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http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20140324-00040242-biz_jbp_j-nb&p=1
JBpress 2014/3/24 12:24 筆坂 秀世
3月4日の参議院予算委員会で、共産党の小池晃議員が小松一郎内閣法制局長官に対して「憲法の番人なんだから、安倍政権の番犬みたいなことをしないで」と揶揄した。
これに対し、翌5日、小松長官が社民党議員への答弁のなかで「このような指摘を受け入れることはできない」「(共産党は)日頃、国民の基本的人権をことさら重視している。プライバシーや名誉を含め、国家公務員にも憲法で基本的人権が保障されている」と反論したそうだ。
新聞報道によれば、小池議員は「番犬と断定したわけではない」と弁解しているようだが、これは通用しない。「番犬」は犬なのだから、人間である法制局長官を「番犬」と断定しないのは当たり前のことなのである。普通に考えれば無礼千万な発言であり、小松長官が侮辱されたと思うのは当然である。
小池議員の発言は参議院予算委員会の理事会でも問題にされ、共産党の大門実紀史議員が陳謝したという。「小池議員の発言は言い過ぎであった」というのが、参議院予算委員会理事会としての認識ということなのだろう。
共産党という政党は、戦前も戦後も弾圧された歴史を持っている。今も公安調査庁の調査対象にされている。だから、ミスを突かれて叩かれることを極度に警戒するDNAを持っている。“過ぎたるは猶及ばざるが如し”なのである。意外に思われるかもしれないが共産党が「品」というものを気にする政党なのは、そうした歴史から来ている。私などは、腰に手を当てて質問しただけで不破哲三氏から叱責されたものである。
■小池議員は党内で批判されたはず
今回の小池議員の質問は、2つの点で党内から批判があってもおかしくないものだ。
1つは、「番犬」という品位に欠ける発言だ。
もう1つは、法制局長官を「憲法の番人」と呼んだことだ。違憲立法審査権を持つ最高裁判所を「憲法の番人」と呼ぶことはあるが、内閣の一部局に過ぎない法制局を「憲法の番人」などと呼ぶことはない。
ましてや共産党は、これまで何度も内閣法制局の憲法解釈を厳しく批判してきた。その憲法解釈とは、「戦闘地域外の後方から武器・弾薬などの支援をしても、武力行使と一体化しないので集団的自衛権の行使にはあたらない」などというものだ。「憲法第9条の抜け穴化、形骸化を図ってきたのが内閣法制局」というのが、共産党としての位置づけではなかったのか。
小池議員、大門議員は、参議院で私の後輩であり、衆参合わせた共産党議員の中でも論戦力は屈指の2人と言ってよい。私は「市田忠義氏の後は小池議員が書記局長になるのでは」と見ていたが、この予測は外れ、山下芳生氏が書記局長になった。
党内からは、小池議員が傲慢だという批判も聞こえてくる。また今回のように、調子に乗りすぎてしまうところがある。こういうところが指導部から不安視されたからかもしれない。
■参議院選で15年ぶりの躍進を果たしたが・・・
小松長官と共産党議員の喧嘩は、1ラウンドで終わらなかった。3月7日の参院予算委員会の終了後、小松長官は共産党の大門議員と国会の廊下で激しい口論を行ったというのである。
大門議員によると、予算委後に廊下で小松長官に声をかけ「番犬」の表現は不適切だったと伝えるとともに、小松氏が3月5日に社民党議員への答弁で反論を述べたことについて「共産党に直接抗議してほしかった」と指摘した。
この大門議員の指摘は当然のことだと思う。小松長官は、小池議員に質問されたときはNHKテレビでの生中継中だったので、次の生中継の機会であった社民党議員の質問時に反論した、と説明したそうだが、やはりマナー違反だ。相手が反論できないところで批判するのはいかがなものかと思う。
これに対し、小松長官は「最初の(答弁)機会だったので」と反論して譲らず、互いに顔を近づけて口論となった。大門議員が「あなたはそんなに偉いのか」とただすと、小松氏は「偉くはないが、基本的人権はある」と主張した。
この後、小松長官は大門議員に謝罪に出向くが、ここまでまた口論になったという。大門議員が「あなたのためにも療養に専念すべきだ」と辞任を勧めたのに対し、小松長官が「そんなことは言うべきではない」と反論したのがきっかけだったらしい。
新聞では一役人が政治家と口論というところに注目した論調になっていたが、官僚が政治家と口喧嘩することは一向に問題ない。それよりも大門議員の「あんたはそんなに偉いのか」とか、「療養に専念すべきだ」という発言の方が気になる。
「あんたはそんなに偉いのか」などというのは、口喧嘩で負けそうになった側が言うセリフだ。また、がんで闘病している人に「治療に専念しろ」「辞任しろ」とはいくら相手が気に入らない人物であったとしても言わない。言ってはいけないことだ。
共産党は昨年の参議院選挙で、国政選挙では15年ぶりの躍進を果たしたが、少し驕りが出てきているのではないか。意外とこんなところから崩れが始まることもある。
■共産党は自衛隊をどう見ているのか
共産党の自衛隊政策は、迷走を続けてきた。そして、今も続けている。現憲法が制定される際、政党として唯一反対したのが日本共産党であった。
理由は2つあって、天皇条項と9条に反対だったからだ。今、共産党の人たちは、「第9条は世界の宝」などというポスターを張り、看板を立てているが、この「世界の宝」に反対した唯一の政党が共産党だった。
このことを指摘すると政策委員長である小池議員らは、「あのときには吉田茂首相が自衛権まで否定していたからだ。その後、政府も自衛権はあると認めている」、だから9条への態度が変わったと言わんばかりの説明をしている。だが、自衛権があるということと自衛のための軍隊を持つということは、ほとんど同義なのである。逆に言えば軍隊なしの自衛権など、なんの意味も持たない。
憲法制定時、共産党は「自衛権もないようでは国の独立は守れない」と批判していた。つまり、無防備という立場ではなかった。いずれは憲法第9条を改正して自衛措置を講ずる、つまり、自前の軍隊を持つと主張していた。
ところが今では、自衛隊を憲法違反の軍隊だと言い続け、憲法第9条は世界の宝だから一切変えてはならないと言う。完全無防備が今の共産党の立場なのである。事実上、自衛権すら否定するまでになっているということだ。
■法制局長官批判の前に自らの無責任を反省せよ
日本に対して急迫不正の侵害があったらどうするのか? ──以前、不破哲三氏があるキャスターからこう詰め寄られ、答えに窮したことがあった。これ以降、いざとなれば自衛隊を活用するのは当然、という方向に方針転換を行った。いわゆる「自衛隊活用」論である。
ところがその後、聞くところによると、これがまた変更になったという。自民党などが政権に就いているときは、何があっても自衛隊の活用に反対する。共産党が政権に就けば活用に賛成する。ということは事実上、自衛隊は活用しないということだ。共産党が政権に就く展望などまったく見えないのだから。要するに、共産党は真面目に日本の安全保障などまったく考えていない、ということの証しがここにある。
護憲だ、9条を守れ、と叫ぶのも結構だが、守るのは国土と国民ではないのか。日本の領土、領海、領空を守り、我が国の安全保障のために、日夜、奮闘している自衛隊員に対し、一切の敬意を払うこともなく、憲法違反だと騒ぎ続ける人々の無責任な叫びが大きな力を持つことなどあり得ない、と断言する。
法制局長官に反省を迫る前に、この無責任さにこそ共産党は深刻に向き合うべきであろう。
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