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産経新聞 3月2日(日)15時17分配信
不用意な一言で、目前にあったポストがふいになったり、疎まれて遠回りしたり。会社ではときどき聞く話です。
それが自分自身の発言なら「もって瞑すべし」ですが、人事権者の発した言葉だったら、泣くに泣けません。
産経新聞政治面で連載した「田中角栄の流儀〜竹下登元首相編」の取材過程で、そんなお気の毒な目にあったベテラン議員のエピソードをお聞きしました。
紙幅の都合で紙面化できなかったので、ご紹介します。
時は竹下内閣。昭和の最後の年となった63年12月のことです。
竹下内閣は同年夏に、消費税導入を含む税制改革要綱を閣議決定し、7月召集の臨時国会で関連法案の審議を始めました。マラソン国会ともいわれた「消費税国会」の始まりです。
海自艦なだしおの衝突事故、リクルート事件の拡大もあって国会審議は荒れ模様でした。
衆院では、渡部恒三国対委員長(現在は引退。元衆院副議長)が野党に「譲れるものは何でも譲る」と頭を下げ、法案修正を行い、通過させました。
衆院で政府の提出した法案を政党間の協議で修正すると、修正にかかわった議員が参院での審議で必要に応じて答弁するのが通例です。
くだんの気の毒な議員は、修正法案の答弁者として参院審議に出席していました。
野党議員「衆議院の修正部分について見解を承りたい。弾力的運営という言葉がある。意味をうかがう」
答弁者「消費税がわが国に初めて導入をされようとするわけで大変なじみが薄い。そこで、国税当局が広報、指導あるいは相談などに重点を置き、税の執行のあり方を弾力的に行ってもらいたいという修正をしたわけであります」
野党議員「横から不規則発言(※ヤジ)があって、大臣答弁の練習だと。もし大臣におなりになったら、立派なわかりやすい答弁をしていただきたい…」
こうしたやりとりが引き金になったのかもしれません。
同年12月24日に参院本会議で法案が可決、成立しました。
竹下首相は目を潤ませ、コワモテで知られた「税調のドン」こと山中貞則自民党税調会長も、参院から衆院へ向かう赤絨毯の廊下を歩きながら、上を向いて涙をこらえていたそうです。
問題はそのあとに起きました。法案成立の御礼あいさつで立ち寄った自民党国対控室で、竹下首相が答弁者の議員に向かって、
「あんた、答弁よかったわ。いつでも、明日からでも大蔵大臣務まるわな」
と声をかけたのです。
何気ない、ねぎらいの言葉だったはずです。
しかし、瞬く間に「次の蔵相は決まりか」とばかりに永田町を駆け抜けたようです。
これにおさまらないのは、その議員より先に当選した先輩議員たちでした。
特に、同じ派閥に所属していた当選同期のある議員には耐えられないことだったらしく、金丸信・経世会会長や、渡辺美智雄政調会長ら実力者の元に駆け込み、「絶対にダメだ!」と運動したといいます。
竹下首相は、消費税導入を決めた3日後に、第一次改造内閣に発足しました。確かに、その名簿の中に修正法案の答弁に立った議員の名前はありません。
「竹下さんも、他からそんな邪魔が入るとは思わなかったんだろ。それで、ぼくは、その後の組閣では入らなかったんだよ」
そう振り返る彼が入閣を果たしたのは、竹下内閣が退陣し、後を引き継ぐ形で発足した宇野宗佑内閣になってからでした。
ちなみに、この議員とはお気づきかもしれませんが、野田毅自民党税調会長です。
野田氏が自身の入閣を妨げたと話した「同期当選議員」はその後、防衛庁長官や政調会長、党幹事長などを歴任しました。
そういえば、野田氏が保守党の幹事長を務めていた頃、その同期議員も自民党幹事長で、公明党の冬柴鉄三幹事長とともに「3幹」訪米団を組んでワシントンを訪ねたことがありました。
私も同行取材していたのですが、野田氏が妙に自民党幹事長に対して、よそよそしい感じでいるのが気になった覚えがあります(気のせいかもしれませんが)。
さて、内閣改造に関する報道(2月25日付読売新聞朝刊)が出て以来、入閣予備軍や党役職を狙うベテラン、中堅議員の心はざわついているようです。
安倍晋三首相が党総裁選で勝利をおさめ、第25代の総裁に返り咲いてから9月で丸2年が経過します。
石破茂幹事長や野田聖子総務会長、高市早苗政調会長ら党三役も新体制発足とともに就任したので、2年間務めたことになります。
党三役に就きたいという希望を持っている議員にしてみれば、2年間待たされたということを意味します。
また、衆院選で勝って政権を奪還し、第2次安倍政権が発足しましたが、このとき入閣できず、内閣改造に望みを寄せている待機組も「2年待ち」です。
「いつまでもそこに居座ってないで、そろそろ代わってくれ」とか、「政権奪還したばかりで参院選もあったから、2年間黙って我慢してきたんだんだぞ」とか、内心ぶうぶう言っている議員も(大勢とは言いませんが)、かなりいるのではないでしょうか。
今はそわそわしているだけの待機組を、どう御していくのか。安倍首相の手綱さばきが注目されます。(佐々木美恵)
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