http://www.asyura2.com/14/senkyo162/msg/288.html
Tweet |
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/2da3ff42755743ac9683d57053140189
2014年03月01日
今日はNHKの「3バカ大将(籾井・百田・長谷川)」の話でお茶を濁そうかと思ったが、以下のような報道がなされると、嫌でも、安倍政権の臨終模様の推論を語らざるを得ない。内閣改造と云うものの常だが、どのような政権であっても、内閣改造するたびに、支持率を落とすというのは、永田町の不文律であり、黄金分割並みに歴史が証明している。しかし、その帰結を百も承知で実行せざるを得ないところに、現在の政権の焦りがあるのだろう。マスメディアの勢いの割には、安倍政権の内実は、相当痛んでいるようだ。まずは、当たり障りのない、朝日の記事を読んでもらおう。
≪ 安倍首相、夏にも内閣改造 自民党議員に意向伝える
安倍晋三首相は今秋に召集される予定の臨時国会前に内閣改造と自民党役員人事を行う意向を固めた。年内をめどとする消費税率10%への再引き上げ判断や集団的自衛権の行使容認に向けた関連法改正といった重要課題を控え、新体制で臨むのが適当だと判断。6月22日に予定される通常国会の閉会後、秋の臨時国会召集までの間に人事を行う。
2014年度予算案は28日の衆院本会議で可決、参院に送られた。首相は同夜、自民党参院議員と会食し、内閣改造・党人事の意向を伝えた。官邸主導の政権運営に与党内で不満があり、人事で求心力を高め、党内を引き締める狙いもある。2年前の総裁選で首相と争った石破茂幹事長や、内閣の要である菅義偉官房長官、麻生太郎副総理兼財務相らの処遇が焦点だ。 ≫(朝日新聞デジタル)
この安倍政権の内閣改造の話題に触れたくないメディアが3社ある。この情報を流布したくない姿勢を示しているのが読売新聞だが、電子版では今朝になって数行の記事を載せている。日経は昨夜のうちに載せたが、政治カテゴリーのベタ記事扱い。産経新聞に至っては、内閣改造の話題よりも、石破幹事長が、内閣改造に疑問を投げかけていると云う記事を配信している。上記の朝日ほか、時事、共同、毎日も書いていた。最も安倍内閣に親和性の強いメディアほど、この情報を安倍内閣の負の情報と受けとめたと考えていいだろう。
メディアの新聞人事と云うか、飛ばしの臭いの強い情報の疑いもあったが、読売が後追いで3行だけ渋々報道したところをみると、安倍晋三がお友達に内閣や党の人事に関し、酒を飲みながら語ったことは事実のようだ。無論、「あるぞ、あるぞ」と思わせるだけで、党内の求心力を引き戻す戦術もあるが、1年半以上に亘り内閣改造がないのは、入閣遅し、の待機組の不穏な空気が、党内で勢いを増している証拠なのも事実だ。この情報に色めき立つ自民党政治家も多いだろうし、現在の閣僚や党幹部も落ち着かない日々を送ることになりそうだ。
明確に、この安倍改造人事に異を唱えたのは、石破幹事長だ。先の自民党総裁選びで、党員投票で安倍晋三を引き離した投票を得た自分こそ、安倍の座っている椅子に座るべきなのに、と思っている人物はいないだろう。安倍が内閣改造等について語った情報に触れ、「人事をやると喜ぶ人もいるが、はずれた人、なれなかった人もたくさんいる。求心力を失う人をたくさん見てきた」とか、公明党との話し合いに、幹事長の苦労がなければ、あそこまで与党が一致協力は出来なかった、などと如何に自分が幹事長に相応しいか、言外にほのめかしている。
石破は、安倍晋三と似たような強権的イデオロギーも有しているが、対米追随では“人後に落ちない”と自負しており、靖国参拝など、間違っても行わなかった、と思っているだろう。ただ、閣外にいることで、安倍内閣の“世界的悪評”の枠外にいることで、「石破待望論」をじっと待ち続ける姿勢を保持したい心境なのだろう。その為に、疎外されながらも、安倍の政権運営に協力的姿勢を示し続けたのに、と云う苛立ちがもろに現れてきている。しかし、安倍にしてみれば、石破に党を握られ、来年の統一地方選を仕切られることは、何としても阻止したいはずである。自分のお友達を、党幹事長に据えてこそ、安倍内閣の最後のピースが嵌り、ジグゾーパズルは完成すると認識している。
現時点までの勢いがあれば、当分政権は安定的に推移するだろうから、夏に党人事を核にした、改造断行が好ましいと思っても、何の不思議もない。しかし、一抹の不安と云うか、もう一段バージョンがアップした不安が持ち上がっている。「自民1強」で、「安倍1強」を手に入れたのだが、靖国参拝以降、どうも流れが芳しくない点は、菅官房長官らと、十分検討してだろう。経済の浮揚も、本当に確実なのかどうか、少々心もとない感じでもある。3月までは問題ないとして、消費増税以降の経済事情は一変する不安は、間違いなく彼らの共有する不安である。
靖国参拝以降、安倍の党内求心力には陰りが見られる。じっと耐えていた、反安倍陣営の連中が蠢きだしている。二階衆議院予算委員長が、12日の集団的自衛権行使は憲法解釈の変更で可能かの審議で、民主党の大串議員は、安倍首相を無視して、内閣法制局次長中心に答弁をさせた。安倍晋三が何度となく挙手しているのを知りながら、二階委員長はもっぱら内閣法制局次長を名指した。この議事運営に切れたのが、誰あろう、安倍首相である。安倍は20分近く興奮の体で捲し立て「最高責任者は私なんです」と云う言質を誘導している。
その日を境に、安倍首相に物言う自民党議員がチラホラと現れだした。自民党総務会では村上誠一郎、野田税調会長、船田憲法改正推進本部長らが、集団的自衛権の解釈改憲に異論を語り出したのである。そもそも、憲法改正が人気がないことに気づき、悪手の解釈憲法に走った弱みを持つだけに、この造反的発言は、官邸の神経を苛立たせるに十分だった。上述の自民党議員だけではなく、古手の保守政治家や宏池会系の議員らは、安倍の勢いで、甲羅に頭を隠していたわけだが、そろそろ啓蟄であり、内閣の翳りも見え始めただけに、そろそろ始動するかの機運は、党内に流れ出している。
おそらく、安倍首相の政権運営に疑問符を与えた最大の問題は、靖国参拝により、アメリカから「失望」と言われてしまったことだろう。結果的に、中韓は当然として、EUからも、ロシアからも疑問符がつけられ、最後にオバマ政権からまで「失望」を投げつけられたのだから、米国追随に寄って立つ自民党議員らが浮足立ってしまうのは当然の帰結だ。安倍の出身派閥「清和会」の重鎮らも顔をしかめる「靖国参拝」だったのだ。
ただ、米国追随系の自民党議員に比べ、安倍晋三と云う政治家は、その根拠は別にして、米国追随一辺倒のイデオロギーの持ち主ではない点は、以前から判っていた。日本の真の独立を希求してやまないナショナリズムを有する政治家なのである。ゆえに、グローバリズムを推進する市場原理的経済政策を打ちながらも、どこか国家主義の色合いを配してしまう、論理矛盾をアチコチに散りばめる政策を実行している。官僚の意向を8割容認し、自分が感じてしまう、2割のナショナリズムを埋め込むと云う、奇妙な政策が安倍政権において実行されているのだ。
ロシアのプーチンとの親密性も、オバマを牽制する意図で行われているだろうし、必ずしも原発輸出の異様な方向性も、米国の意図を実行する米国追随の結果とは言い切れない。どちらかと云うと、誰からも干渉されな日本と云う国を実現したいと云う願望に起因している。ただ、残念なことだが、安倍の「戦後レジームからの脱却」に、哲学がかけている点が問題なのだ。真の独立に向かう心意気は、大いに評価に値するが、哲学と知性の欠落が致命的なのである。戻るべき時代のイメージが「長州の時代」とか、大日本帝国憲法の時代と云う点が、無教養で、時代性を共有できないのである。彼が、一人でも倫理哲学的思考のアドバイザーが側近に置いておけば、かなり手ごわい権力者になれたのだが、今さら無理だろう(笑)。
追記:拡散のようなものだが、「デモクラシーナウ」サイト動画、「ノーム・チョムスキー教授の講演」ビデオは視聴の価値あり。オバマも所詮、世界金融資本の傀儡だという話等々。 http://democracynow.jp/video/20100531-1
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK162掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。