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田原総一朗:安倍政権は国民の声に耳を傾けよ
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140410-00000000-fukkou-bus_all
nikkei BPnet 4月10日(木)1時16分配信
安倍政権が集団的自衛権の行使容認を実現しようと必死になっている。これに対して、連立を組む与党の公明党は非常に慎重、むしろ反対の立場にあるといってもよい。
■96条問題、ハードルが高くアプローチを変更
公明党の山口那津男代表は「日本が外国で武力を使う余地を認めることになると懸念が生じる」などと牽制する。新聞各紙は連日のように公明党幹部の発言を取り上げ、4月6日には安倍晋三首相が公明党の北側一雄副代表らとゴルフを楽しみながら「アプローチ」したなどと報じている。
公明党の出方が注目されているのはなぜか。
もともと安倍首相は集団的自衛権の行使容認を憲法改正で実現しようとしていた。昨年5月頃までは、憲法を改正するために憲法第96条の改正をしきりに言っていた。
第96条は憲法改正の発議要件、すなわち憲法改正に必要な手続きを定めている。憲法改正は、衆議院、参議院それぞれの定数の3分の2以上の賛成が得られ、そのうえで国民投票または国会が定める選挙の際に行われる投票で過半数の賛成を必要とする、としている。
しかし、それはハードルが高く、実現は不可能だということがわかってきた。このため行使容認に向け、安倍政権はアプローチを変えてきたのである。
■日本は「戦争をする国」と海外の見る目が変わってしまう
歴代政権は集団的自衛権について「国際上保有しているが、憲法上行使は認められない」という立場をとってきた。その根拠は内閣法制局が1981年に示した憲法解釈である。「憲法第9条で許容される自衛権の行使は日本を防衛するため必要最小限にとどまるべきで、集団的自衛権の行使はその範囲を超え許されない」というものだ。
安倍首相はこの解釈を変えたいと考え、集団的自衛権の行使を容認する法制局長官に替え、解釈改憲によって実現したいとしている。
だが、集団的自衛権の行使容認については自民党内にも慎重派が多い。これまで日本は一貫して集団的自衛権を行使しない国として世界に認知され、平和を保ってきたからだ。
日本が直接武力攻撃を受けて安全保障を侵されるような場合には日本は戦う。これは個別的自衛権であり、国際法上の権利として認められている。ところが、集団的自衛権は、日本ではない他の国が武力攻撃を受けた場合にその国と協力して防衛を行う権利である。「日本ではない国」とは、主として米国を指している。
もし集団的自衛権を行使する国になれば、これまで諸外国が持っていた日本という国に対する認識を変えてしまう。「平和な国」から「戦争をする国」へとその見方が変わってしまうのだ。
■砂川最高裁判決を持ち出した高村副総裁
集団的自衛権の行使容認に向け、持ち上がってきたのが砂川事件の最高裁判決を根拠とする動きである。高村正彦自民党副総裁は3月31日、党安全保障法制整備推進本部の会合で、砂川事件の最高裁判決を引き合いにして、「集団的自衛権はできない、個別的自衛権はできるというのは大分論理の飛躍がある」と指摘したうで、「自国の存立を全うするために必要なことは、集団的自衛権の範疇に入るものもあるということを検討するべきだ」と述べた。
砂川事件は1957年、米軍旧立川基地の拡張に反対する学生らが基地に立ち入り、安保条約にもとづいて逮捕された事件である。東京地裁は米軍の駐留は憲法第9条に反するとして無罪の判決。しかし、最高裁はこれを棄却。米軍は第9条が禁じる戦力には当たらないとし、安保条約の違憲性については判断を避けた。
その判決の中でこう述べられている。「我が国が自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうることは、国家固有の権能の行使として当然」
高村氏はこれを踏まえて、「最高裁は個別的、集団的を区別せずに自衛権を認めている」と述べたのだ。
■閣議決定に公明党の賛成が必要
高村氏の発言でもう一つ話題になり、自民党内で同調する声が出ているのが「限定容認論」だ。集団的自衛権の行使は日本の安全保障に直接関係ある場合のみ、自衛隊の行動を日本の領域や公海に限るというものである。
こうした高村氏の発言により、自民党内の慎重派も先の会合では一応は納得したかたちになったという。しかし、それでも公明党は慎重な姿勢を崩していない。
集団的自衛権の行使容認を内閣法制局の解釈改憲によって実現すれば、国会での議論も採決も必要がない。新しい法律をつくるわけでもない。閣議決定ができればいいわけだが、そこで問題になるのが公明党の存在だ。
安倍政権には国土交通大臣として公明党の太田昭宏氏が入閣している。公明党が反対し、太田氏が署名を拒めば、全大臣の合意が必要な閣議決定はできなくなる。だからこそ、新聞各紙は連日、公明党の動きを伝えるのである。
日本は戦後、平和憲法を掲げ、戦争をしない国として世界に認知され、信用されてきた。その認識を変えるということは、きわめて重大な問題である。朝日新聞の世論調査では「行使できない立場を維持する」、つまり「行使反対」が昨年の56%から63%に増えている(4月7日付)。
安倍政権は国民の意見を徹底的に聞くべきではないか。タウンミーティングなどを通じて国民と直接対話すべきだし、少なくとも、国民の代表機関である国会で徹底的に議論し、審議すべきである。
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