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大阪市長選「投票率史上最低」「無効票1割強」それでも続く捨て身の「橋下劇場」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/38753
2014年03月24日(月) 田崎 史郎「ニュースの深層」 現代ビジネス
勝敗ではなく投票率が注目された大阪市長選で、その投票率が同市長選史上最低の23.59%に終わった。また、白票など無効票が投票総数の13%を超える6万7500票余りにも達した。
大阪市長・橋下徹が大阪都構想の制度設計に関する法定協議会で反対されたのをきっかけに辞職し、市長選に打って出た手法に、厳しい批判が浴びせかけられた結果だ。選挙戦中、著名な政治学者の御厨貴・放送大学教授が読売新聞の大阪版で「投票率を下げることには、橋下氏の手法を認めないという意味がある」として「白票か棄権」を容認する論を展開するほどだった。
たしかに橋下の手法は強引だし、橋下は市議会議員の説得にもっと努力すべきだった。それが首長と議員が住民の直接選挙によって選ばれる「二元代表制」の本旨なのだが、そうであっても悪いのは橋下だけなのか?
■候補者を立てない自公民共の弱腰
大きな疑問は自民、公明、民主、共産党などの主要政党が候補者擁立を見送ったことである。橋下は選挙戦中、「対立候補を出さない。どうなっているんですか、大阪の政党は。堂々と僕の首を取りに来たらいいじゃないか」と挑発した。しかし、自民、民主、公明党は「大義がない選挙」と批判し、共産党まで候補擁立を見送った。
肩すかしを食らわせたこの手法が正当なのか。そんなに批判するのであれば、候補を立てて戦うべきだった。戦っても負けたかもしれない。しかし、橋下に対して、これだけの批判票があると示すことができたはずだ。主要政党が敗北主義に陥り、戦いを避けたことも責任が問われてしかるべきだ。
もう一つ、公明党の対応にも疑問がある。橋下が辞任し、出直し市長選を行うきっかけとなった法定協議会で、公明党は大阪都構想の進め方に反対を唱えた。これに対して、橋下は「約束違反だ。公明党のみなさん、人の道を説くし、公明党の支持基盤のみなさんは宗教を説いているが、宗教の前に人の道があるんじゃないか」(2月1日、日本維新の会党大会)と激しく批判した。
タブーとなっている創価学会批判を行ったことに、公明党議員や創価学会幹部は怒った。だが、橋下が一昨年暮れの衆院選の候補者調整を持ち出し、「何でわざわざ候補者を立てなかったのか。理由は一つです。都構想で、住民投票まではやるという約束があったからです」と暴露したことに対する有効な反論はない。橋下とのパイプ役となってきた公明党元大阪府本部代表・白浜一良は昨年夏の参院選を機に引退し、どんな約束があったかは公明党の現執行部も把握していない。
■橋下に近い議員が学会幹部と接触
さて、橋下は今後どうなるのか。橋下が執念を燃やす大阪都構想実現のカギは依然として公明党が握っている。市長選に至った経緯からみて、橋下と公明党・創価学会は不倶戴天の敵になったかのように見える。
だが、公明党・学会は「攻撃に対して案外、弱い組織」(政府高官)であることも見逃してはならないことだ。公明党は橋下の発言に反発しながら、橋下が次期衆院選に大阪の公明党議員が当選している選挙区で自ら立候補する構えを示していることを怖れている。
だから、市議会で公明党の姿勢が変化する可能性を否定できない。実際、市長選中に橋下に近い国会議員が学会幹部と内々に会い、接点を探った。
一方、維新の会と結いの党の合流はどうなるか。橋下が大阪都構想の実現にますます集中することは実は合流に「追い風」になる。維新の会の議員が次期衆院選で生き残るためにはもはや橋下を頼りにできなくなったからだ。合流は維新の会国会議員団幹事長・松野頼久と結いの党代表・江田憲司が主導するかたちで着々と進み、今夏までに新党が結成される見通しだ。
いずれにしても、橋下は大阪都構想を諦めることはない。そして、「捨て身の勝負」(政府高官)を挑んでいく。橋下のパワーをあまり軽視しない方が良い。
(敬称略)
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