http://www.asyura2.com/14/senkyo162/msg/346.html
Tweet |
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/40f9539dcdc72637115e723089ac8ef3
2014年03月03日
ウクライナの騒乱が、ウクライナ出来た親欧米クーデター政権と黒海及びロシア海軍基地を含むクリミア自治共和国の対立が激化することは、ウクライナ政変を仕掛けた欧米諸国も承知の上の出来事なのである。だれが考えても、このような軍事的対立状況になるのは、知った上の行動だ。日本の欧米主導の世界戦略に追随するしか能のないマスメディアが正しい情報など一切書けないのは当然だ。
このような東西陣営の対立が起きた時は、双方のメディアの報道を均等に観察する目こそがジャーナリズムに求められるのは、自由言論、報道の公正な視点には欠かせない。当然、日本のマスメディアの報道は、拒否してもテレビの画面から垂れ流されるし、新聞も西側陣営の発信する情報に与している。まぁここは日本なのだから、避けられない現実だが、それ故に、ロシア発信の情報に気を配るべきである。ただ、困ったことにロシアには、自由度の欠けたメディア主体であり、日本語での発信メディアは限定的である。英語もやっとこさなのだから、ロシア語となると、どうにも手におえない(笑)。ただ、西側のメディアのウクライナ問題への見出しを眺めてみても、真実は殆ど判らないのも事実だ。以下に、日本や西側メディアの見出しを拾っておいた。
*各メディアのウクライナ情勢見出し
・欧米とロシア、国連安保理で非難応酬 ウクライナ緊迫 (朝日)
・プーチン氏、軍の即時撤収拒否 ウクライナ介入 (日経)
・米大統領「主権・領土を侵害」 ロシア軍撤収求める (日経)
・ロシア介入阻止を要請=安保理会合でウクライナ (時事)
・ウクライナ緊迫化、日本は露に自制求める方針 (読売)
・カナダが駐ロシア大使召還、G8準備会合も不参加へ (産経)
・ロシアがウクライナに軍事介入へ、米大統領は深い懸念表明 (ロイター)
・ロシア、国連でウクライナへの軍事介入を弁明―米は激しく非難 (WSJ)
・ウクライナのクレムリン展開軍事行動に、米国の速攻の抗議 (NYT)
・“我々は危機に瀕している” ウクライナ政府、ロシア軍の撤退をプーチンに要求 (WP)
現在、突出するかたちで、ウクライナ問題が世界の人々の目を釘付けにしているが、大きな地球儀を眺める観察眼で注意深く見ていると、奇妙な事態が中国でも起きている。全体像として、筆者が以前から指摘しているように、東西対立の構図が再構築されつつある事態が奇妙に連鎖的に起きている。当然、欧米諸国の狙いは、「中露同盟」を盤石なものになるために、少年期レベルで潰してしまおうと云う気力の充実と発露を感じる。
大陸覇権から、海洋覇権に移り、再び大陸覇権に戻ろうとする、地球規模のうねりに抵抗する海洋覇権勢力の抵抗戦のようにまで筆者の目には映る。一見、何の脈絡もない事件のようだが、「全人代開幕」を5日に控えた中国雲南省昆明駅で起きた、黒ずくめの服装に身を包んだ、正体不明の10人程度の武装集団が、手に手に刃物(青龍刀?)を持ち、無差別に100人以上に切りつけ、28人以上を殺した事件が、小さく報道されている。現時点では、この集団がどのような性格の集団かもわからないが、クリミア半島に展開せざるを得なくなったロシアを支援するであろう中国の政治的不安定を誘引する事件に発展する可能性も捨てきれない。
この、西側勢力が神経を高ぶらせている「中露同盟」は、その同盟が世界的勢力となる為には、今一つ経済力の動力源が欠けているのである。ゆえに、未だ相当時間が掛かるに違いなと読んでいたのだが、西側陣営は、日本の安倍政権の影響を過小評価してきた。オバマは、安倍晋三と云う、あまりにも無知すぎる日本の首相を相手にする気力を失った。ついでに、アジアへの興味も半分以上放棄している。任期3年も残しているのにレームダックの状況をみせている。このようなオバマに頼らずにNATOが本気でロシアとことを構える動機づけは、勇ましい言葉に比して、脆弱すぎる。
安倍晋三がオバマに対して、国民や世界相手に見せている、バカ殿な姿は「尾張の大うつけ」を演じているに過ぎないと云う話は幻想だが(笑)、本当の「大うつけ」だから、世界(西側勢力)が怖がると云う理屈も成り立つ。実は、安倍が、北方四島や尖閣諸島や竹島と云う領土を出汁にして、当時のアメリカ・ダレス国務長官が仕掛けておいた日本への緊縛措置であったと気づいており、心の中で“信介じいちゃんも出来なかった真の独立を、僕ちゃんが成し遂げるのだ〜”と余計な杞憂を世界は持っているかもしれない。
安倍晋三に限って、万に一つもあり得ない話だが、日本を知っているようで知らない西側の人々は、有能な学者や政治家であっても、日本人のことを、意外に知らないものである。まぁ、わが国の首相の隠れた才能まで疑ってくれるのだから、日本人としては歓ぶべきだが、苦笑いも浮かばない。安倍晋三の「うつけ」は正真正銘なのだが、“唆される”危険は十分にある。プーチンに「『日露中三国同盟』で戦勝国にの鼻を明かしてやろうじゃないいですか、安倍首相」なんて話に乗らないとも限らない。「大丈夫、習主席には、僕の方から印籠渡しておきますよ」、「2島+α、これこそ歴史的快挙ですよ」、「中国、日本の経済力、+ロシアの軍事力、+豊富な国土と資源」、「この三国同盟が、これからの世界を制覇するのです。やりましょう、我々3人で力を合わせて」
ウクライナのキエフにおける騒乱は、キエフでなければならない事情を含む騒乱であることに気をつけておく必要がある。警察との小競り合いが収まるたびに、その静寂を破る一段の存在が目を引く。スキーマスクで顔を隠す一団が デモを騒乱化させる切っ掛けづくりに奔走する姿だ。到底一般的市民には見えない軍隊のような集団だった。丁度、混迷の10人の青竜刀集団に似ている。ウクライナの臨時政府が、ヤヌコビッチを大統領不適格と断じた行為が、ウクライナ憲法に抵触しているのは事実で、かなり胡散臭いクーデターと認識するのが妥当だろう。ヤヌコビッチが出鱈目な人物であるのは事実として、出鱈目なやっつけるのであれば、すべて愛国だはないだろう。注:未確認ながら、この集団ネオナチとの噂あり。
現実的にウクライナは、キエフを境に東西に真っ二つに思想が分裂している国家であり、オバマもEUも、分離独立を目標に置いて、交渉事を始める方が正解に近づくのだろう。不思議だが、キエフから西側の地域が貧乏で、東側の方が倍ほど豊かなのである。EUに本音は、東側が欲しいわけで、西側をロシアに分割したい(笑)気分だろう。プーチンは、キエフ暴動がどこの勢力の力を借りて動いたか、オリンピック開催中に観察していたのだろう。オバマとプーチン電話会談が90分に及んだ事情はその辺にある。
ただ、ロシアにも弱みはある。ロシアから西欧に輸出される天然ガスの80%が、ウクライナを通過するパイプラインを通じてEUに売られている。ロシアの天然ガス輸出は外貨の稼ぎどころで、これを失うことはEU、ロシア双方に痛手になる。ガスプロムの経営を根幹から揺るがしかねない事態でもある。まぁ、急遽、日本向け天然ガス輸出を、安倍と握る手は残されているが…。いずれにせよ、今回のウクライナ騒乱は、日本にまったく関係ない対岸の火事のように受けとめられているが、一歩間違えれば、日本は派生的に当事者になり得る外交問題を抱えている事も忘れないでおいて貰いたい。
PS: ≪ 『小説外務省』孫崎亨(同氏ツィッターまとめ)
『小説外務省』プロローグ抜粋、この本の主人公は外交官である。一九七七年生まれ、名前は西京寺大介。二〇二二年の今、彼は、尖閣諸島の扱いで外務事務次 官に真っ向から反対し、外務省から追い出されるか否かの瀬戸際にいる。多くの人が彼の行動をいぶかるだろう。「黙って勤務していれば大使と呼ばれる職に就く。なぜそれを捨てるのか」と。(省略)
彼に大きな影響を与えたのはロシア勤務である。ソ連・ロシアは最も全体主義的な国家だ。弾圧が厳しい。ここで自由を求めて闘う人々がいる。犠牲を伴うことを承知の上でだ。国際ジャーナリスト連盟は、二〇〇九年に「ロシアでは一九九三年から約三〇〇名のジャーナリストが殺害されたか行方不明になっている」と伝えた。そのほぼすべてが政府の批判を行っている。民主化弾圧と闘うロシア人は、多くの場合、逮捕され、シベリアなどの過酷な収容所に送られる。 この中で国際的に最も著名なのはポリトコフスカヤである。彼女は次のように書いた。「権力機構に従順なジャーナリストだけが我々の一員〞として扱われる。報道記者として働きたいのであれば、プーチンの完全なる奴隷となることだろう。そうでなければ、銃弾で死ぬか、毒殺されるか、裁判で死ぬか―たとえプーチンの番犬であっても」
ポリトコフスカヤは自らの予言どおり、二〇〇六年、自宅アパートのエレベーター内で射殺された。これらのジャーナリストはなぜ自分の命を犠牲にしてまで、ロシア政府を。
…やがて彼らは自国(日本)に帰る。そして、自国の政治や社会状況を新たな目で見、その腐敗に驚く。「なんだ。腐敗しているのはロシアと同じではないか」と思う。彼らの中に、自国の政治や社会状況が問題だとして闘い始める人間が出る。(省略)
西京寺もその一人である。彼は権力に迎合するのを忌み嫌う土地で育った。さらに、政治の腐敗や弾圧と闘うロシア人の気風を受け継いだ。しかし、日本の社会に問題がなければ、彼が動くことはなかった。日本は驚くほど危険な国になっている。それは十年ほど前の二〇一二年頃から顕著になってきた。
映画人がそれを敏感に感じ取っていた。この頃公開された「少年H」の宣伝文句には「軍事統制も厳しさを増し、おかしいことを『おかしい』と、自由な発言をしづらい時代となっていく中、盛夫は、周囲に翻弄されることなく、『おかしい』、『なんで?』と聞くHに、しっかりと現実を見ることを教え育てる」とある。
これは、日本社会が「おかしいことをおかしいと自由に発言しづらくなっている」ことに対する警鐘であろう。また、映画監督の宮崎駿は引退宣言で「世界がギシギシ音を立てて変化している時代に、今までと同じファンタジーを作り続けるのは無理がある」と語った。同じ頃、原発再稼働反対の立場で、最前線で発言していたのが新潟県の泉田裕彦知事である。彼はあるインタビューに答え、「もし僕が自殺なんてことになったら、絶対に違うので調べてください」と言った。(省略)
日本は、「正しいこと」を正しいと言えない国になってきたのだ。日本の社会は、あちらこちらでギシギシ音を立て、変容してきている。その音は日増しに大きくなっている。一方、「おかしいこと」を 「おかしい」と言っても、摩擦が生じ、ギシギシ音がする。西京寺はその音の一つだ。たまたま音を出す場所が外務省だった。彼の心にはあるべき外務省員の姿がある。しかし、それを貫こうとする時、摩擦が起こる。強力な相手に対峙する中で異なった意見を発することに意義があるか―― 彼は自らの生き方そのものを問うことになる。その模索の旅がこの物語のテーマである。そして話は少し遡り、二〇一二年二月から始まる。
注:著者自身による『小説外務省』の紹介文のようなものだが、同氏の思考経路のエッセンスが詰まった小説であり、西京寺と云う若き官僚は、同氏の投影でもあるのだろう。孫崎氏は大使まで登りつめたので、幾分自分の生き方に不満(僅かに浅ましさのエッセンスが含まれていた?)が残っているのだろうが、自己の理想像を追い求め書かれた小説であるようだ。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK162掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。