot4voM : E2OdyHnF5o
>石破は「地球の裏側へも行ける」って言ってるじゃん。

 そりゃぁそうだ、第一次大戦で欧州戦線に陸軍を派遣しなかったのが日英同盟に入った、最初の亀裂だった。
 ただし、近未来のアメリカが、当時の英国ほどに信頼していいものか、どうか、それはまた別次元の話題だろうが…

[12削除理由]:アラシ

16. 罵愚 2014年4月15日 15:14:41 : /bmsqcIot4voM : E2OdyHnF5o
 ハイ、今回も尻切れトンボで終わりました。

[12削除理由]:アラシ

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