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2014年03月11日
なにも“311”3年目の区切りだからと云って、10日(月曜日)から盛りだくさんの情報に包まれるのも考えものだ。最も知りたいマレーシア航空のボーイングは何処に消えたのか?マレーシア政府の国民性かもしれないが、嫌に切迫感のない関係者のインタビューが流されている。流石の中国政府が切れて、もっと真面目にやれ!みたいな発言をしていたが、大方の乗客が中国人という事もあり、政府として建前上も、この程度の苛立ちを見せないことには、人命の価値観が違う中国などと陰口を叩かれそうなのだから、気にもなるだろう。
小保方女史の万能細胞STAPの論文疑惑で共著者の一人、若山教授が小保方女史の研究成果を信じ続けることが難しくなった、と言い出した。マスメディアの論調にも、若山教授に加担するような雰囲気が漂っている。理研の関係者もインタビューを受けていたが、曖昧模糊な発言を繰り返した。本日になると、同じく共著者のハーバード大学バカンティ教授は論文を撤回する致命的ミスがあったとは思わない、と語っている。この報道で気づくことだが、肝心要の小保方女史本人の考えが、いまだに不明なことである。こういう問題は、実験の当事者の言葉が最も傾聴に値するわけで、彼女の口から語られる言葉を最重視すべきだろう。おそらく、小保方女史は、自ら追試に取り組んで、他人をシャットアウトしているのかもしれない。いずれにせよ、菅官房長官や下村文部科学相如きが軽々に論文撤回を示唆するような発言は時期尚早だ。
全人代の真っただ中の習主席が、オバマ大統領と電話会談したようだ。ホワイトハウスの発表によるとウクライナ問題に関して「主権と領土の一体性の原則を支持する重要性」で一致したそうだが、ウィグル、チベット問題を抱えているだけに、そうですね〜くらいの事は習主席も言ったかもしれないが、ウクライナ問題も、そこが絶対的条件だと言ったとは思えない。中国側は、今月下旬24、25日にハーグで開催される核安全保障サミットの最中に会談しましょうと提案しただけかと思われる。今、西側諸国の情報も、ロシア側の情報も、双方同じレベルでバイアスがかかっていると考えるべきである。
時事通信と云う西側報道機関によると、≪ 習主席 はオバマ大統領に「中国は、米国と共に努力し、新型大国関係を構築するという大きな方向を堅持したい」と述べ、関係強化を重視する意向を強調した。 習主席はウクライナ情勢について「中国は客観的かつ公正な態度だ」と指摘。ただ、「政治・外交ルートでの危機解決を堅持しなければならない」として、米国が発動した対ロシア制裁に反対する方針を表明した。≫のだそうである。これって、2国で世界を二分しようと云う提案のようにも聞こえてくるが、筆者の心がねじ曲がっているせいだろうか(笑)。
元どこかの大使だった某外務官僚が、自身のブログの中で、安倍晋三の価値観外交をこけおろしていた。同氏によると、≪安倍は米国の忠告にもかかわらず「靖国に参拝する」その上「ウクライナ問題で米国が躍起になっている欧米の結束を乱してまで独裁者プーチンのロシアへ配慮する始末だ」 民主主義の価値観を最もよく共有している米国との関係を重視するのが「価値観外交」であると言ってきたのだから、これはもう完全な「価値観外交」の破たんである。≫その通りなのだが、安倍に論理性を求めている時点で間違いに陥っている。安倍の論理矛盾は、グローバリズム・ナショナリズムで証明済みであり、今さら貶す問題とも思えない。
どうも、独裁者プーチンのロシアに対し、理解があるのは筆者くらいで、孫崎氏も批判的な論調が目立つようになってきた。四面楚歌になったプーチンと筆者である(笑)。中国の腹がいまだに判らないので、大口は叩きにくいが、このウクライナ問題を契機に、日本が米国から一歩距離を置く可能性を残している点では、幾分の評価を与えてやっても良いだろう。少なくとも、ロシアに肩入れしたいところだが、現実は中々な問題も抱えている、と云うポーズを取るのは外交上致し方ない面もある。谷内内閣官房国家安全保障局長が訪露の上、 ごちゃごちゃ言い訳するようだが、佐藤優を随行させたらよかろうに、と筆者などは思う。
まぁ核装備が生涯の目的化している谷内正太郎氏のことだから、怖ろしいメッセージを抱えていないとも限らず、結構危ないのかもしれない。米国情報部も谷内正太郎氏のイデオロギーは把握しているだろうから、ラブロフ外相と何を話すのか、是非聞き耳を立てたくなる。そういう怪しい会談だとすれば、佐藤優を連れて行くわけにはいかないだろう。某元大使の言によると、米国追随外交が地に足の着いた外交のようだが、それではアベちゃんのアベちゃんたる価値もなくなるわけで、折角だ、もっとグチャグチャニして貰おうではないか。今更、心配などしても始まらん。賽は投げられている。
国際関係においては、現状の力関係が優勢な方が正しい方向性と云う原則はあるだろう。その理屈で判断すれば、日本が西側につくのは自明なことになる。しかし、国家には意思と云うものがあり、過去から今までと別に、これからの歴史も踏まえなければならない。永遠にアメリカナイズの世界がこれからも永続すると云う言説には、思考停止の影が寄り添う。特にロシアに加担せよとまでは言わないが、中立宣言するくらいの胆力があっても不思議ではない。付和雷同すれば、間違いも帳消しになり、責任を取る必要がない。この考えが日本をどこまでダメにしたか思い起こす方が大切だ。
国家が真に独立を望む場合、そこには幾多の困難が待ち受けるのは当然である。国民の意思表示が曖昧であり、思考停止冬眠状態であるなら、その時、国家のリーダーとなっている人間が、全責任で最高責任者として判断を下すべきである。関係が優勢な方が正しい方向性と云う原則の従うのか、戦後レジームの脱却を実践するのか、モラトリアムな中立を宣言するのか、それは自民党を選択し、その政党がリーダーに安倍晋三を選択した以上、その判断を尊重する(怖くても致し方ない)べきである。疑問があるにせよ、安倍晋三は正当な手続きで選ばれた、国の権力者なのだ。靖国参拝と云う愚挙を実行できた人間なのだから、どのような愚挙と思われる行動をしても、それを選んだ国民が責を負うべきである。
勿論、筆者は安倍晋三など糞くらえだが、曲りなりにも正当な手続きで、内閣総理大臣の椅子に座っているのだから、国民の側は俎板の鯉なのである。正当ではない選ばれ方をした、現在のウクライナの暫定政権の閣僚らとは質が違うのだ。勢いがあれば、自国の憲法を超越して権力に就任できる状況を、世間ではクーデターと云う。ウクライナはまさにその典型事例だ。この問題をネグレクトして、ロシアプーチンがウクライナの憲法を無視している独裁者プーチンだという評価は低俗で、知の劣化そのものだ。
アメリカが介在し、国家が騒乱の儘、宙に浮いている国家が、今地球上にどれだけあるか、胸に手を当てて考えれば、アメリカが世界の警察ではないことなど、即刻理解できることだ。アフガニスタンではビンラーデンィン暗殺後、混乱に拍車がかかり、大統領選挙を行えば、タリバンは、「持ち得る全ての力を使って活動家らや治安部隊を攻撃するようイスラム戦士に命じた」との声明を出している。つまり、アフガニスタンを滅茶苦茶にして、もう見飽きたので玩具をガレージセールに出そうと云うのがアメリカの警察部隊のやり方だ。イラクもしかりである。
カダフィ大佐を抹殺したリビアはどうなっている?いまだに、西側傀儡政権は国内の治安を維持できない状態が続き、内戦状態に陥っている。反政府勢力が、北朝鮮のタンカーに原油の積み込みを実行しようとしている。それを止める方法が、石油タンカーを砲撃し、沈める事だと宣言するしかなくなっている。現実に砲撃すると地中海は原油で被い尽され、猛烈に汚染された海になる。砲撃は非現実的だ。この国も、西側諸国の無責任な内政介入の被害者になっている。アメリカが介入して成功した国家が「日本」だけと云うのも、複雑な成功事例に思えて来る(笑)。
どれ程の軍事力持とうと、その力の行使が純然たる「国益」ではなく、国の一部をなす勢力の為に行使された場合、その一部勢力がその権益を拡大することが目的であり、「国益」は歪んだものになる。それが、今のアメリカの軍事力の使われ方であり、正義や民主主義の為に、米国民が負の負担を強いられてでも、世界秩序の為に戦う気力も実力も有してはいない。故に、アフガン、イラク、リビア、シリア、エジプトのような混乱だけを喚起する体たらくに落ちるのである。
その事への反省が、実はオバマ大統領にあるようだ。その自制が好戦的人々には歯がゆく見え、経済制裁などと云う生温い選択しかしない、との批判に晒される。クリントン前国務長官がプーチンの手法を「ヒトラーが1930年代にやったことと同じ」(ミューヘン会議)と発言し、その後、同氏は政治生命がエンドになりそうなこの発言を、軌道修正しているが、似たようなことを言い出す人物が現れた。以前、プーチンの一次政権時代に経済顧問を務めた、現在反プーチとなっているイラリオノフは、毅然たる対ロ制裁が出来ないオバマは敗北した、と口汚く糾弾している。
なぜオバマは、シリアにせよ、ウクライナにせよ、強い決断が出来なかつたのか?その理由は、意外に単純なもので、米国政府を牛耳っている、オバマの権力の源泉である、米国金融資本群にとって、権益拡大の魅力を感じさせない地域であったという事だ。その点で、尖閣も同じだし、竹島も同じだ。ただ、北方四島は、かなり異なる。日本と云うマーケットを傅かせるためには、必要な足枷である。つまり、ロシアと日本が結びつくことは、日本の市場を独り占めできない問題であり、米国金融資本群にとって権益の縮小を意味する。ここが、この風が吹けば桶屋が儲かると云う、日本外交の複雑さである。この他国の奇禍をどのように生かすか、これこそが外交のダイナミックさだ、と言えるだろう。
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