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2014年03月14日
今夜は時間がないので、取り急ぎの感想を述べるにとどめるが、日本と云う国は、かなりトンチンカンナ方向に向かって操舵されているようだ。円安による貿易収支は、一時もてはやされた「Jカーブ効果」を見せることなく1年以上が過ぎた。もう「Jカーブ効果」の話をしたら笑われる段階に至り、あまり口にする評論家もいなくなった。
「Jカーブ効果」がまったく機能しなかった理由は数々あれど、絶対的条件が違ってしまっていたことだ。つまり、製造業の海外生産量が殊の外大きな要素になっており、輸出製造業の構造は、政府が把握する以上に進んでいた。また、日本の製造業者は、円安を市場における価格設定優位のメカニズムに踊らず、販売価格据え置きで、為替上の利潤だけを謳歌した。また、海外拠点が得た利益を、必ずしも自国に戻さず、次なる投資の資金としてキープする傾向も顕著である。
つまりは評判の悪い内部留保額の積み上げが見えにくくするテクニックを使っていることになる。まぁそのような行為をする企業経営者がケシカランと云う話ではない。それが、20世紀後半から21世紀にかけての、経営者の趨勢であり、それを咎めても解は得られない。グローバリズム経済にどっぷり浸かった日本経済とは、そう云うものなのだ。まさに、米国がモノづくりの拠点を海外生産にシフトした姿と瓜二つだ。アメリカは、それでも基軸通貨のドルを一定の範囲で動かせる自在性があるので、世界の金を吸引する力があるので、なんとか金は回る。
しかし、対ドルの為替相場で、為替差益しか利益増とならない日本企業の空洞化実態は、アメリカ以上に厳しい現実をみせる。大きな要因で言うなら、クレジット消費文化が「徳」に思える文化と「もったいない」文化の違いも、実は大いに影響する。日本人は、可処分所得が自動的に減少する事実を知った瞬間から、倹約省エネ生活の工夫に勤しむのが、習い性であり、それを是とした文化である。マクロ経済の観点だけで、経済を動かそうとすると、こう云う理に合わぬ経験に出遭うものである。
最近の学者などは、合理性を前面に押し出し議論を深めようとするが、日本の経済を考えるとき、日本民族の金銭に対する意識構造を度外視する傾向が強いのだが、象牙の塔の理屈遊びに終わるだろう。このような経済上の問題に加え、少子高齢化と云う重大な懸案が待ち受けるのが我が国の本質的問題である。この問題に対処すべき政策は、殆ど無策に近い。正直、65歳以上の労働力の確保とか、女性の活用とか、かまびしく議論されるが、多くは役人の組織拡大に利用されるのが落ちである。
働きながら子育ての出来る環境云々の話で、世間は盛り上がるが、筆者の感覚から行けば、子育て世代が楽になるだけで、文明の進化が、結婚を望まないとか、セックスする気にならないとか、人の人生まで責任は取れないなど、由々しき問題を抱えるのだが、これも文明の進化の作用であり、あまり逆らう政策が的を射ることはないだろう。そうなると、最後の手段は移民の是非である。以下は、産経の記事である。
≪ 毎年20万人の移民受け入れ 政府が本格検討開始
政府が、少子高齢化に伴って激減する労働力人口の穴埋め策として、移民の大量受け入れの本格的な検討に入った。内閣府は毎年20万人を受け入れる ことで、合計特殊出生率が人口を維持できる2・07に回復すれば、今後100年間は人口の大幅減を避けられると試算している。経済財政諮問会議の専門調査会を中心に議論を進め、年内に報告書をまとめる方針。ただ、大量受け入れには単純労働者を認めることが不可欠で、反対論も強まりそうだ。
現在、外国人労働者は高度人材などに制限されており、日本国籍を付与する移民の大量受け入れとなれば国策の大転換となる。
日本で働く外国人の届け出数(昨年10月末)は72万人弱で、前年より約3万5千人増えた。20万人はその6倍近い数だ。
政府が移民の大量受け入れの検討に乗り出したのは、勤労世代の減少による経済や社会への影響が現実になり始めたため。成長戦略では女性や高齢者の活用を打ち出す一方で、移民も有力な選択肢として位置付けることにした。
試算では、2012年に8973万人だった20〜74歳人口が、現状のままであれば2110年に2578万人に減る。しかし、移民を入れた場合は7227万人になるとしている。
だが、移民政策には雇用への影響や文化摩擦、治安悪化への懸念が強い。しかも、現在は外国人労働者は高度な専門性や技術を持つ人材などに限定しているが、毎年20万人を受け入れることになれば高度人材だけでは難しい。単純労働に門戸を開く必要が出てくる。
政府は移民議論と並行して、外国人労働者の受け入れ拡大を先行させる考え。
東日本大震災の復興や東京五輪に向けて建設業を中心に人手不足が拡大していることから、最長3年となっている技能実習制度の受け入れ期間延長や、介護職種を対象に加えることなどを検討している。改革案は6月にまとめる新たな成長戦略に反映させる。
こうした専門性や技能が高くない労働者の期間延長案には「実質的な単純労働解禁で、移民受け入れへの布石」(自民党議員)との批判が出ている。 ≫(産経新聞)
まぁ少子高齢化の決め手は、グローバル資本主義の枠から抜け出せないのであれば、実現性のある政策が、移民政策であることは、常々意識下に存在するファクターである。問題は、いつ誰が政策として実現させるか、ロシアンルーレットのような懸案事項である。筆者自身は、移民政策でなくとも、世界に自慢できる国家は作れると思うが、金銭価値に拘泥する人々がこれだけ多いと、馬の耳に念仏のようなもので、語るだけ無駄骨だ。
筆者の想像が正しければ、この単純労働者の受け入れ準備の切実なターゲットは、原発作業者の確保である。建設土木の人材不足も、それなりに深刻だが、入札不調は、無駄無理な予算が残るので、悪いことばかりではない。公共事業に回す金がなくなれば、そこで人員の不足も止まるので、大した問題ではない。しかし、上述の原発作業員の枯渇と云う問題は、致命的問題だ。フクイチ事故処理、再稼働や廃炉作業と、何人でも原発作業員は必要なのだ。今に、この事実は、日本が移民政策を導入したと云う議論以上の、世界的議論を巻き起こすだろう。慰安婦問題など吹き飛ぶほど激しい宗教倫理紛争の種にもなるだろう。
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