http://www.asyura2.com/14/senkyo163/msg/578.html
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http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2014/03/post-7964.html
2014年3月31日
今年、2014年(平成26年)2月9日に執行された東京都知事選挙は、小泉純一郎元首相が応援する細川護煕氏が参戦するなどして波乱万丈の幕開けだったが、結果的に元厚生労働大臣の舛添要一氏が初当選した。
この都知事選では脱原発が争点化されたが、政府側の本音(争点)は全く違うところにあって、それが国家戦略特区だった。だから安倍自民党は党に後ろ足で砂をかけて出て行った舛添氏を応援せざるを得なくなっていた。細川・小泉コンビ、宇都宮健児氏の街頭演説の盛況に比べ、舛添氏のそれは閑古鳥が鳴いていた。
にもかかわらず、舛添氏は圧倒的な得票で他の有力候補者たちを退けた。あの寒々しい演説空間からは信じられないことだった。言われるように創価学会の組織票と無党派層が彼に向かったのだろうか。ミステリーである。
それはともかく、3月28日、政府は国家戦略特区諮問会議で国家戦略特区の第一段階として、東京圏、関西圏、沖縄県、新潟市、兵庫県養父市、福岡市の6地区を指定した。これを受けて同日の定例会で、舛添知事は国が指定する東京圏・国家戦略特区の提案について見解を滔々(とうとう)と述べている。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140328/lcl14032822110002-n1.htm
舛添氏はこの談話の中で、「医療創薬イノベーション」と、「東京発グローバルイノベーション特区」なる言葉を重点的に語っている。何度も言っているが、国家戦略特区の発案者は竹中平蔵氏であり、東京圏に関していえばそれは「アジア東京ヘッドクォーター特区(AHQ特区)」である。
経済構造的に国家戦略特区は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)と同じである。なぜそれが言えるのかと言えば、両者の考え方、設計思想がミルトン・フリードマンの「資本主義と自由」の実践展開そのものだからだ。TPPの徹底秘密主義は全容が明らかになっていないが、それでもこの構想には反人類的でアンフェアーな仕掛けが随所に埋め込まれていることが分かっている。
有名な二つは、多国間における投資家が、投資利益を阻害したかどで対象政府に賠償を求めることができるISD条項(Investor-State Dispute Settlement)がある。もう一つは、条約内容などが一旦合意したら、後でどのようなことが発生してもその条件は変更できないラチェット条項(Ratchet provision?)がある。
『これがTPPの毒素条項だ!!!』を参照するとTPPにはこの他に、NVC条項(Non-Violation Complaint条項)、スナップバック(Snap-back)条項、未来の最恵国待遇(Future most-favored-nation treatment)、ネガティブリスト方式、規制必要性の立証責任と開放の追加措置などの滅茶苦茶、理不尽過ぎる圧政条件が散りばめられていて、これらは一般に“毒素条項”と呼ばれる。
(参照URL)http://www.kananet.com/tpp-1.htm
バルジ・ブラケットの傀儡日本人である竹中平蔵氏が設計した国家戦略特区構想は、前述したように、大枠ではフリードマンの「資本主義と自由」に共振するが、具体的には年次改革要望者や日米経済調和対話の指針に基づいている。
小泉構造改革路線の最終進化形として国家戦略特区法がプランニングされている。要はソフィスケートされた新自由主義政策なのである。この事実を知ってか知らずか、特区を肯定的に目指す馬鹿な都道府県知事らは『強力な成長エンジンとなる』などと、住民をたぶらかす大袈裟な言い方をする。
多国籍企業の走狗となっているアメリカ政府が、安倍首相と竹中平蔵氏のコラボで推し進めている国家戦略特区に、何らかの圧力でISD条項やラチェット規定を課してくれば、実際はその可能性が非常に高いのだが、国家戦略特区法は実質的なTPPになるのだ。
外資勢(多国籍企業群)が日本政府の投資奨励で、ウンカのように集まり投資とM&Aに走った時、彼らが、現状の規制緩和ではまだまだ手ぬるいと感じれば、強大な圧力をかけてきて、投資紛争を国際裁判にかけられる内政干渉を施すことは目に見えている。加えてラチェット規定の有効な発動を求めてくるだろう。
だから国家戦略特区法の施行は実質TPPに準ずるものなのである。
舛添氏が「東京発グローバルイノベーション特区」と、「医療創薬イノベーション」を強調しているが、この“イノベーション”なる用語は、国家戦略特区の発案者・竹中平蔵氏の自家薬籠中(じかやくろうちゅう)の物(言葉)なのである。
以前の記事「グローバリストたちの詐術に騙されてはならない!」で述べたが、竹中氏が慣用的に駆使する「イノベーション」なる言葉は、刷新的な変革ではなく新自由主義による構造改革を象徴的に意味しているのだ。
↓「グローバリストたちの詐術に騙されてはならない!」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2014/03/post-04ce.html
彼はアメリカ型構造改革(ワシントンコンセンサス・スキーム)に反対する連中をまとめて抵抗勢力と呼び捨て、旧社会主義体制を復古する悪い連中だと決めつける。修正資本主義を志向するまっとうな人たちに対して強引にネガティブイメージを植え付けているのだ。
竹中氏は、「イノベーションか、それとも遅滞と既得権益だらけの旧復古体制か?」という二値論理を好んで提起するが、これ自体が経済の鬼畜外道が行うペテンの極みなのである。この線対称的な2分法には、最も肝心なセーフティネットの概念が欠落しているのである。したがって、竹中平蔵氏がイノベーションと言うときは、あらゆるセーフティネットを外資様のために取り外せと言っていることと同義なのである。
これが国家戦略特区の重要スキームのひとつである「規制緩和」の正体である。神州の泉は舛添要一氏が竹中平蔵氏と意を合わせていると指摘していた。それを裏付けるとおり、舛添知事は、東京圏の国家戦戦略特区について、これみよがしに竹中氏の「イノベーション」なるワードをおうむ返しに語っている。
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