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2014-03-06 09:00:26
なんてこったい。ロシアのプーチン大統領が今年のノーベル平和賞の受賞候補としてノミネートされたのだとか。昨日3月5日のロイター電が、今年初のノーベル賞委員会のニュースとして配信しました。2014年の候補には、ほかにCIA元職員のエドワード・スノーデン氏やローマ法王のフランシスコ法王などが上がっているそうです。
すでに平和賞を受賞したオバマ大統領の向こうを張って、プーチンさん自らが受賞を望んでいるのでしょうか。それともノーベル賞委員会が、平和的解決に導くために同賞を贈って戦闘の手を縛る意味があるのでしょうか。
それはともかく、ウクライナ情勢はとりあえず小康状態に入ったように見えます。米英独仏など西側NATO軍が、ロシア軍排除の戦闘は控えています。プーチン氏も、クリミア半島全島を支配下に置いた後は戦線拡大を自制しているようです。
このままこう着状態が続けば、西側寄りの政権が管轄するウクライナ本土と、ロシア側の勢力圏に入ったクリミア半島地域とに、領土が分裂・固定化されることなりそうです。
昨日はアメリカのケリ―国務長官と、ロシアのラブロフ外相との会談が行われました。「国際調査団を受け入れるよう」求めたケリ―氏に対し、ラブロフ氏は「拒否」。事態打開の道筋は全く見えません。ただ、両氏が「対話で解決する」という点で一致したと伝えられたことに、わずかな安堵感を覚えます。
肝心のウクライナの人々は、何を感じ、何を求めているのでしょう。長い長い独立への闘いを経て、21世紀になってもなお大国に翻弄され続ける現実。
自分の国で自分たちの文化を守り、自分たちの暮らしを立ちいかせ、歴史を刻む。それが当たり前のはずですが、それすらが他国の干渉ではばまれる。
ひるがえって、私たちの日本の独立はどうでしょう。サンフランシスコ条約で「独立を回復した」となっていますが、実状は大事なことはアメリカが決める「半独立」状態でした。言葉を変えれば、潜在的占領状態が続いてきたのです。
だから、真の独立とはどういうことかが、いまだに分かりません。「国を守る」とは国民一人ひとりが何を覚悟すべきで、何をしなければならないか、が分かっていないといえます。それでいて、日本は立派な独立国だと思いこんでいます。現在は「完全独立」の状態にあると思いこまされています。
しかし実態は外交一つをとってみても、日本の独自の判断ではできません。何事につけアメリカさまにおうかがいを立てなければ進められない。とくに国防、安全保障の分野は、アメリカさまにすべて筒抜けでなければ進められない。仮に戦闘がある場合の、指揮権はアメリカさまが抑えています。日本の総理大臣はアメリカの下請け、自衛隊もアメリカ軍の下請けにすぎない。そこまで、日本の独立は侵されています。
これが21世紀の日本の現実です。国民もこれが当たり前と思っているようです。つまり、国民の安心・安全に直接かかわる国防や安保の分野は首根っこをアメリカが抑えている状態を、いわば当たり前と思いこんでいるように見受けます。
もちろん、ウクライナ情勢について、安倍首相が親しい関係を築いてきたプーチンさんに直接働きかけることなどもいたしません。働きかけるなら、オバマさまにお伺いを立てて、お許しを得られる範囲でなければムリ。そんな「仲介・仲裁」など、プーチンさんにとっては片腹痛いです。
しかし、ウクライナで今はとりあえず実際の戦闘がはじまらないよう、ともかく抑え込む。そして、国連総会で解決案、和平案を採択し、双方が受け入れるようにするしかないのではないでしょうか。問題は、どんな案なら妥協が成り立つか。だれがその知恵を出せるか。もし、ローマ法王からその知恵を出してくれるなら、そのときこそ今年のノーベル平和賞は決まりにしてもいいと思うのですが――。
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