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2014年03月09日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆ロシアのプーチン大統領が、ウクライナ南部クリミア半島にロシア正規軍2万2000人(約1万6000人に6000人増派)を居座わらせ、事実上占領状態(実効支配)にして、「デ〜ン」と構えている。
オバマ米大統領は3月6日、プーチン大統領と約1時間に渡り2回目の電話会談を行い、「主権侵害」を理由に「資産凍結や米国への渡航制限などの対ロシア制裁を発動する」と伝え、「ウクライナ新政府との対話開始や国際監視団受け入れ、クリミアにある基地へのロシア軍撤収の必要性」について述べた。
オバマ米大統領は、軍事力ではなく外交を重視する「ソフト・パワー」「スマートパワー」による交渉を進めようとしているけれど、米国のオバマ大統領寄りマスメディアからも「オバマ大統領の外交政策は空想に基づいている」(ワシントン・ポスト)と厳しく指弾されている。「対ロシア制裁発動」と一見強硬姿勢も、その実は「単なる言葉遊び外交」に終わるのは、だれの目にも明らかである。
プーチン大統領は、「正統性のないウクライナ新政権がロシア系住民の多いクリミア半島などで不当な権限を行使している。現地からの支援要請は無視できず、ロシアの行動は国際法に完全に一致している」と冷静に理路整然と反論しており、取り合う気は一切ない。むしろ、「ドジなオバマ大統領」を露骨に侮っている。
◆安倍晋三首相は3月7日、オバマ米大統領と約40分間電話で会談し、「ウクライナの主権や領土の一体性を尊重することが重要」との認識で一致したという。オバマ大統領は、「先進7カ国(G7)の協調」を要請。これに対し、安倍晋三首相は「オバマ大統領の努力に支持」を表明したという。
これも「巧言令色、鮮なし仁」(孔子の言葉で、「口先が巧みで、角のない表情をするものに、誠実な人間はほとんどない」という意味=「論語」学而篇・陽貨篇)の類である。要するに、その気もないのに、おべんちゃらを言って誤魔化し、煙に巻いたということだ。日米両国は、日米安保条約に基づく同盟国であるから、仕方がない。
安倍晋三首相は、その前に、プーチン大統領に電話して、「日米両国は同盟国だから、適当に言っておくから、気にしないで欲しい」と伝えていたはずである。
安倍晋三首相は3月6日に、今月11日〜14日の日程でロシア軍トップのゲラシモフ参謀総長を日本に招待している。防衛省への表敬訪問のほか、陸上自衛隊習志野駐屯地(千葉県船橋市)のパラシュート部隊「第一空挺(くうてい)団」の訓練などを視察してもらう予定だった。
けれども、いまの時期にロシア軍トップの訪日は、「ロシアへの反発を強めている米国や欧州諸国に誤ったメッセージを送ることになる」ばかりでなく、ウクライナ情勢が急変し、ロシア軍を動かす必要性が生じた場合、ゲラシモフ参謀総長がプーチン大統領の側にいないというのは、ロシアにとっても、都合が悪い。こうした判断から、安倍晋三首相は、小野寺五典防衛相に「延期を打診するよう」指示している。
◆日本の安全保障にとって最も心配なのは、オバマ大統領の外交を重視する「ソフト・パワー」「スマートパワー」によって交渉を進める外交政策である。この政策によって、米国は、中東から「足抜け」しつつあり、対中国でも、外交力を駆使して「米中関係」を良好にしようとしている。
しかし、中国共産党1党独裁北京政府と人民解放軍は、オバマ大統領が思い描くほど「甘くはない」のである。丸でネコがほかのネコにチョッカイを出すように、ちょっと突いて見せては、相手が強いと手を引っ込める。弱いと見れば、安心して強気に出て、攻撃してくる。東シナ海、南シナ海、あるいは、インド、ネパール、ブータンなどとの国境で行っている「侵略行為」は、この手法である。
日本との関係では、尖閣諸島で、同様の手法を使っているのだ。度重なる領海侵犯、突然の防空識別圏設定などが、その典型である。米軍が爆撃機などを飛ばして出張ってくると、たちまち逃げてしまう。そうでなければ、どんどん侵略してくる。
中国は、米国債4000兆円を持っていて、習近平国家主席は、オバマ大統領に対して、いつでもこの全額買い取り要求を突き付けることができる「強い立場」にある。日本が米国債6000兆円を売りとばすことができないのとは、大違いである。この意味で、オバマ大統領は、確実に中国に侮られており、これが日本にとっては、最も危ない。
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