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2014年3月17日
昨年の9月7日、アルゼンチンのブエノスアイレスでIOC総会が開催された。
この総会で2020年のオリンピック・パラリンピックの開催地が東京に決まった。
このIOC総会に安倍晋三首相が出席してプレゼンを行った。
「フクシマ」について安倍晋三氏は、
“The situation is under control.”
と述べた。
「フクシマの状況は統御されている」
これが、安倍晋三氏が全世界に発したメッセージである。
このメッセージを真に受けて、IOCは2020年オリンピック・パラリンピック開催地を東京に決めた。
上記の安倍晋三氏発言の前後を含めると次のようになる。
「フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御されています。東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも、及ぼすことはありません。」
しかし、日本の国民のほぼ全員が、この安倍首相発言に違和感を持った。
フクシマはコントロールされていない。
“The situation is out of control.”
これが、すべての日本国民が知る「フクシマの真実」である。
この総会で同じくプレゼンを行ったJOC理事長の竹田恒和氏は、
「東京は福島から250キロ離れていて安全だ」
と述べた。
この発言は、安倍氏発言とはニュアンスが異なる。
竹田氏の発言は、
「フクシマは安全でないが、フクシマから250キロ離れている東京は安全だ」
と発言したように受け取れるのだ。
安倍首相は、
「フクシマは、東京にいかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはない」
と述べたが、これも事実ではない。
東京の多くの地域で放射線量が著しく高い「ホットスポット」が発見されている。
神奈川や静岡で産出された茶葉からも、規制基準値以上の放射線量が観測された。
どこが、「いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはない」
ことになるのか。
メルマガの読者が、海外で制作された貴重な動画映像を紹介くださった。
制作したのはZDFというドイツの公共放送局である。
日本で取材を行い、43分のドキュメンタリー番組を制作した。
その日本語字幕を付した動画映像がYOUTUBEに投稿されたというのだ。
タイトルはずばり「フクシマの嘘」である。
http://www.youtube.com/watch?v=m2u-9eR-hC8&feature=youtu.be
日本の首相が、
「フクシマの状況は統御されており、これまでも、そして、これからも、フクシマは東京にいかなる悪影響を及ぼしたことがなく、これからも、及ぼすことがない」
と国際社会に断言したことに対して、これを真っ向から否定するドキュメンタリー映像が制作されたのだ。
ドイツの正統な公共放送局が制作したドキュメンタリーであり、恐らく、これから全世界の人々が、このドキュメンタリーを閲覧することになるだろう。
安倍晋三氏に対して、IOC発言の疑惑が突きつけられるのは時間の問題である。
理化学研究所のプロジェクトチームはSTAP細胞作製の論文を発表して、一時的には賞賛を浴びた。
しかし、時間が経過するなかで、論文の内容が精査され、賞賛は糾弾の嵐に変化しつつある。
安倍晋三氏のIOC総会での発言は、東京招致を決定する要因の一つになっただろうが、その発言内容が精査されてゆけば、やはり賞賛は糾弾の嵐に転じることになるのではないか。
ZDFの制作したドキュメンタリー番組は、極めて正統な制作手法を貫いている。
関係者への丹念な取材を基礎にして、事実を誇張することなく、正確に伝えている。
それだけに、極めて強い説得力を有している。
世界中の人がこの番組を閲覧しているときに、日本人がこれを見ていずに、「フクシマは統御されている」と馬鹿の一つ覚えのように発言していたのでは、日本は世界から見放されることになるだろう。
まずは、日本のすべての市民がこの番組を閲覧して、流布するべきだろう。
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