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2014年4月 5日
元外務省国際情報局長である孫崎亨氏が書き下ろしたノンフィクション小説
『小説外務省』(現代書館)
の発売が開始される。
私の手元にも届けて下さった。一気に読み終えた。
現代日本を代表する知性、叡智である孫崎亨氏の待望の描き下ろし新著、しかもノンフィクション小説の公刊である。
副題は「尖閣問題の正体」。
ベストセラー間違いなしだ。
日本にとって正しい選択は「棚上げ」である。
誰が、何のために、尖閣問題の紛争化を仕組み、実行したのか。
膨大な資料と証拠を重ね合わせて明快に真実=正体を浮かび上がらせる。
同時に、孫崎氏がどのような思想と哲学の下に行動し続けてきたのか。
その真相が明かされる。
すべてが氷解するのだ。
孫崎氏は、容易には理解されない事象の絡み合った糸を一本一本、丁寧に取り除く。
そして、寸分のまやかしもなく、証拠と資料を積み重ねて真実を暴く。
孫崎氏の主張に異論のある者は、真正面から対決を挑むべきだ。
いかなる圧力を加えようとも、真実の強さにはかなわぬはずである。
国際ジャーナリスト連盟は、2009年に「ロシアでは1993年から約300名のジャーナリストが殺害されたか行方不明になっている」と伝えたことが記される。
孫崎氏は次のように記述する。
「そのほぼすべてが政府の批判を行っている。民主化弾圧と闘うロシア人は、多くの場合、逮捕され、シベリアなどの過酷な収容所に送られる。
この中で国際的に最も著名なのはアンナ・ポリトコフスカヤである。
彼女は次のように書いた。
「権力機構に従順なジャーナリストだけが、“我々の一員”として扱われる。報道記者として働きたいのであれば、プーチンの完全なる奴隷となることだろう。
そうでなければ、銃弾で死ぬか、毒殺されるか、裁判で死ぬか―たとえプーチンの番犬であっても」
ポリトコフスカヤは自らの予言どおり、2006年、自宅アパートのエレベーター内で射殺された。」
孫崎氏は続ける。
「これらのジャーナリストはなぜ自分の命を犠牲にしてまで、ロシア政府を批判するのか。
この現象は何もプーチン政権特有の現象ではない。ソ連時代もあった。ロシア帝国時代もあった。
権力と闘える人、それがソ連・ロシアの知識人の資格かもしれない。
この国に勤務する西側の外交官や情報機関の人間は、権力と闘うロシア人に共感し、時に助ける。
やがて彼らは自国に帰る。そして、自国の政治や社会状況を新たな目で見、その腐敗に驚く。
「なんだ。腐敗しているという点ではロシアと同じじゃないか」と思う。
彼らの中に、自国の政治や社会状況が問題だとして闘い始める人間が出る。」
孫崎氏自身のことを語っているのだろう。
企業でも役所でも、権力志向の強い者は、必ず上を目指す。
人事競争に勝ち、高い地位を得ることが目的になる。
外務省もむろん例外でない。
『どんな人物であろうと上司の意見に従う。上司の考え方を自分が感じ取って主張する。それが外務省の生き方だ』
ついでに言えば『米国の意見に従う』だ。
残念ながら、日本は米国に支配されている。
米国の属国、植民地の状態に置かれ続けている。
この国で、自己の利益の最大化を図るために最良の方策は「米国の犬」になることだ。
現に、多くの人間が自己の利益、自己の欲望を満たすために、魂を売って、米国の犬、僕となっている。
米国がどのように日本を支配しているか。孫崎氏はリアルに、そして核心に迫って再現する。
「しかし、すべての日本人が魂を売っているわけではない。
「木阿弥の一族にとっては何より大事なのは、まず自己の自己に対する誠実であって、〔中略〕外に対する器用さは己れの心にたがうことを行うのを恐れる」という考え方は西京寺の中でゆるぎない人生の道標になっていた。」
の言葉に孫崎氏の思想・信条が鮮明に示されている。
孫崎氏は2020年に向けての日本を限りなく悲観的に予言するが、この予言どおり、日本は転落の一途を辿ってしまうのか。
さわやかな純愛小説でもあり、都内随所のレストラン、カフェがさりげなく盛り込まれた、「尖閣問題の正体」を一気に体得できる恰好のノンフィクション小説に仕上げられている。
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