19. 2014年4月06日 07:20:19
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石破は正直者だ。「<自民党>石破幹事長 集団的自衛権で 地理的な限定を否定 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140405-00000062-mai-pol 」 「自民党の石破茂幹事長は5日、テレビ東京の 番組で、集団的自衛権の行使を可能にする憲法解釈変更に関連し『(自衛隊が)地球の裏まで行くのは普通考えられないが、日本に非常に重大な影響を与える事態と評価されれば、完全に排除はしない』と述べ、地理的概念による限定に否定的な考えを示した。公明党が行使容認に慎重姿勢を崩さない中での石破氏の発言は、今後の与党協議に影響する可能性がある。 また、石破氏は番組後、『(対象を)米国に 限定する考え方は説得力に欠ける』と記者団に語り、『その国に対する攻撃が日本に対する攻撃とみなされるほど重大で、その国から救援要請があること』を条件に、米国以外についても 集団的自衛権を行使し得るとの見解を示した。 安倍晋三首相も昨年9月の訪米中に『地理的 な概念で地球の裏側という考え方はしない』と述べていた。」 安倍は集団的自衛権行使は憲法9条2項があるので、他国の領土、領海、領空は対象にせず「限定的」であると国会でも答弁している。「限定的」ということで、自民党内の慎重派も集団的自衛権行使容認に転換していると言われている。そこに来ての石破発言である。これは波紋が広がる。 石破は正直者と言えば正直者である。そもそも安倍の立場は記事にあるように、地理的概念での制約はないというものであり、そして、定義はよく分からないが安倍は「積極的平和主義」を提唱している。「積極的平和主義」とは、安倍が考える「平和」のためには、積極的に自衛隊を海外に派遣して武力行使をするとも捉えることも出来るのである。 政府自民党は、集団的自衛権行使が必要の理由として、中国、北朝鮮の軍事的脅威が増し、日本を取り巻く状況が変化してることを挙げている。私もここまでは理解出来る。だから「限定的」ということはあり得ると思う。しかし、私は石破が言う様な他国の戦争に参加するのには否定的である。なぜなら、ベトナム戦争もアメリカは集団的自衛権だと言っていたし、9、11に対するアフガニスタン攻撃も、湾岸戦争も然りである。アメリカの狙いはアフガニスタン、イラク戦争で疲弊したので、日本の集団的自衛権行使により、日本にも戦争に参加させることで負担を軽減することである。言い方を変えれば、日本はベトナム、アフガニスタン、イラクの様な泥沼の戦争に巻き込まれる可能性があるということである。もちろん、実際に戦争に参加するか否かは日本の判断だろうが、果たして日本がアメリカの要請を断ることが出来るのだろうか。 石破の論理に従えば、仮に、9、11の時に集団的自衛権行使が認められていたら、アメリカからアフガニスタンへの攻撃を要請を受け自衛隊を派遣した可能性があったということである。また、アメリカ以外もということは、イラクのクェート侵攻に対しての湾岸戦争の参加の可能性も然りである。私の理解では、これが安倍の言うところの「積極的平和主義」である。まさに、安倍政権はアメリカの軍事戦略に従っているということである。大体、集団的自衛権とはお互いがお互いを守るということで、安倍が言う様な日本だけを守る集団的自衛権などというのは、かつての安保ただ乗り論と同じで、集団的自衛権ただ乗り論だということは、安倍が一番知っているはずだ。つまり、石破は正直で、安倍は正直ではないということである。 「積極的平和主義」の是非については議論があるだろうが、それを言っている安倍本人が集団的自衛権行使は憲法9条2項があるから「限定的」であるということとは矛盾するのである。穿って見ると、自民党の憲法改正草案では2項は削除しているので、安倍は現行憲法の解釈変更で「限定的」集団的自衛権行使を実現し、その後の憲法改正により「限定」解除を狙っているとも見て取れる。しかし、石破は「限定的」ということで集団的自衛権行使の見通しが付いたことで、この際、時間が掛かる憲法改正を待たずに、憲法解釈変更で出来るものならばしてしまえということなのだろう。 |