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2014年04月02日
以下はWSJの寄稿コラムだが、かなり安倍晋三に甘い点をつけているのだが、それでもネトウヨのように、何でもアベちゃんではない点、多少読んでやってもイイかもしれない。まずはご一緒に読んでみることにしよう。
≪【オピニオン】危機にさらされる安倍首相の政治的影響力
4月1日、安倍政権は最大の試練に直面することになる。それは消費税率の引き上げだ。日本経済は個人消費の落ち込みを乗り切れるかもしれない。少 なくとも、1997年の前回の引き上げ当時よりは景気が良い。だが、本当のリスクは安倍首相の政治的影響力が危機にさらされかねないことだ。
安倍首相の最大の成功は、(日銀に変革を迫ったことを除けば)強力で繁栄する日本を望み、国民の懸念に敏感で、具体的な政策を示し、少なくともあ る程度はそれをやり抜くリーダーが日本にいるというメッセージを発信したことだった。世論調査で、自分は景気回復の恩恵を感じていないと回答した人が 80%近くに達したにもかかわらず、国民はそのメッセージに前向きな反応を示してきた。国民からの強い支持は、これまでに何度も歴代の首相を邪魔してきた自民党を沈黙させている。
安倍政権への支持がますます強まっていたときには、こうした筋書きを維持するのも簡単だった。しかし、安倍首相はこの偉業を継続できるだろうか。 安倍政権は長期にわたる景気の落ち込みに歯止めをかけようとすると同時に、集団的自衛権行使のために物議を醸している憲法解釈見直しを追求し、原子炉再稼働の判断を迫られ、法人税の大幅削減を議論している。
安倍首相と自民党の蜜月期間はすでに終わっているもしれない。この数週間、自民党の幹部たちは、集団的自衛権を行使できるよう憲法解釈を見直すと いう安倍首相の計画に抵抗している。幹部たちの抵抗は、憲法解釈見直しの是非よりも、権力争いに根差したものだ。自民党議員たちは政策決定権限が首相に集中していることに苛立ちを募らせてきた。安倍首相はその問題に関して、政府と自民党のあいだでの審議を拡大することで自民党の不平分子と和解しようとしてきたが、連立パートナーである公明党は少なくとも秋まで、憲法解釈見直しを先送りにしようとするかもしれない。
安倍政権はエネルギー基本計画の政府案の閣議決定も先送りせざるを得なくなった。この計画は年度末である3月31日までに自民・公明両党に承認されるはずだったが、両党の脱原発派議員たちの反対で何度も先送りされてきた。
重要な問題で与党の議員たちに譲歩する――また、伝えられたところによると、この夏の内閣改造を求める彼らに妥協する――ことで、安倍首相は政権 の安定を維持しようとしている。とはいえ、首相の座に就いたときの安倍氏の目標は安定ではなく、経済政策と安全保障政策に変革をもたらすことで、むしろ不安定になって当然なのだ。
安倍首相が安定性を強調すればするほど、安倍政権が自民党や官僚機構内の既得権と闘うというリスクを冒す可能性が低くなるように思える。仮に安倍 首相が以前から重視してきた問題である集団的自衛権に関して、反対意見に簡単に屈するようなことがあれば、法人税改革、論争を呼んでいる環太平洋経済連携協定(TPP)の批准といった重要課題を推進する覚悟があるのかどうか、はっきりしなくなる。この2つ問題も、自民党内の反発に直面している。
エネルギー政策や集団的自衛権に関して焦らずに進めようという安倍首相の意志は、衝突を避けたいという気持ちではなく、慎重さの表われかもしれな い。そもそも、世論調査では、国民の大半が憲法解釈見直しにも、原子炉の再稼働にも反対している。それでも安倍首相は、こうした論争の多い問題に関して、 遅かれ早かれ決断しなければならず、そうした分野の速やかな政策策定が与党議員たちに妨害されるようなことがあれば、政府の重要課題に関して自民党に拒否権を与えるという前例を作ってしまいかねない。
安倍首相は依然として国民からの高い支持率という切り札を握っているが、消費増税後の景気状態や憲法解釈の見直し、原発に関する議論を呼ぶ決断、 あるいはその組み合わせで支持率が下がれば、議員たちに対する安倍首相の優位性は失われてしまうだろう。それでも首相官邸にはかなりの影響力が残る(多くの諮問会議や新設された国家安全保障会議のおかげで、特に経済・安全保障政策において)だろうが、すでに期待を下回っている改革のペースはさらに鈍化する可能性が高い。
安倍首相にとっての危険は、2007年に第1次安倍政権に性急な幕切れをもたらしたような大崩壊ではない。野党の機能不全と明らかな後継者の不在を踏まえると、そうなる可能性は低い。それよりも危険なのは、向こう3カ月間に安倍政権が、改革に興味はあるが、リスクを嫌う、あるいは反動的な議員たち によって無力化されたかつての自民党政権のようになってしまうことだ。こうした状況下でも安倍首相は意味のある変革を実行できるかもしれないが、その変革は当初に達成しようとしていたものよりもかなり控えめになる恐れがある。
*筆者のトバイアス・ハリス氏は米ワシントン在住の日本の政治を専門とするアナリスト。政治リスク評価を手掛けるコンサルタント会社テネオ・インテリジェンスに所属している。 ≫(WSJ:コラム:By TOBIAS HARRIS)
中々、このコラムニストはお勉強している。70点くらいつけてやっても良いだろう。しかし、やはりWSJはウォール街の新聞社なのだな、と思う。TPP加盟、原発再稼働、法人税減税、規制改革を煽っている面は否めない。但し、『1997年の前回の引き上げ当時よりは景気が良い』と云う認識は疑問だ。世界的な成長の限界は1997年当時は顕在化していないわけで、マインド的には2014年の方が悪いし、増税幅も大きい。また、消費者の社会保障や円安による負担増も1997年時には皆無だった。財務官僚か経産官僚のレクチャーが入っているようだ。
『強力で繁栄する日本を望み、具体的な政策を示し、ある程度はそれをやり抜くリーダーが日本にいるというメッセージを発信したことだった。世論調査で、自分は景気回復の恩恵を感じていないと回答した人が 80%近くに達したにもかかわらず、国民はそのメッセージに前向きな反応を示してきた。』この部分は、マスメディア・スクラムによるアナウンス効果であり、それに多くの国民だ、騙されても良いから景気のいい振りをしたい欲望とマッチしたのだろう。それだけに、消費増税後の消費の落ち込みは、安倍支持を直撃する。また、6か月も経てば、青息吐息の国民層も顕在化してくるだろう。
ただ、このコラムニストが言う通り、安倍首相が安定に舵を取ろうとすればするほど、支持率は下がるジレンマを抱えている。本当に、国益に資する判断をすることは、自らの首を絞めることでもある。何という皮肉な立ち位置で内閣総理大臣の椅子に座っているか、非常に面白い。官僚の知恵を借り、今のところ官僚機構に正面から対峙する部分を忌避してきたわけだが、此処からは、その部分への踏み込みが求められる。つまり、官僚機構からの反撃に直面すると云うことだ。こういう場合、大向こうを唸らせる、アッという衝撃的パンチが必要になる。筆者は、それが北方領土交渉の目に見える進展ではないかと考えている。
筆者は、安倍政権が野党不在と国民の奇妙な空威張りしていたい気分のマッチングが、各政策や決定過程に疑問を呈しながらも、支持率を堅持している最大の要因だと考えている。政権支持を選択した大半の国民は、久しぶりに感情的に高揚したくなった時期に、嘘でも、堂々と空威張りする指導者が生まれたことを歓迎しているのだろう。大きな副作用は後から出てくる円安為替誘導と株高を演出した点は、その勢いに拍車を掛けた。本日東証は前場、257円上げ、15000円台になっている。6月の景況感が軒並み悪いと経営者連中が心配しているのを嘲笑うような動きを示している。ここ最近の株価の根拠なき上げがなぜ起きている。定かではないが、下がっては絶対に困る政権と、金融当局が存在している証明であり、それを読み切れば、外資が買いに入っても不思議ではない。
正直、安倍政権が強くいられるのは、理由は別にして、株価が上がっているからだろう。国民は、円安や増税で実際の生活は厳しさを増しているのに、支持すると言っている。彼らは、ほぼマクロ経済とか、経済の原理は殆ど理解していないから、経済の良し悪しは、株価で判断する単純さがある。その点で、株価が安倍政権支持率の重大な原動力と見ることが出来る。理屈抜きに株価が14800円以上なら、政権は維持できると読んでいる気がする。多分それしか、安倍政権が高支持率をキープしている根拠がないのだから、株価がすべてなのである。
論理的に、アベノミクスの三本目の矢が、実効力を伴わないものであっても。表面上、新しいシステムが構築されていくような雰囲気を醸しておけば、強く反対する勢力は憤慨するだろうが、多くに国民に「夢」を持たせる効果は期待できる。現在の国民の心境は、総論支持、各論不支持なのだが、総論の昂揚感にまずまず感情を満たしてもらっている状況なのだろう。本来は、強いナショナリストを演じておきたいわけだが、一部修正が加えられ、韓国への国家主義的言動は封殺の方向に舵を切った。その分、中国への態度は強くなるのかもしれない。
安倍晋三の政権が安泰である為の絶対条件は、株価が15000円前後から下がらないことである。株価が下がらなければ、消費増税の影響軽微と云う日経新聞の嘘情報が、正しい情報だったと思わせることが可能だ。経済学や金融財政学から、甚だ問題があっても、プロパガンダ報道では、「株価」がすべてある。日銀の金庫が国債と株で溢れるようになっても、多くの国民にはわからない。国債も社債も株式も、ただ、場所が変わって程度の認識であり、それがどのような爆弾を抱えているかなんか知ったことじゃないのだ。今度は、見せかけ規制緩和、成長戦略第三弾戦略特区で目先を変え、さらなる夢物語を朗々と語るに違いない。
とどめは、筆者は外交だと思っている。安倍が、外交で国民を唸らせるには、尖閣は有耶無耶キープしか手がない。竹島ではインパクトがない。残されたカードはロシアとの北方領土問題の身に見える進展だ。おそらく、安倍政権の最大の目玉が実現するとすれば、プーチンとの首脳会談における成果を国民に示すことである。これがウクライナ問題で、思い通りには行かない雲行きなのだが、それを、どのような手法で乗り切るかが、安倍政権の命運を握るだろう。ここの部分は、明日に回すことにする。
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