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14 3月 2014, 17:21
ロシアと日本:制裁でなく対話に利益を見出す二国[ロシアの声]
日本安全保障局長・谷内正太郎氏がモスクワを訪れた。ロシア高官との一連の会談がウクライナ問題をコンテクストにおこなわれている。
日本政府は現在、対ロシア制裁を検討している。日本からの制裁はEUや米国のそれに類似したものとなろう。ただし、制裁の導入に関して、日本政府は慎重である。領土問題をめぐるロシアとの交渉が座礁することを危惧しているのである。
せっかく温かみを増してきていたロシアとの関係が犠牲になってはと、日本政府はウクライナに関して強い口調で何か言うことを抑制してきた。日本の政治家たちも、このままうまくすれば領土問題も解決にこぎつけるかと期待を抱くほどの良好な関係があった。今回安倍首相に送り込まれてきた谷内氏は、領土問題については妥協的な立場をとっている人物である。日本研究センターのワレーリイ・キスタノフ氏は次のように語る。
「日本安全保障局は日本の対外政策の調整機関として、安倍首相のイニシアチブで創設された。谷内氏は、経験豊かな外交官として、また対外政策に関する安倍首相のアドバイザーの代表格として、ロシアと日本の両国関係に関る重要テーマにおける日本の立場を説明する使命を帯びて訪露した。言わば日本は今、米国とロシア、二つの炎に挟まれている。安倍氏はロシア大統領ウラジーミル・プーチンと信頼関係を打ち立てた。既に首脳会談は5回。6回目もソチG8サミットで実現するはずだった。日本側は再三にわたり、安倍・プーチンの個人的信頼関係に大きな意義を置いているというシグナルを送ってきている。プーチン氏は、複雑な問題を相互的条件で解決する道を探し、引き分けに持ち込む努力をすべきだ、との見方を示してきた。それが今、突然、ウクライナ情勢をめぐる西側からの制裁と圧迫の話で、そうした接近の努力が瓦解の危機に瀕している。安倍氏は、せっかく出来かけたプーチン氏との信頼関係を破壊するような強硬な立場をとりたくない。ゆえに、日本は今、西側と、ロシアとの関係を損ねたくないという自己の願いとの間に、黄金の中庸を見つけるという課題に直面している」
黄金の中庸、それは日本にとって、また別の理由によっても、重要である。現在、日本は、種々の要因によって、非常に複雑な状況を迎えている。それは、隣国との領土紛争であり、また、歴史の再評価をめぐる問題である、とキスタノフ氏。
「領土問題を巡って北東アジアに反日タンデムが形成されているといっても過言ではない。中国首脳も韓国首脳も安倍氏と会談して複雑な二国間問題を討議しようとの願いを抱いていない。そのことそのものが、反日タンデムの存在の証明である。対照的に、プーチン氏は、交渉を行い、相互に受け入れ可能な解決法を模索することに、意欲的である。安倍氏にとってこれは非常に重要だ。彼は、ロシアとの交渉をもって、政治的なポイントを稼ぐことが出来るのである。近隣諸国の全てとうまくいっていないわけではない、ロシアとは正常に関係が進んでいる、と示すことが出来る。もし今日本がロシアに対して米国寄りの強硬な立場をとったなら、言うまでもなく、露日関係は損なわれる」
日本にとって今、重要なのは、協力とうベクトルである。だから日本は対露制裁を導入するにあたって、それが最小限に止められるよう、努力しているのだ。キスタノフ氏はそう語る。
「フクシマの一件で、日本はいま原子力発電を停止している。いま徐々に再稼働していこうというところだが、かつてのような役割を原発が担うことはあるまい。従って、日本のエネルギー資源需要は高まる。日本はロシアのエネルギー資源に利益を見出さないではいられない。もしそれがなければ日本経済には大打撃だ。その他の制裁についてだが、たとえば、日本はすでに相当数に上っているロシア国内の自動車工場を閉鎖することは出来ない。日本はロシアとの関係がかなりの程度冷え込んだ時期にも、その挙に出ることはなかった。今回も、ないだろう。なぜなら自動車産業は、日本経済の基盤なのだ。日本の大企業はそのことをよく分かっている。また、G8ソチ・サミットの開催が中止されることも、日本には全く利益にならない」
G8サミットに合わせて安倍首相とプーチン大統領ははや6回目となる会談をもつことを予定していた。ウクライナの一件で、この会談が流れてしまうことは、露日どちらにとっても願わしくないことだ。
http://japanese.ruvr.ru/2014_03_14/269333158/
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