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2014年04月08日
わが日本では、とても面白いと云うか奇妙な現象が、今まさに目の前で展開されている。多くの世論調査やアンケートを見る限り、8%への消費増税で、“今後の生活が不安だ”と答える人が75〜85%に達するのに、消費者行動が極端にマイナスに振れている感じがないし、疲弊感が漂っている様子もない。何処に連れていかれるかも判らずに乗り込んだ船内で、平気な顔で日常を演じている。内心“今後の不安”と闘っているのだろうが、何一つ変わることはないと云う飄々さに徹している。これが日本人の“武士は喰わねど高楊枝”な振る舞いなのかもしれないが。
財務省主導の「危機的財政赤字」が国民に十二分に刷り込まれた成果だと言えるかもしれない。その点では、財務省の勝利宣言が出てもよさそうだが、その気配はない。それはそうだろう、財政再建に必要とされている額を、消費税だけでで賄おうとすれば、単純な計算で30%前後になる。これに、社会保障の減額や保険料アップ等々を組み合わせると、25%程度なら、何とか財政赤字が止められる計算が成り立つ。つまり、赤字国債を出さずに済むかもしれないと云う話で、積もり積もった1000兆円以上の借金が、もう増やさないで済むと云うプライマリーバランスの達成と云うことだ。
猛烈に単純な言い方をすると、年収500万円の4人家族の増税負担が年換算で75万円也。月にして63,000円程度増えると云うこと。おそらく、この負担プラス、社会保障の減額や保険料アップが加わるので月額7万円の負担が各家庭に圧し掛かることを意味している。上述のように考えると、国民の半数以上の人の気が狂っても不思議ではないのだが、意外に世間は冷静な態度に終始している。まぁ今回は8%だから、赤字補てんとしても容認するしかないか〜くらいの心境なのだろう。それに、相当買い溜めもしたので、当分は凌げると云う気分的な面もあるだろう。
3%と云う増税率は、ある意味で国民に「傷は浅い、しっかりしろ」と云う声をたがいに掛け合い凌げる範囲なのかもしれない。財務省も識者も、国民が深刻な財政状況を理解し、寛容な態度に出ている、と理解しているようだが、増税を3%〜5%は容認する、と云うだけの態度で、20%を超えるような消費税まで容認することはあり得ない、と考えておく方が妥当だ。経済評論家連中が、17年前の橋本内閣による2%の増税は、経済が上向きと読み違いした為に起きた景気の腰折れで、今回はその心配はない、と喧伝して歩いている。
おそらく、3%程度の増税幅は庶民が感じる範囲は、10円、100円単位の税負担増と云う感覚なのだろう。その負担は、日々で感じることが僅かで、月単位では多少残る額が減ったと気づく程度だろう。ただ、半年、一年で、その結果を見た時には、多少愕然とするかもしれない。ただ、国民の多くが、3%は致し方ないが、1年半で5%の消費税を10%にしようと試みる政府や財務省の考えに、寛容だとは言い切れる根拠はない。今年の9月時点では、増税の影響を肌で感じるようになるだろうし、ベアなどまったくの亡霊だった事実も知る。また、保険料や医療費負担、公共料金等々の負担増も肌を通り越し、肉や骨に至っている可能性はかなりある。
この秋に決定しようと考えている第二弾の、2%の増税幅を政府や財務省は、上げることを前提に動いているだろうから、見せかけでも景況感を上向かせる方策を練るのは間違いない。しかし、実体経済が底を打っていない事実が厳然とあるわけであり、マスメディアに喧伝させているほど、景気循環が回復などしていない。円安為替誘導の効果が、プラスは為替勘定によるプラスであり、設備投資や雇用に直結する景気は、まだ底を打ったかどうか定かではない。正直、景気が良いように見えている現象は株高だけである。それに引き換え、円安による輸入のダメージはダイレクトに実価格に影響を及ぼしている。
経済評論家は、マスメディア広報のベースアップが本当に行き渡ったのか、そして、この夏の賞与が充分であった場合、2%上乗せも国民から容認されるに違いないと読んでいるようだ。しかし、一部企業が円安で為替効果分潤って、大盤振る舞いをしたとしても、つづうら浦に、その豊かさが行き渡るわけもない。逆に、製造業自体が、アベノミクスにつき合わされ、悪くなっている生産販売体制をより傷つける事になるだろう。これでは、藪蛇も良いところで、経済の底入れそのものが、遠く、深くなるリスクを抱える。現在進行しているのは、世界的な需給のバランスが崩れている事であり、異様に供給力が増加していて、経済活動で得られる利益幅の縮小が起こり、且つ、消費者側に還元されないのだから、世界全体で需要不足が着々と進んでいる。
このような、世界的需給のバランスの崩壊と、日本が直面する少子高齢化問題が重なることで、財政は一層悪化する。消費税はくまなく税が掛けられる打ち出の小槌なのだが、肝心の消費者が、消費する資金を持っていないとなると、手の打ちようがない。社会保障の給付幅の減額をヒートアップさせることも出来ず、一気に消費税20〜30%とすることも出来なくなると、政府や財務省は、自らの身を切る改革などには目もくれず、「預金封鎖」のアイディアを浮かばせるに違いない。自分たちの既得権益を死守するためであれば、預金封鎖の方が余程選択しやすい手段である。筆者は、政府は最後の最後、身を切る改革より、「預金封鎖」の道を選ぶような気がしてならない。
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