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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140314-00000121-mai-pol
毎日新聞 3月14日(金)20時56分配信
安倍晋三首相は14日の参院予算委員会で、従軍慰安婦への旧日本軍の関与を認めて謝罪した1993年の「河野談話」について「安倍内閣で見直すことは考えていない。歴史に対して我々は謙虚でなければならない」と答弁した。4月のオバマ米大統領訪日を前に、米国は日韓両政府に関係改善を要請している。首相は歴史認識問題に自ら一定のけじめをつけ、オランダ・ハーグで24、25両日に開かれる核安全保障サミットでの日米韓3カ国首脳会談を引き続き探る構えだ。
日米韓首脳会談は、外務省の斎木昭隆事務次官と韓国外務省の趙太庸(チョ・テヨン)第1次官の12日の会談では合意に至らず、韓国側は慰安婦問題で「誠意ある対応」を求めていた。韓国から戻った斎木氏は13日、首相と対応を協議。政府関係者によると、外務省は14日朝、参院予算委に先立ち「首相の答弁をみてほしい」と韓国側に伝えたという。
首相は予算委で、日本による過去の植民地支配や侵略を謝罪した95年の村山富市首相(当時)の村山談話と2005年の小泉純一郎首相(同)の「小泉談話」にも言及し、「歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいる。慰安婦問題については、筆舌に尽くし難い、つらい思いをされた方々のことを思い、非常に心が痛む」と明言した。
韓国、中国との首脳会談について、首相はこれまで「前提条件を付けずに首脳同士が胸襟を開いて話をすべきだ」と繰り返してきた。外務省幹部は14日、「首脳会談開催に条件を付けるのはおかしいが、韓国側の関心を念頭において首相が答弁した」と述べ、首相の答弁が韓国へのメッセージだったことを示唆した。
政府は、菅義偉官房長官が国会で表明した河野談話の作成経緯の検証作業も、軌道修正を始めている。菅氏は13日の参院内閣委で、元慰安婦への聞き取り調査結果の信ぴょう性について「検証は不可能」と明言。作成の過程で日韓両政府によるすり合わせがあったかどうかに焦点を絞る方針を示した。
別の外務省幹部は「オバマ大統領の来日前に、首相と朴槿恵大統領が会う機会を作りたい」と期待感を示した。【鈴木美穂】
◇河野談話をめぐる参院予算委員会での安倍晋三首相、菅義偉官房長官の発言要旨
<首相>
歴史認識については、戦後50周年の機会には村山談話、60周年の機会には小泉談話が出されている。安倍内閣としてはこれらの談話を含め、歴史認識にかんする歴代内閣の立場を全体として引き継いでいる。慰安婦問題については、筆舌に尽くしがたいつらい思いをされた方々のことを思い、非常に心が痛む。この点についての思いは、私も歴代総理と変わりない。この問題についてはいわゆる河野談話がある。この談話は官房長官の談話ではあるが、菅官房長官が記者会見で述べているとおり、安倍内閣でそれを見直すことは考えていない。歴史にたいして我々は謙虚でなければならないと考えている。歴史問題は政治、外交問題化されるべきものではない。歴史の研究は有識者や専門家の手に委ねるべきだと考えている。
<官房長官>
政府の基本的立場は河野官房長官談話を継承する。当時の事務方の責任者だった石原(信雄)元官房副長官は、作成過程で韓国側との間ですりあわせが行われた可能性を指摘した。政府としては、河野談話作成過程の実態を把握し、明らかにする。元慰安婦からの聞き取り調査については個人を特定しない非公開を前提に行われた。機密を保持するなかで政府として確認することは必要だ。
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