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中小・中堅にまで広がらないベア実施 【高橋乗宣の日本経済一歩先の真相】
http://gendai.net/articles/view/news/148505
2014年3月7日 日刊ゲンダイ
企業規模間、業種間の格差は拡大
日産自動車が労組の要求に満額回答する方針を決めたそうだ。4月から月平均3500円のベースアップを実施すると報じられた。トヨタも月4000円のベア要求に満額で応じる見通しとされる。ほかの大手製造業も引き上げを視野に入れているらしい。
業績好調な大手企業のベア実施は事前に予想されていた。アベノミクスで結果を残したい安倍政権は、何かにつけて財界に協力を求めてきた。法人税減税などの見返りを考えれば、要請をはねつけるのは得策ではないということだろう。
もっとも、こうした賃上げは大手製造業だけにとどまりそうだ。ほとんどの中小・中堅企業は、異次元の金融緩和が招いた円安に喘いでいる。海外から輸入した原材料を加工して世の中に出しているところは、コスト高でギリギリの状態だ。とてもじゃないが、ベアに応じられる状況ではないだろう。
安倍政権の経済政策は、かつての高度成長期を引きずったままだ。日本を代表する大企業の成長が一国の経済を牽引するという発想である。しかし、現実はまるで違う。儲けを出しているのは、海外で生産し供給しているところだ。大企業が海外で稼いだからといって、国内の中小・中堅企業や零細企業が潤うことはない。現実に、企業規模間、業種間の格差は、どんどん広がっているのだ。安倍首相は基本的な歴史認識を間違えている。効果的な経済政策を打ち出せるわけがない。
全国の地域経済を支えているのは、独自のノウハウや技術を持っている中小・中堅企業だ。ここが元気にならないと、日本経済の再生はない。必要なのは地方経済、地方企業の掘り起こしである。
それなのに認識を誤った安倍政権は、東京や大阪の大都市圏に特区を設けて、外資や大企業を豊かにしようと躍起だ。明らかに方向感覚が狂っている。むちゃくちゃなやり方だ。
昔だったら国民の多くが怒りを覚えていただろう。政府与党は学生運動や労働運動で突き上げられ、右往左往の大混乱に陥っていたはずだ。ところが今は、学生も労働組合もおとなしい。石破幹事長に「テロと同じ」と脅されたからではないだろうが、反政府デモは広がりに欠けている。
国会でも野党の存在感は乏しい。露骨に与党にすり寄るところまであるのだから呆れてしまう。おかげで安倍政権はやりたい放題だ。
日本のこれからを考えると、暗澹(あんたん)たる思いになる。
【高橋乗宣】
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