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「労働者の平均年収はなぜ低下したのか」という素朴な疑問を考える(神州の泉)
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平均年収(平均及び総額の給与所得)の低下は、デフレの始原である。
97年当時はバブル崩壊で企業と銀行のバランスシートが悪化しており、設備投資は需要の低迷と相俟ってただでさえ抑制されていた。
それに給与所得の減少による名目総需要の減少が加わったことで、日本経済はデフレスパイラルに陥ったのである。
新自由主義政策が金融家及びグローバル企業に対するあくどい優遇策であり、「小泉改革」が日本の多数派をより過酷な生活に追い落としたことを事実として認めているが、小泉氏が首相になったのは01年4月であり、そのとき既に日本経済はデフレスパイラルの渦中にあった。
脱原発を叫ぶ小泉氏であっても唾棄すべき政治家という見方は変わらないが、彼が、給与所得を減少させた政策を実行した張本人というわけではないのである。
「小泉改革」は、デフレスパイラルに陥った要因を解消するのではなく、デフレのなかでもなんとか経済が廻るようにする“対症療法”的政策と言った方が正鵠である。
「小泉改革」には負の政策が多いが、銀行の不良債権処理を断行したことと消費税増税を回避したことについては評価できる。
「2013年には非正規社員がついに2000万人を突破して2043万人になってしまった」という雇用構造の激変も、消費税増税が誘引したものと言える。
デフレになれば公的保険負担を含む人件費を抑制しようと非正規労働者とりわけ派遣労働者を活用したくなるものだが、加えて、給与の原資に税を課す消費税が増税されたわけだから、それで生ずる負担増を何とか減少させようと、よりいっそう派遣労働者を増やすことになる。
直接雇用の従業員に支払う給与は、通常、稼いだ荒利(付加価値)から支払われるが、付加価値には消費税が課される。ざっくり言えば、消費税を考慮すると、総額30万円の給与を支払うためには、8%をプラスした32.4万円の付加価値(荒利)を稼がなければならなくなる。さらに、他にも、厚生年金や健康保険の企業負担分が2.5万円ほどある。
一方、派遣労働者なら、人材派遣業者にあるスキルのひとを30万円で派遣するよう注文すれば、30万円のなかには“仕入で負担したと見なされる消費税額”(消費税税率5%なら1.4万円)が含まれている。
このような違いから、直接雇用とハケンを消費税負担という観点で比較すれば、直接雇用のほうが差し引きで6万円ほど負担が大きくなる。30万円の労働者を100人雇っているのなら、ハケンに切り替えることで毎月600万円も“浮く”のである。
ついでだが、
「国民一人当たりの所得の国際比較は1994年は第3位だったが1997年から凋落、小渕首相の積極財政が奏功して2000年には再び第3位になった。
ところが小泉構造改革後の2007年には19位に転落していた。これは大きく言えば、政府が日本型の修正資本主義を置き去りにして新自由主義体制に移行したからである」という評価も、円ドルレートの推移がほとんど考慮されていないと思われる。
小泉政権時代は“異常な円安状況”が続いていた。一昨年夏の時点と現在を比較すると30%ほど円安になっている。ということは、12年と13年の一人当たりGDPが円建てで同じであっても、国際比較するためにドルベースに換算すると30%少なくなるのである。
【引用】
「大木広也氏は、この時期に、財務省の40数兆円に及ぶドル買い・円売りの為替介入が行われたと言っていて、これは明らかに日本資産買占めのための資金を財務省が米国に提供したとしか考えられないと言っている。」
【コメント】
「風が吹けば桶屋が儲かる」ほどの迂回的経路を説明しなくてもそう言えなくもないが、03年のドル買い円売り介入の目的は、01年のアフガニスタン侵攻から始まった“インチキ対テロ戦争”で増大した戦費を日本がファイナンスすることである。
03年3月に対イラク侵攻が始まったが、日本の財務省はイラク侵攻に先立つかたちで米国債の購入(ドル買い介入)を始めている。
日本がファイナンスすることで、市場での米国債発行額が抑制され、金利を低くとどめられるだけでなく、ドル資金保有投資家の資金運用自由度を高めたと言える。
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