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五輪関係者ニヤリ 政治利用されるAKB国立ライブ「中止」
http://gendai.net/articles/view/geino/149091
2014年3月31日 日刊ゲンダイ
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卒業セレモニーは延期/(C)日刊ゲンダイ
五輪利権に群がる面々にすれば、恵みの雨となったことだろう。30日、東京・国立競技場で7万人を動員する予定だったAKB48の単独ライブが“悪天候”のため、中止になった。
主催者が中止を決めたのは、会場の開門予定時刻の午後1時。最寄りのJR千駄ケ谷駅で、突然の中止を知らされたファンはボー然。
この日のため、地方から上京した人も多く、「チケットを取るのも大変だったのに」と肩を落とす若者や警備員であふれ返り、駅周辺は一時騒然となった。
■ファン7万人の落胆が税金投入の口実に
皮肉なことに開始予定時刻の午後4時には雨があがり、晴れ間がのぞく天気に。会場近くの明治公園には卒業セレモニーを行う予定だった大島優子(25)がサプライズで登場。
「風も強かったりして、いろいろ判断させていただきました」と、ファンにとって“早過ぎた中止”を泣きながら謝罪していた。
落胆するAKBファンには本当に気の毒だが、公演中止を「チャンス到来」と捉えていそうな人々もいる。6年後の東京五輪までに約1700億円もの税金を投じる国立競技場の建て替え利権に期待を寄せる連中だ。
巨額建設費の一端を担うのが、初期費用だけで139億円に上る開閉式屋根の設置だ。その理由は音楽イベントの中止リスクを避けるためで、下村文科相も「開閉式屋根は必須条件。コンサートが年間10回程度でき、維持管理費が黒字になる」と鼻息が荒い。
■5年前は「嵐」が土砂降り決行
しかし、ショービジネスで稼ぐため、巨額の税金を投じるのは公共事業として本末転倒ではないか。先週には2月中旬に都心を襲ったレベルの大雪が降った場合、屋根が雪の重さに耐えられず崩落するとの試算が発覚。自民党議員の間でも「本当に屋根は必要なのか」と見直し機運が高まっていた矢先に、今回の中止劇である。
「ムダな屋根を設置したい側には、格好の口実となるでしょう。AKBのライブ中止なら話題性も高く、<屋根さえあればできた>とこの先、政治利用されかねません」(法大教授・五十嵐敬喜氏=公共事業)
09年8月には同じ国立で嵐の「10周年ライブ」が、土砂降りの中、決行されたことがある。今回のライブ中止の経緯について、国立競技場サイドもライブの運営本部も「取材は『AKB48劇場』に問い合わせて下さい」の一点張り。AKB48劇場は何度、電話してもつながらず、建物は「本日休館日」の立て看板で、入り口が封鎖されていた。
ファン7万人の涙が、ムダな税金に利用されなければいいが…。
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