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自民もNHKもサジ 籾井会長に辞任迫る「3つのシナリオ」
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2014年2月27日 日刊ゲンダイ
孤立/(C)日刊ゲンダイ
NHKの籾井勝人会長(70)の辞任が秒読みになってきた。辞表を出させ、預かることで忠誠を誓わせた理事にも裏切られた上、自民党議員の間からも「辞めさせるしかない」という声が噴出してきたからだ。NHK内部でも「辞任を想定した動き」が始まっている。
就任記者会見の妄言を全部取り消し、沈静化を図ってきた籾井会長だがもうダメだ。
経営委員会で「どこが失言だったのでしょうか」と素朴すぎる疑問を投げかけていたことが発覚したばかりか、NHKもサジを投げたのか、その議事録を前倒しで公開した。
さらに部下の理事に辞表を出させていたことも発覚、それも籾井はごまかそうとしたのに、理事10人が「嘘はつけない」と反旗、国会の質疑で、辞表を提出させられたことを認めるという“劇場型の離反”になった。
もう「持たない」のは誰の目にも明らかだが、NHKの会長は国会が同意した経営委員によって選ばれる。籾井をクビにするのは難しいし、強引なやり方をすれば、そんな経営委員の人選に同意した国会議員の責任にもなる。もっといえば、今回の経営委員は安倍肝いり人事だから、安倍の責任に直結していく。
そこで、浮上してきたのが、「NHK予算を人質にとって辞任を迫る」シナリオだ。それも自民党筋から、こうしたプランが出てきている。
「籾井辞任シナリオは3つです。NHK予算は現在、衆院審議中。辞めなければ衆院を通さないぞ、と迫るのがひとつ。2つ目は衆院は通すが野党が元気な参院段階で、紛糾を理由に辞任を迫るシナリオ。それでも辞めなければ、予算を通さない。立ち往生させて辞任に追い込むシナリオです。こうしたプランが先週あたりから永田町を駆け巡っている。当然、会長へのプレッシャーになっていくと思います」(政治解説者・篠原文也氏)
実は、NHK内部でも辞任を想定した準備が始まっている。
「NHKは見切った。こうなったのは取材現場から『取材に悪影響を与えている。特に中国関連の取材がやりにくくなった』との悲鳴が上がっている上に、受信料不払いが広まりつつあるからです。海老沢会長時代の不払い運動もそうでしたが、報道で批判記事が出た後に若干のタイムラグがあって不払いがピークに達する。今のうちに会長辞任で“火消し”をしておかないと、NHKの経営基盤を揺るがす事態になりかねない。幹部クラスも慌てています」(NHK関係者)
もうひとつ、籾井は三井物産時代、上島重二元会長に取り入って出世した。上には徹底的に尽くすが、下には絶対服従を強いる。そうした姿勢にNHK内部はウンザリしている。
四面楚歌の籾井の運命は決まったも同然だが、自民党やNHKが甘いのは、籾井が辞任さえすれば、安倍の責任問題にはならず、不払いも沈静化すると思っていることだ。そうは問屋がおろさない。籾井辞任は間違いなく、安倍政権転落の端緒になる。
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