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http://inotoru.blog.fc2.com/blog-entry-993.html
2014/02/25 10:17
河野談話は、朝鮮人従軍慰安婦問題についてその強制性を認め、その過酷な処遇に対し、謝罪を行ったものです。
ところが、産経新聞は、このとき調査の聴き取りの対象になった元従軍慰安婦たちに対する聞き取り調査結果に矛盾があるなどと言い掛かりをつけ、そして、これに日本維新の会が小躍りしていました。
「慰安婦問題の蒸し返し 産経新聞とそれにすがる人たち」
http://inotoru.blog.fc2.com/blog-entry-864.html
そして、当時の責任者であった石原信雄元官房副長官に対する衆議院予算委員会でのやり取りの中で、石原氏は元従軍慰安婦たちからの聴き取り調査について裏付けを取っていないと証言をしました。
また、石原氏は、「日本政府の善意が生かされていない」とも述べているようです。
もともとこのような談話は「善意」で表明すべきものではなく、従軍慰安婦問題についての日本国政府の態度が問われていたわけですから、むしろ、遅きに失した内容であり、当時、担当した政府関係者の思惑はともかく、河野談話は当然に出されて然るべきものです。
さて、産経新聞とそのFNNは、2月22日、23日に世論調査を行いましたが、その結果は何と、河野談話の見直しが58.6%というものです。
「「河野談話」見直し6割が賛成 産経・FNN合同世論調査 集団的自衛権の行使容認47%」(産経2014年2月24日)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140224/plc14022413060006-n1.htm
半数を超えるとは日本の国民感情もどうかしてしまったということでしょうか。
この問題は、一方において韓国の朴槿恵政権は、その政権浮揚のために歴史認識問題をことさらに利用しています。内政の不安定による国民の不満を日本に向けさせるということです。
ところが他方において、韓国朴政権にとっても好都合といいますか、日本国内では、安部右翼政権の誕生による靖国参拝や日本維新の会の橋下氏の従軍慰安婦問題発言に見られるように日本があからさまな右傾化を示すようになりました。
かつてより一部の右翼政治家より歴史を歪曲する発言が繰り返されて来ましましたが、それが安部右翼政権の誕生により日本全体が右傾化したことを示すことになったのです。
日本の右傾化がなければ、恐らく米国に従軍慰安婦の像が造られることもなかったでしょう。
韓国朴政権とっては誠にもって好都合だったのです。
この韓国政府の対応は、あからさまな内政対策ということは多くの日本国民の感じるところであり、それが今回の日本国民の「反発」となり、産経新聞が示すような世論調査結果につながったのかと思います。
他方で、河野談話の根拠がないなどというデマ宣伝だけが独り歩きし、しかも、石原信雄元官房副長官の発言(証言)が韓国政府との政治決着(妥協)というように映ったのかと思われます。
しかし、河野談話は、聞き取り調査結果だけを基にしたものではありませんし、あの調査はいわば、最後の確認のための調査として位置づけられるべきものです。
慰安婦制度が日本軍の管理下として存在していたこと、嘘八百で集められてきた朝鮮人女性を戦地で監禁して性奴隷として扱ってきたことは、調査の対象となった元従軍慰安婦たちの証言がなされた以前から存在していた問題です。
元慰安婦たちに対する調査は、河野談話を発表する際のきっかけとして位置づけられるものであり、仮にそれ自体の裏付け調査をしていなかったとしても何の矛盾も問題もないということになります。
一部の右翼勢力は、未だに強制性を示す証拠がないなどと声高に叫んでいますが、全く意味のないことです。日本軍関係者は証拠となるようなものは戦犯追及を恐れて敗戦時に占領軍が来る前に燃やしてしまったではないですか。
この点については、私は何度も繰り返し述べてきているところですが、このように証拠がないなどということは、
「証拠ないだろう! どうだざまあ見ろ」と言っているのと全く同じなのです。
軍管理でありながら、慰安婦に関係する書類がないこと自体、強制性を示す証拠を隠滅したとしか言いようがないのです。
ところで、一部からは私が弁護士であることから、裁判でもそんないい加減な立証なのか、などと言い掛かりをつけてくる人たちがいますが、心底、あきれます。
民事訴訟というのは、個別の権利・義務関係を認定するために証拠に基づいて認定していく作業です。
しかし、従軍慰安婦問題は、個別の行為を問題にするのではなく、その制度が日本軍の管理下で従軍慰安婦とさせられた朝鮮人女性が性奴隷として扱われたのかという歴史的事実を検証し、認定していくものです。個別に従軍慰安婦制度に関わった軍関係者や利用した兵士の刑事責任を認定する手続きとは根本的に異なります。
この違いすらもわからないのはセンスがないというよりは悪意をもっているだけと言わざるを得えません。
多くの朝鮮人女性の証言や日本人元兵士たちが慰安所の前で列になって性欲を満たしてきたことの証言、慰安所自体が世界的にみて特異な制度であることや、慰安婦にカネも払われていないこと(だからこそ売春とも決定的に異なる)、敗戦に伴い慰安婦たちを殺害もしていること、などからすればどうみても一人の女性としての尊厳など全く認めてはいません。まさに性奴隷という言葉がぴったりです。
このいかがわしい右翼勢力のデマに欺されていけません。それではユダヤ人がアーリア人にとっての敵だとデマによってユダヤ人殺害に荷担してしまったナチス支配下のドイツ人たちと同じではありませんか。
韓国朴政権につけいるすきを意図的に作っているのが日本国政府安倍右翼政権です。安倍右翼政権にとっても韓国朴政権のやり方は好都合なのです。
本来、きちんと過去について謝罪し反省を表明していればつけ入れられることはないのです。
これでは日韓両国民にとって不幸なだけです。
どちらの国民も煽られるだけ煽られ、きな臭い方向へと誘導されているのです。
これこそが全体主義、ファシズムの前兆であることを歴史から学ばなければなりません。
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