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検察は3月31日、袴田巖さん(78歳)の再審開始決定に対して即時抗告を東京高裁に申し立てた。
袴田さんは、46年間、執行が今日なのか明日なのかという死の恐怖にさらされてきた。検察の即時抗告は、この精神的拷問をさらに引き伸ばすだけである。
この申し立てを裁判所が審理するために、長ければ2年ほどかかる。
高齢の袴田さんにとって、さらに2年間も待たされることは、当然受けるべき再審を否定されたようなものである。袴田さんに時間が残されていないことを十分考慮した上での、策略であるとも思える。
本件に対する検察の信頼は、今回の地裁の決定でことごとく失墜した。その上、検察がなぜ即時抗告したのか、重大な疑問が残る。
背景
元プロボクサーの袴田さんは1968年、不公正な裁判の結果、務めていた会社の専務一家の殺害容疑で死刑判決を受けた。それ以来46年、世界で最も長いと言われる独房生活を、死刑確定者として強いられてきた。
静岡地裁は3月27日、再審決定を下し、即時釈放を命じた。
検察は、釈放に対する抗告をしたが退けられ、袴田さんは同日午後、東京拘置所から釈放された。釈放後、都内の病院で治療を受けている。
アムネスティ国際ニュース
2014年3月31日
http://www.amnesty.or.jp/news/2014/0331_4529.html
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