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2014年3月28日
ブログ&メルマガ「神州の泉」を主宰される高橋博彦氏が精力的に訴えられているように、新自由主義の毒が日本をさらに浸食しつつある。
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望ましい社会、望ましい政治、望ましい文明のあり方に根本的に関わる問題である。
袴田事件で48年間も不正に獄につながれた袴田巌氏が釈放された。
多くの関係者が再審開始決定を喜ぶ場面が報じられているが、少し違う。
釈放自体は心から喜ぶべきことがらであるが、本質は「怒り」でなければならない。
釈放がなければ、「怒り」を向ける対象すら表に出ずに、無実の力なき市民が、無情に泣き寝入りさせられるところであるから、この絶望の底を基準にすれば、釈放は「喜び」ではある。
しかし、国家がこのような卑劣で残忍な重大犯罪を犯していなければ、袴田氏はかけがえのない48年の時間を謳歌できたのであるから、この、当然の人生を基準に置くならば、たとえ釈放されたにせよ、その感情は「怒り」でしかないからである。
このような重大ニュースが表出すれば、人々の関心は必然的に、この事案に向かう。
その一方で、猪瀬直樹氏に対する略式起訴のニュースがあり、みんなの党の渡辺喜美氏に対するDHC会長からの8億円貸し付けの事実が明るみになり、ワイドショーは取り扱う素材に事欠かない状況だ。
高橋博彦氏は、この陰で、重大な現実が動いている点を喝破する。
安倍晋三税権が経済特区の具体化に動いているという、極めて重大な事案である。
安倍政権が衆院を解散しない限り、2016年夏まで衆参両院の大きな選挙が行われない。
この「空白の2年間」に、日本の諸制度、諸規制が全面的に書き換えられてしまうリスクが浮上している。
変化の方向は「新自由主義の貫徹」である。
この方向の社会改変が強引に推進されたのが小泉純一郎政権の時代だった。
その内容は次のように要約できる。
市場原理主義
小さな政府
規制撤廃
民営化
弱肉強食奨励
これらの方向の経済社会が誰に利益をもたらし、誰に不利益をもたらすのかは明白だ。
経済を支配する一握りの巨大資本がすべての利益を吸い尽くし、すべての富を占有することになる。
大多数の力なき民は、収奪され、野垂れ死にすることになるのである。
この世界運動を推進しているのが、一握りの巨大資本であることは言うまでもない。
この方式を世界中に広め、世界を席捲すること。
それが「グローバリズム」と呼ばれる運動である。
1%の巨大資本が99%の民から収奪して、所得と富を独占する。
この運動法則、思想を体系化したものが「ワシントン・コンセンサス」である。
1989年に経済学者ジョン・ウィリアムソンが論文のなかで定式化した。
ワシントンに、米財務省、世界銀行、IMFの本拠地がある。
この三者を軸に推進されている、一握りの巨大資本が世界経済を制覇するための経済戦略がワシントン・コンセンサスなのである。
日本でこれを強硬に推進した政権が小泉純一郎政権である。
小泉氏は、これを「改革」と称して、「改革=善」の図式を強引に押し付けた。
その一環として実行されたのが「郵政民営化」であり、「道路公団民営化」であり、「かんぽの宿の不正売却計画」であった。
2008年にリーマンショックが発生して、小泉政権が導入した製造業の派遣労働者が一斉に切り捨てられた。
切り捨てられた民は、年末の日比谷公園で命拾いをしたのである。
このことにより、「改革」の化けの皮は剥がされたのである。
この教訓が2009年に鳩山由紀夫政権を生み出す原動力のひとつにもなった。
ところが、「弱肉強食の推進」が「共生社会の構築」にとって代わられてしまえば、巨大資本の巨大利益は幻のものになる。
既得権益である米・官・業のトライアングルは、鳩山政権破壊に向けて総力戦を展開した。
その成果として、鳩山政権は破壊され、菅・野田内閣をつなぎ役として、安倍晋三政権が樹立されたのである。
そしていま、安倍政権のもとで新自由主義政策=グローバリズム謀略=日本社会の弱肉強食化が全面推進されているのである。
その一類型が経済特区創設であり、日本のTPP参加である。
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