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暗雲立ち込める習近平体制。李克強首相(写真右)の「リコノミクス」にも不安が photo gettyimages
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/38599
2014年03月08日(土) 歳川 隆雄
中国の国会に相当する全国人民代表会議(全人代)が、3月5日から北京市内の人民大会堂で始まった。
■習近平体制の存続賭ける「汚職追及」
習近平国家主席(共産党総書記)の権力掌握が強くなりつつある中での全人代開催だけに中国ウォッチャーの関心は高い。筆者も10年程前に全人代開催中の人民大会堂を訪れ、取材した経験がある。
中国共産党序列第2位の李克強首相が進める経済政策「リコノミクス」の成否に注目が集まるが、過剰な投資依存からの脱却は国家指導部が思い描いているシナリオ通りに進んでいない。
李首相は同日の政府報告で金融リスクの封じ込めを宣言したが、奇しくも全人代開催当日、太陽光パネル大手の上海超日太陽能科技は7日に予定している社債の利払いができないと発表した。中国の公募普通社債市場で初めてのデフォルト(債務不履行)である。
債券デフォルトは、銀行の簿外融資など不透明な「シャドーバンキング(影の銀行)」とは一線を画す借り入れだが、中国経済に対する信用に重大な汚点となる。
政治的にも全人代開催のタイミングに合わせたかのような、ウイグル族による「テロ事件」が雲南省昆明市で1日夜に発生するなど、習近平体制に暗雲が立ち込めている。
それでも習国家主席直々の指示によって共産党政治局常務委員経験者の周永康氏の汚職捜査が進行中と、中国メディアが報じている。
これまでは中国が抱える難題の「汚職」と「汚染」の追放が進まず、そこに昨年末以来「金融不安」が急浮上し、さらに「民族」と「格差」が重くのしかかっているのだ。従って、習体制の存続を賭けて周永康スキャンダルを徹底追及せざるを得ないのである。
石油閥として巨万の富を得た周氏ファミリーに対する捜査はタブー無しで行われており、場合によっては江沢民元国家主席(元共産党総書記)に連なる上海人脈=太子党人脈にも司直の手が伸びる可能性がある。それほど習国家主席にとって乗るか反るかの大勝負なのだ。
■安倍政権長期化のカギは「9月人事」
翻って日本では、安倍晋三首相もまた長期政権実現に向けて大バクチを打っているかに見える。「安倍1強時代」のうちに、それこそ胸中に思い描く政策の実現に突っ走る腹積もりのようだ。それを担保するのが人事である。内閣改造と自民党役員人事のことだ。
『読売新聞』(2月25日付朝刊)が一面トップに「首相、夏に内閣改造―党人事も、幹事長続投が焦点」との大見出しを掲げ、安倍首相が今通常国会閉会(会期末は6月22日)後の今夏に内閣改造・党役員人事に踏み切る意向を固めたと報じた。
その後、『朝日新聞』(3月1日付朝刊)と『産経新聞』(同)がそれぞれ「首相、夏にも内閣改造」「首相、閉会後改造へ」と報じ、『読売』報道をフォローした。
『朝日』、『産経』両紙の報道は、2014年度予算案が衆院本会議で可決した2月28日の夜に安倍首相と首相公邸で会食した世耕弘成官房副長官(参院議員)、吉田博美参院自民党幹事長代行、石井準一副幹事長の3人中の1人が「通常国会が終わったら人事をしなくてはならない。終わって直ぐか、秋の臨時国会の前か悩んでいる」と首相が語ったとリークしたことが元になっている。
このリークが各紙の「夏の改造」説の根拠なのだ。だが、筆者は以前から内閣改造・党役員人事は9月の臨時国会召集直前と聞き及んでいる。
そして今なお「9月の改造」説に固執している。もちろん、筆者なりの根拠を有している。つい最近、安倍首相の最側近の1人から直接聞いているのだ。人事による求心力によって政権運営を図るのは政治の王道である。
しかし、問題はその人事の「中身」なのだ。安倍政権の要である菅義偉官房長官は間違いなく留任、麻生太郎副総理・財務相の留任の可能性が高い。安倍首相を頂点とする菅、麻生両氏の二等辺三角関係は長期政権実現に不可欠である。
と同時に、焦点の石破茂自民党幹事長の外相転出説も根強いが、石破氏周辺は15年9月の自民党総裁選まで留任すべきだと進言しており、石破幹事長留任の可能性もまた高い。となると、主要閣僚の殆どが動かないことになり、入閣待望組の不満が噴出する。事ほど左様に人事は難しいのだ。
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