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2014-03-08 08:33:06
なにやら七面倒そうなタイトル。自分でもそう思います。ですが、安倍政権に対しては、どうしてもこの反知性主義というレッテルを貼らずにはおれません。なにしろ酷いではありませんか。「日本はどうなってしまったの」といぶかる世界の多くの人に、どうにも説明ができないのですから。
安倍晋三という人物には、それなりの”高い知性”があるのでしょう。でも、NHKの会長に指名した籾井勝人という人間のまともな知性の無さは、どうでしょう。そんな”お友達”を持ってきて、報道界の雄とされるNHKの乗っ取りを図るなど、信じられない。
憲法改定をせずに、実質的に憲法の平和主義を否定し内容を180度変えてしまおうとするやり方。そうした支配体制をより固めるために特定秘密保護法を国民に押し付ける。
沖縄の人々が「絶対にやめてほしい」と何度も県民大会を開いて要望しても、辺野古への米軍基地を国民の税金で新たに建設しようとする。
東電の福島原発があれだけの苛酷な事故を起こし、いまだに放射能を出し続け、汚染水対策もままならない状況にもかかわらず「再稼働だ、再稼働だ」と、原発態勢を推進する。
日本のすばらしい伝統と歴史をないがしろにしてアメリカ型社会に変えてしまうTPP(環太平洋経済連携協定)の締結にも、ことのほか熱心です。
これらに共通するのは、「カネと権力」を握り、国民を支配するというただ一点。そのためには一生懸命考えるが、国民の暮らし、ひいては「人々の幸せ」には思考停止です。国民の多くが不幸の淵に追いやられつつあります。とくに心配なのは、若い人々が非正規労働で、「結婚もできない。子どもを作って家族を営む」というごく普通の幸せが破られています。
しかし、よく考えてみれば、この政権を作ったのは、私たち有権者です。つまり、有権者自身がちゃんと考えず、いわば思考停止を起こしたまま、そのときの雰囲気で投票しているように見えます。あるいは投票にも行かない。
昨日3月7日に届いた「週刊金曜日」に、「安倍首相が筆頭、権力者に蔓延する反知性主義」というタイトルの白井聡さんの記述がありました。冒頭は、カール・マルクスの友人に充てた手紙の一節。こうありました。
「国家は、道化芝居の種にされるにしては、重大きわまるものだ。愚物だらけの船は、しばらく風のまにまにさせておいたらよいだろう。それでもその船は、自己の運命に向かって流れてゆく――愚物どもはそう思っていないが、いないからこそ、かえってそうなってしまう」と。これが書かれたのは、171年前の1843年だそうです。
白井さんは、「現代日本のことではない。しかしながら、ここで指摘されている事態は、驚くほど同じである」と記しています。「安倍首相が反知性主義の筆頭である」としたうえで、「個別的な幾人かの権力者が反知性的であるのではなく、政治・経済・ジャーナリズムといった社会的諸領域の支配層全般が反知性主義によって満たされるという事態が生じつつある」と、強調しています。
「われわれを待っているのは何であるのか。それが明確になる日は、遠くはない」と結んでいます。
いま、NHKの朝ドラ「ごちそうさん」で、敗戦の詔が流れました。
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