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「天然ガス供給源」としてのロシアを失えない安倍政権がウクライナ支援で取るべき唯一の外交政策(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/14/senkyo163/msg/300.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 3 月 25 日 09:08:13: igsppGRN/E9PQ
 


「天然ガス供給源」としてのロシアを失えない安倍政権がウクライナ支援で取るべき唯一の外交政策
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/38759
2014年03月25日(火) 町田 徹「ニュースの深層」 現代ビジネス



プーチン大統領にもオバマ大統領にも嫌われない道はあるか。安倍外交の正念場である photo gettyimages


もっぱら国際政治・外交の場で、ウクライナ危機が関心を集めている。ロシアがクリミア半島の自国領組み入れにとどまらず、ウクライナ東部に対する影響力の強化を目論むのか、米国とEUの制裁強化は泥沼化するのか…。本稿掲載直前に行われるG7(主要国)首脳会議の行方から目が離せない。


■ロシアからの天然ガス調達がご破算になるリスク


「対岸の火事」と思われがちだが、ウクライナ問題は、第2次大戦後、ロシアに占領されている北方領土の返還交渉の行方や我々日本人のくらし、日本経済をも左右しかねない問題だ。


特に、「新たな天然ガスの調達ルート」として期待されるロシアとの関係がご破算になりかねないリスクを秘めていることも見逃せない。


新聞報道によると、安倍晋三首相はオランダで24日に開かれるG7(主要7カ国)首脳会議の際に、米国やEUに追従し、ロシアに対する追加制裁を発表するらしい。本稿の執筆段階(23日)では詳細は不明だが、制裁手段としては、一部のロシア政府関係者に対する査証(ビザ)の発給制限や資産の凍結が有力という。


世界のどの地域であれ、「力による領土の変更」は容認できない問題だ。特に、中国が尖閣諸島への領土的野心を露骨にしている時期だけに、日本は通常にも増して毅然とした態度をとる必要がある。


しかし、根底に確固たる戦略を持たずに、米国、EUが進めるロシアへの制裁強化に安易に追従するのであれば、これほどリスクの高い行為はない。


このケースでは、どういう要因を勘案する必要があるだろうか。


■エネルギー面では強固でない日米同盟


忘れてはならないのは、福島第一原子力発電所の事故以降、天然ガスをエネルギーとする火力発電が日本の最大の電源になっている事実だ。潤沢な資源を欧州に供給してきたロシアと、採掘不能とみられてきたシェールガスの開発成功に湧く米国は、日本にとって、新たな資源の調達先として重要である。


日本が米国の同盟国として、ロシアへの制裁に参加するのならば、例えば、オバマ米政権にシェールガスの市場価格での安定供給の確約を得ておくような対策が欠かせない。


さもないと、期待の2つの調達先をそろって失う羽目に陥りかねない。福島原発事故の直後、供給面で依存度が大きかったために、中東諸国に足元を見られ、天然ガスの高値買い取りを迫られた。あの悪夢を繰り返し、電気代が急騰したり、電力が不足したりする事態は避けなければならない。


ただ、原子力・エネルギー問題に限ると、日米関係は決して信頼関係が強固とは言えず、米国のコミットを取り付けるのは容易な作業ではない。象徴的なのが、今週の核セキュリティサミットの際に、合意に達する見通しの高濃度プルトニウムの米国への返還問題だ。


このプルトニウムは、冷戦時代に、米国が研究用として日本に提供したものだが、オバマ政権が2010年に核テロ阻止などの観点から返還を要求。日本側が「高速炉の研究に必要」と抵抗を続けてきた経緯がある。


今回、合意が成立しても、火種は残る。というのは、今回の返還対象は約300キロ(核兵器にして40〜50発分相当)だが、日本は、これ以外に原発の使用済み核燃料の再処理によって作り出した約44トン(同じく5000発相当)のプルトニウムを保有しているからだ。


■「核燃料サイクル推進」の表明が逆効果に!?


実は、中国にとって、このプルトニウムの存在が、日米間の信頼関係に「くさびを打ち込む」ための恰好の材料となっており、反日キャンペーンに利用されていた。「これほど膨大なプルトニウムを抱えているのは、右傾化する安倍政権に核武装をする意図がある証拠だ」というのである。


安倍首相は、今回の核セキュリティサミットで、原発の再稼働を前提に「核燃料サイクルの推進」と「利用目的のないプルトニウムは作らず、保持しない」という2点を表明するらしい。しかし、それだけでは国際社会の信頼を得るには不十分という。


なぜならば、「核燃料サイクルの推進」をすれば、使用済みの核燃料を「再処理」をすることになり、プルトニウムがなかなか減らなくなってしまうからである。むしろ、首相には、より踏み込んで「プルトニウムの在庫量を減らす」ことを確約すべきだとの指摘が出ていた。


いずれにせよ、核軍縮に呼応する対応でオバマ大統領の信頼を確固たるものにしたうえで、天然ガスを必要としている日本のエネルギー事情についての理解を得ることが前提だ。それがないと、いくら同盟国としてロシアに対する制裁で追従すると言っても、米国が戦略商品として輸出を制限しようとしているシェールガスについて、市場価格で安定的に供給してほしいという日本の要求が通るとは考えにくい。


■天然ガスをめぐるプーチン大統領との蜜月


話を天然ガスに戻そう。そもそも世界の市場では、かつて自国資源の枯渇が懸念されていた米国の要請で、カタールなど中東諸国が増産に動いたものの、米国がシェールガスの開発に成功、増産される中東産の天然ガスが宙に浮いた。


そこで、中東諸国が、この天然ガスの欧州への販売攻勢をかけた。一方で、シェールガス開発熱は、英国や東欧にも飛び火し、欧州では天然ガスの供給が過剰になる可能性が出てきた。


これを受けて、欧州諸国がこれまで3分の1を超えていたロシア産の輸入比率の引き下げを示唆して、ロシアに値下げを迫る事態が起きた。


この結果、ロシアが、従来の欧州向け並みの価格で輸出できる販路を求めて、日本や中国といった東アジア諸国に秋波を送るようになっていた。


ロシアの変化は、震災後、天然ガス依存を強めていた日本にとって渡りに船だった。資源エネルギー庁によると、天然ガスの電源全体に対する構成比は2012年度に42.5%と震災前の2010年度より13.2ポイントも高まった。


これは、石炭27.6%、石油18.3%、水力8.4%、原発1.7%、再生可能エネルギー1.6%を抑えてダントツの水準だ。日本にとって、需要が高まる天然ガスを安定的に調達していくために、調達先の多様化が不可欠になっていたのだ。


日、露両国はこれまで、ウラジオストックに天然ガスを液化する工場を建設し、液化天然ガスの形で日本が輸入する計画を推進していた。水面下では、ウラジオストックから直接、日本にパイプラインを敷設し、ダイレクトに輸入する構想も浮上。こうした天然ガス貿易の加速は、北方領土の返還交渉にも追い風になるとみられていた。



ウラジオストックーサハリン間の天然ガス・パイプライン開通式でのプーチン大統領  photo gettyimages


その際に重要とされていたのが、ロシア国内で高い人気と強いリーダーシップを誇り、2012年に再就任を果たしたプーチン大統領の任期中(2期12年、2024年まで)、特に1期目(2018年まで)に、合意に漕ぎ着けることだった。他の大統領では、北方領土返還に根強い反対があるロシア世論を抑えられないと見られていたのだ。


こうした中で、安倍首相はロシアとの関係強化を重視。西側の主要国の首脳として、ただ一人、ソチ五輪の開幕式にも出席。首相就任以来、5度もプーチン大統領と会談を重ねてきた。そんな努力を水泡に帰すことになりかねない最悪の事件が、ウクライナ情勢の緊迫化なのだ。


■中国に資源を奪われる!


こう見てくると、ロシア産の天然ガスの調達は、あっさりと断念してよいようなプロジェクトでないことがわかるはずだ。


そこで、もう一つ気掛かりなのが、米国やEUとも距離を置き、中立を装いつつ、ちゃっかりとロシアに恩を売っている中国の動きである。


今後、ウクライナ問題での制裁によって、プーチン大統領が今秋に検討していた訪日が実現するか不透明感が増すのは確実だろう。その一方で、プーチン大統領が、訪日前の今年5月に予定している中国訪問は、予定通りに行われる公算が強い。ロシアとの天然ガスを巡る商談で、中国に先を越される可能性が高まっているだけでなく、中国に資源をごっそり持っていかれてしまうリスクも出ているという。


天然資源の調達ルートが多いほど、買い手である日本は交渉を有利に運びやすくなる。逆に、ロシアにとっては、売却先を増やすことが自国の利益に繋がる。制裁をエスカレートさせて、機運の盛り上がった天然ガス貿易を冷え込ませたくないのは、双方とも同じはずなのだ。


では、領土問題の原則を守って、米、EUとの同盟を堅持しつつ、ロシアを過剰反応させないために、日本はどうすればよいのだろうか。


■ウクライナを支援しつつロシアに配慮する方策は?


容易なことではないが、鍵になるのは、今回のウクライナ危機の発端になった同国の深刻な政治・経済情勢の建て直しだろう。対米ドルでウクライナの通貨フリブナは過去1ヵ月に20%下落。外貨準備高は150億ドル(約1兆5500億円)と、昨年11月半ばの400億ドル弱から大幅に減少した。


トゥルチノフ大統領代行が5月の大統領選後まで暫定政権を維持するには、30億〜40億ドル(約3100億〜4100億円)の資金が必要とされる。さらに、来年期限を迎える予定の対外金融債務の返済まで視野に入れると、150億ドル規模の資金が必要になるという。


ウクライナ支援でリーダーシップを発揮するのは、国際機関のIMF(国際通貨基金)である。日本は、IMFの枠組みの中で、とりあえず10億ドル(約1020億円)の支援を行う方向という。


だが、本気度を疑われている米国とEUの制裁に追従する一方で、IMFの枠組みに黙々と資金を拠出するだけでは、支援がムダ金になりかねない。ロシアに恩を売ることも難しいだろう。


そこで、ウクライナの暫定政権の正統性に着目する手はないだろうか。プーチン大統領は、親ロシアだったヤヌコヴィッチ政権が民衆の蜂起による革命で崩壊し、トゥルチノフ大統領代行が率いる暫定政権が成立したことを、「(ウクライナの)憲法に反するクーデター」と主張している。


実際、新政権は選挙で選ばれた政権ではないし、極右勢力の影響下にあって幅広い国民の支持があるのかも大いに疑問だ。


ならば、日本は資金拠出にあたって、5月の選挙をきちんと民主的に行うことや、政財界の癒着で腐敗した基幹産業の構造改革などを条件とし、その進展具合をみながら、必要に応じて追加支援を検討していくという方針をきっぱりと表明することで、米国、EU追従でないことを明らかにし、ロシアの主張にも配慮した形を整える手があるはずである。


今は、いたずらにロシアを刺激することなく、筋を通す道を模索するべきだと考えるが、いかがだろうか。


 

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コメント
 
01. 2014年3月25日 09:36:19 : NNHQF4oi2I
パフォーマンス と 保身の
馬鹿ノミクス 

 嘘を平気のあほに 外交は無い  ただ パフォーマンス外交だけ

 あきらめろ 食料危機 エネルギー危機 目の前

 食べて応援しよう 東北
  このスローガン いかに 無責任か 海洋に 汚染垂れ流し 全くそのまま

 後は パフォーマンスで ごまかし   ジャップの発想


02. 2014年3月25日 15:14:05 : trb76Y9M3U
2014/03/25 〖アムステルダム〗核安全保障サミット

 核テロ対策について各国首脳が話し合う核安全保障サミットが24日、オランダ・ハーグで開幕した。本サミットは2010年にオバマ米大統領の呼びかけで初めて開催され、今回で3回目となる。開会に先立ち日米両政府は、冷戦時代に米国が研究用として日本に提供し、茨城県東海村の日本原子力開発機構が保管している高濃縮ウランとプルトニウムを米国に返還するとした共同声明を発表した。


※一部、音声が大変聞き取りにくい状態になっております。何卒ご了承ください。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/131092


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