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2014年2月26日
レントシーキング(rent seeking)という言葉があるようだ。
「1%対99%」を説明するときに、プルトノミー・プルトクラシー(金融収奪国家)、コーポラティズム・コーポクラシー(企業利益中心主義)などの用語が出てきても、日本でそれらが根付いていないのと同様に、このレントシーキングも一般には知られていない言葉だ。
レントシーキングとは、本来の正当な利潤以上の利潤を得る活動であり、超過利潤のこと。
ざっくばらんに言ってしまえば不労所得行為に近い概念として自分は勝手にとらえている。
企業が政府官庁に働きかけて法制度や政策を変更させ、自らに都合のよい形で利益を得ようとする活動である。
特徴は政治によって生まれる利益を得る行為であり、その最大の手法が企業に都合のよい規制改廃なのである。
レントシーキングを積極邸に働きかける者たちをレントシーカーと呼ぶ。
レントシーカーは利権まみれの真っ黒な連中だというイメージがあり、それはそのまんま的中しているが、レントそのものの概念には善悪の位置づけはない。
レントは政治的利益を意味し、それは自由市場における利益ではなく政治が生む利益を追い求める概念である。
例えば今後発展が予想される太陽光発電や地熱発電、その他の自然エネルギー循環発電事業などには政府の補助金が「レント」として政治的に発生するが、これらは必要であり悪のカテゴライズはできない。
しかしながら、過去から現在にわたって発生しているレントシーキング(超過利潤・利権)のほとんどは真っ黒な悪の構図として出てきている。
既得権益化している組織、自己権益化をねらう勢力は全てが政治を利用した利益の私物化を画策している。
よく市場経済にはケインズ的な手法がいいのか、自由主義的な手法がいいのかなどと二項対立的な観点が用いられるが、仮にこの大きな両者の概念で考えたとしても、どちらの陣営にもこのレントシーキングを狙う私利私欲の連中は必ず発生する。
その部分を無視して社会主義がいいか、自由競争社会がいいかなどという議論は無意味であろう。
よく、自由競争社会の中にあってもレッセフェールを適度に制御してセーフティネットを張るという、いわゆる修正資本主義体制の構築が言われるが、これを論じるときは悪のレントシーキングをどうやって封じるかという論点を必ず入れる必要がある。
だが、新自由主義路線の構造的欠陥は、ワシントン・コンセンサスの基本的な考え方の中に、最初からこのレントシーキング構想が埋め込まれているのである。
というか、新自由主義とはレントシーカーたちのイデオロギーだと考えても過言ではない。
新自由主義の危険な本質については、素人表現ながら本ブログでも精力的に語ってきたつもりだ。
注目に値することだが、月刊「日本」3月号は、国家戦略特区二題として、経済学者で金融論や国際金融論の専門家である菊池英博氏と、エコノミストの東谷暁氏に、規制改革を主眼とした新自由主義について意見をうかがっている。
両者とも新自由主義に基づく構造改革に真っ向から対立する立場であるだけに、非常に重要な考え方を述べている。
新自由主義を批判するブロガーは多いのだが、経済の専門家がこの危険性を堂々と主張する意義はつとに大きい。
菊池英博氏もこの記事では、規制改革や民営化によってビジネスチャンスをうかがう人たちを、ジョセフ・E・ステグリッツの言葉としてレントシーカーと呼ぶと紹介している。
菊池氏は人材派遣会社パソナの竹中平蔵氏も典型的なレントシーカーでありオリックスの宮内義彦氏も楽天の三木谷浩史氏もそうであると断言している。
大問題となるのは、彼らを突き動かしている大元のレントシーカーである国際金融資本(多国籍企業)は、アメリカという巨大国家の政治を完全に掌握してしまった今、今度は日本の政治までも完全に私物化しようと動き出していることにある。
それが彼らによる第二次安倍政権の遠隔コントロールである。
これが特定秘密保護法や国家戦略特区法、日米二国間並行協議だと言ったら驚くだろうか。
弁護士の岩月浩二氏によれば、『特定秘密保護法』には、肝心の特定秘密やテロリズムに対して法的な定義規定が存在しないという。
これは専門家の岩月氏に言わせると、この法律には、中心が存在せずに外に向かって開かれており、その入り口は国外の第三者機関、すなわち“適合事業者”という怪しげな存在に向けられているという。
岩月氏は秘密法に謳われるこの適合事業者を“グローバル企業だ”と推論している。
素人ながらこの法文を読み込んでみて、全くその通りだと感じた。
つまり、特定秘密保護法案の本質は「日米地位協定」と同様に純然たる“治外法権”の法文書なのである。
同様に安倍政権が最大の注力で望んでいる国家戦略特区も、それを展開させている主体は多国籍企業であり、特区内では日本の主権が取り除かれるから孫うことなき「治外法権特区」となる。
つまり、特定秘密保護法と国家戦略特区法はグローバル企業が主権を持つ治外法権エリアを共通基盤として、 日本の主権を撤去する完全な占領状態を創り出すということになる。
69年前にGHQが統治したとき、彼らはアメリカの“人間たち”だったが、今、日本を占領統治しようとする主体は冷血で悪魔のような資本主義の“モンスターたち”なのである。
彼ら多国籍企業群には血の通った人間の属性は存在しない。
これに魂を明け渡した安倍政権と、この政権を補佐する連中が、どれほど罪深い日本人か分るだろう。
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