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2014年4月 1日
日本経済新聞は消費税増税が実施される前、誰に頼まれたのか、懸命のキャンペーンを展開した。
1月5日、2月21日、3月23日、そして3月24日に、一面トップで、
「消費税増税の影響軽微」
との主旨の記事を掲載した。
共同通信社による3月22、23日実施の全国電話世論調査で、
「消費税増税後の日本経済の先行きに不安を感じている」
の回答が76.5%に達したのとは、正反対の見解が示され続けた。
背後には財務省の、悪名高い「TPR」と呼ばれる世論工作活動がある。
「TPR」はTaxのPRを略した言葉だが、実施にはPRではなくて、情報工作、情報統制活動である。
日経新聞の偏向した記事は、財務省のTPRの影響を受けたものであると推察される。
このなかで、本日、4月1日に、日銀短観2014年3月調査結果が発表された。
企業が景気の現状と先行きにどのような判断を示しているのかを知る重要統計である。
もっとも重要視されるのは業況判断DI。
企業にアンケート調査を行い、その回答を集計したもので、業況判断では「良い」という回答から「悪い」という回答を差し引いた数の百分比が数値化される。
全体を100として、全企業が「良い」と答えればプラス100、全企業が「悪い」と答えればマイナス100になる指数である。
短観は、製造業と非製造業を区分し、また、企業の規模を大企業、中堅企業、中小企業に分類して調査した結果をまとめたものである。
メディアがもっとも大きく取り上げるのは、大企業製造業の業況判断DIだ。
3月調査結果はプラス17ポイントになり、前回12月調査のプラス16から、わずかに1ポイントだけ改善した。
非製造業では12月調査のプラス20が、3月調査でプラス24へと4ポイント改善した。
3月までは、消費税増税に伴う駆け込み消費の影響で企業の生産活動が活発化した。
業況判断DIの改善は事前の見通し通りのものだ。
問題は、2014年6月見通しである。
大企業製造業の6月見通しはプラス8へと、9ポイント急低下する。
大企業非製造業では、6月見通しがプラス13へと11ポイントも急落した。
景況改善の波及が最も遅れている中小企業では昨年12月、本年3月、本年6月の業況判断DIが、
製造業では +1 → +4 → −6
になる。
非製造業では +4 → +8 → −4
になる。
製造業、非製造業ともに、3月現状と6月見通しの落差が12ポイントに達したのである。
企業は大企業も中小企業も、
「消費税増税の影響は甚大」
と判断していることが明らかになった。
日経新聞の記事とは内容が正反対である。
恐らく、日経新聞は日銀短観が4月1日のエイプリルフールに発表されることを踏まえて、意図的に「ウソの記事」を掲載してきたのだろう。
このウソが、「ウソから出たマコト」で、現実になるなら大歓迎だが、現実には、やはり楽観は禁物である。
日経平均株価は、安倍晋三氏が東京証券取引所の大納会を訪れて、
「アベノミクスは来年も買い」
と高らかに宣言した昨年12月30日がピークになって、2月4日までに14%も下落した。その後も、昨年末比で約10%下落した水準で推移している。
チャート分析上は、極めて警戒を要するシグナルが出た。
日経平均株価がデッドクロスを形成したのである。
3月31日に13週移動平均値が26週移動平均値を下回った。
デッドクロスは一般的に、下落が本格化するシグナルである。
足下では、消費税増税直前の駆け込み消費が大ブームになったから、各業態ともに、大活況を呈しているが、4月入り後、水を打ったような静けさが訪れるだろう。
「消費税増税の影響軽微」
はエイプリルフール用の明るいウソだったのかもしれないが、これから、経済が急激に冷え込むマコトが表出すると、いろいろと問題も噴出してしまうだろう。
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