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2014年03月09日(日) ドクターZ 週刊現代
自民党政権が、業務が肥大化している内閣府の改革に取り組む姿勢を示している。'01年の省庁再編で誕生した「司令塔」を改革する場合のキモは何だろうか。
安倍政権で、内閣府特命担当相は9人もいる。その内訳を見ると、各省の大臣である麻生太郎財務相、新藤義孝総務相、茂木敏充経済産業相、石原伸晃環境相、古屋圭司国家公安委員長が内閣府特命担当相を兼務しており、それぞれの担当分野は、金融、国家戦略特別区域・地方分権改革、原子力損害賠償支援機構、原子力防災、防災となっている。
山本一太、森まさこ、甘利明、稲田朋美各氏は、兼務ではなく内閣府特命担当相だけを務めており、それぞれの担当分野は、沖縄及び北方対策・科学技術政策・宇宙政策、消費者及び食品安全・少子化対策・男女共同参画、経済財政政策、規制改革である。
各省の大臣と内閣府特命担当相は同じ大臣ではあるものの、実は大きな違いがある。それは官僚に対する人事権である。
各省の官僚の人事権は各省の大臣が持っている。しかし、内閣府官僚の人事権を持つのは内閣府特命担当相ではなく、官房長官だ。
なぜこういう仕組みになっているのかといえば、内閣府特命担当相の仕事と大いに関係している。
内閣府特命担当相の仕事は、関係府省庁間の総合調整である。総合調整というのは、各省間で意見をすりあわせることを意味する。
しかし、内閣府職員のかなりの部分は関係省庁からの出向者であって、内閣府プロパー職員はあまりいない。もちろん出向者は親元省の「代理人」であり、それぞれが内閣府という場で意見を交わして総合調整が行われているというわけだ。そのため、出向者の人事は親元省が握ったうえでコントロールする必要が出てくる。結果、内閣府特命担当相が人事を行うまでもないということになる。
この仕組み自体は決して悪くはないのだが、あまりに複雑になっていて誰が責任者なのかわからなくなっているのが問題である。
例えば原子力問題ひとつ取っても、茂木経産相、石原環境相、古屋国家公安委員長が関係する内閣府特命担当相になっている。省にまたがる政策が増えて総合調整の必要性が出てくるのはわかるが、その時々の政権で目玉政策を作る度に一つ内閣府特命担当相が増えていくという感じだ。
その制度的な原因は、各省の組織が各省設置法という法律で定められているために、柔軟に政策課題に対応できないことに起因している。そのしわ寄せが、内閣府特命担当相の創設、各省から内閣府への出向者の増加になっている。
こうした問題を抜本的に解決するには、各省設置法を廃止して、各省の担当分野はすべて政令委任すればよい。実際、諸外国ではほぼそうした仕組みになっている。そのときの政策課題に応じて、官僚組織を柔軟に改廃するのは当たり前のことなのだ。
しかし、官僚国家の日本では、官僚組織に手を入れることは御法度だから、こうした議論が進まない。
戦略としては、まず各省設置法を残したまま、「省庁再々編」をぶち上げる。これで各省はかつての「省庁再編」を思い出し、大騒ぎになる。おそらくマスコミを巻き込み猛反対にでるだろう。そこで、各省設置法廃止・政令委任を持ち出すというのがベストシナリオだろう。
もちろん、官邸の胆力がないと、内閣府「改革」を含め何もできないままで終わることは言うまでもない。
『週刊現代』2014年3月15日号より
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