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2014年03月17日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆日韓関係が、急転直下、180度転換し改善、正常化に向けて動き始めた。安倍晋三首相が3月14日午前の参院予算委員会で、慰安婦問題をめぐる1993年の河野洋平官房長官談話について「安倍内閣で見直すことは考えていない」と明言したのを受けて、韓国の朴槿恵大統領が15日、「幸いなことだと思う。今後、慰安婦の被害者のおばあさんたちの傷が和らげられ、韓日関係や北東アジアの関係が強固になる契機となることを望んでいる」などと述べたからである。
韓国大統領府はかねがね「建設的な対話ができる状況になれば、日本と対話をしない理由はない」としてきており、今月24、25日にオランダで開かれる核セキュリティーサミットの際、米国オバマ大統領が調停役となり、安倍晋三首相と朴槿恵大統領との首脳会談をセットし、日韓関係改善の書類にサインして、日米韓3国の結束を確認し合うことが確実になった。
実現すれば、安倍晋三首相と朴槿恵大統領の首脳会談は2012年12月の第2次安倍政権発足以来、初めてとなるばかりでなく、オバマ大統領がアジア歴訪のなかで4月22日に訪日し、23日に訪韓する際、日米、米韓の首脳会談が良好なムードのなかで行われることになる。
◆朴槿恵大統領は、朴正煕元大統領の長女として生まれ育った元来「保守層」の出身である。「親日派」であるにもかかわらず、韓国内「反日勢力」が増大するなかで、「親日派パージ」の動きが激しくなり、マスメディアの大半が、「反日論調」により、購読者や視聴者の歓心を得ようとする傾向が顕著な空気に押されて、政権基盤が揺らぎ、支持率が低下するのを恐れてきた。それ故に本意に反して意識的に「反日姿勢」を濃厚にしてきたのであった。このため、近頃では、側近たちとの会合の席で突然、異常なほどの過激発言をして驚かせるなど、精神状態が正常でないのではないかと疑われてきた。
しかし、ここにきて、安倍晋三首相が、慰安婦問題をめぐる1993年の河野洋平官房長官談話について「安倍内閣で見直すことは考えていない」と明言したことから、ようやく精神の安定を取り戻してきたものと見られる。「反日派の仮面」をかぶり、本意に反する姿勢と発言を続けることが、よほど苦痛だったらしい。
◆しかし、日韓関係が改善されれば、朴槿恵大統領は2013年2月25日に韓国史上初の女性大統領として就任して以来1年を過ぎて、晴れて訪日して、天皇皇后両陛下に謁見することができる。安倍晋三首相との首脳会談の次のステップに踏み出すことになる。天皇陛下は、朴槿恵大統領とは旧知の間柄であり、韓国史上初の女性大統領就任を大変よろこんでおられるという。
やはり保守層に属する李明博前大統領(大阪市平野区で生まれ、育つ)が2012年8月10日に日本固有の領土である竹島上陸して日韓関係が険悪化し、14日には「天皇(日王)が韓国に来たければ独立運動家に謝罪せよ」と要求したことから、さらに外交面での衝突が激化してきた。
この韓国側で「反日行動」がエスカレートする最中の大統領選挙で、朴槿恵大統領が当選し、就任したのである。この意味で反日的な韓国内世論を意識せざるを得ない不幸な状況下で政治運営を余儀なくされてきたとも言える。
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