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移民受け入れ、反対派が賛成派の倍〜労働力不足対策として高まる期待、根強い反対意見
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140408-00010003-bjournal-bus_all
Business Journal 4月8日(火)3時11分配信
少子高齢化が急速に進む日本では、人口の減少が大問題になっている。内閣府発表の将来推計人口によると、日本の総人口は2026年に1億2000万人を下回り、48年には1億人を割って9913万人、60年には8674万人にまで減少する見込みだ。それに伴う労働力不足は日本経済に大きな影響を及ぼすといわれている。すでに、東日本大震災の復興事業や20年東京五輪の施設建設・インフラ整備では建設人材不足が深刻になっており、政府は15年春をめどに時限的な措置として外国人労働者の受け入れを拡大する方針を決めている。
そこで、今後不足する労働力を補うために注目されているのが移民の受け入れだ。2月13日には安倍晋三首相が衆議院予算委員会でこの問題について言及。人口減少への対策として将来的に移民を受け入れるかどうかと問われた首相は、「わが国の将来や国民生活全体の問題」とした上で、国民的議論を経て「検討していく必要がある」と答弁している。
とはいえ、移民受け入れを推進したフランスなどの欧州各国の例からも、国民生活や行政、文化にさまざまな影響を及ぼすことが予想されるため、そう簡単には決められない難しい問題であるが、この問題について世間一般の人々はどのように考えているのだろうか。そこで今回、インターネット調査最大手・マクロミルの協力の下、全国の1000人にアンケートを実施した。その結果から、人々の本音を探ってみよう。
■調査期間:2014年2月27日(木)〜28日(金)
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:マクロミルモニタ会員 計1,000人(20代〜60代の各年代層男女100人ずつ)
<調査結果>
Q.あなたは移民受け入れ拡大に賛成ですか?反対ですか?
・賛成 23.1%
・反対 51.6%
・その他 25.3%
<解説>
結果は、移民の受け入れ拡大に「反対」と答えた人が50%以上を占めた。年代別・性別で見てみると、反対派で最も多かったのが30〜40代の男性で、その割合は57%。次が60代女性で56%となっている。一方、賛成派で多かったのが60代男性の36%で、次に50代男性27%、20代男性26%、20代女性24%と続いている。50〜60代男性は移民の受け入れに比較的寛容だが、30代以上の女性には反対派の割合が多いという結果となっている。
(1)移民受け入れ拡大に賛成(23.1%)
賛成派で最も多かった理由は、やはり将来的な「労働力不足」だ。「経済を立て直すためには、人口減少は死活問題」「日本国民の高齢化が進んでいるため、外国の人たちに頼らざるを得ない」といった意見が目立つ。中には「気持ちとしては反対だが、現実的に考えると賛成。子供が少ないからしょうがない」といった声もあった。
また、「世界的にグローバル化されつつある時に、日本だけが移民反対では他の国から反発を招くだけだ」「多様性が重要な時代に、外国人を受け入れない閉鎖性はよろしくない」と、国際情勢を考慮して賛成する人も多い。さらに「すべての人間には平等に働く権利がある」など、リベラルな立場からの意見もあった。
(2)移民受け入れ拡大に反対(51.6%)
まず目立ったのは、「低所得層の移民を受け入れると治安が悪くなる」「日本語の習得が難しいのでは。そのせいで就職できずに犯罪に走られても困る」など、治安の悪化や現実的な問題を心配する意見だ。さらに「他国の人とだと、常識や情緒の面で意見が異なることは避けられないので、混乱が生じると思う」など、文化の違いによって生じる問題を不安視する声もあった。そして、少数ながら「単一民族国家が崩れてしまうのはいやだ」「純血主義だから。日本は島国で国民性を大事にするので、外国人が増えるのは好ましくない」という日本の伝統が崩れることを懸念する意見も見られた。
また、「安易に人口を増やすのではなく、もっと子育てしやすい環境を整えるべき」「日本の若者の就職先もないのに移民? それより先にすべきことがあるのでは」というように、移民受け入れ拡大よりまず先に、取り組むべき政策があるのでないかと問題提起する声も少なくない。
(3)その他(25.3%)
賛成か反対かではなく、移民受け入れのメリット・デメリット両方を考えて回答された意見が多かった。例えば、「人口減少の歯止めには必要だが、在日外国人の行動を見ていると不安になる部分もある。手放しで賛成とは言えない」「日本の国際化のためにはいいと思う。でも、日本人の就職先が減るかもしれないので、どちらがいいかわからない」といった意見などだ。移民受け入れには労働力不足を補える利点があるが、それなりにリスクも伴う。回答者全体の約4分の1程度の人は、そうした問題意識を抱えているようだ。
これまで日本は外国人の流入が比較的少なかったという事情からも、単に生活面や行政面だけでなく、国民の心情面にも係わる問題のため、慎重かつ十分な議論が必要といえよう。
松原麻衣/清談社
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