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2014年2月21日
若い人は「青図(あおず)を描く」という言葉をご存じだろうか。
青図とはゼロックスなどやトレーシングペーパーなどを使っていた時代の懐かしい印刷図面のことである。
全体が青く焼けているから青図と俗称で呼ばれていた。
当時、建築土木図面や機械図面の多くは、ドラフターなどで書いた手書きのトレーシングペーパーに作図され、複写機(青焼機)で焼かれていた。
印刷した後の用紙が青味を帯びて出てくるから青図と通称で呼ばれていた。
よく建設中の建物などで、仕事に携わる人たちが、電気設備や配管などの設備図面を見ていたのはこれだった。
昔は図面だけじゃなく、仕様書の類も青いものだった。
20代から30代初めまでは、神州の泉は大きなドラフター(製図台)に立ち向かって、B1サイズなどの大きなトレーシングペーパーやフィルム状の原紙にプラントの計装配管図などを描いていた。
ある日からコンピューターが設計界にも急速に侵透し、図面はCAD(キャド:computer aided design)に変った。
二次元CADは隆盛を極めたが、やがては3D CADも出できて、特に図面段階における設計効率は格段に跳ね上がった。
今では製図台に立ち向かって、シャープペンで作図していた時代が懐かしい。
手描きで作成した図面の複製青焼きを青図というが、建築土木図面は「完成予想図」という意味を持ち、「青図を描く」とは、完成予想をするという意味合いでも使われる。
プラントや機械図面もほぼ同じで、青図と言えば途中で修正があったとしても完成イメージの代名詞となっていた。
というわけで、ここから政治でも悪だくみでも、ある事柄を計画して完成状態を想像するための思考や計画立案を“青図を描く”という言い方がされていた時代があった。
さて前置きが長くなったが、「国家戦略特区」の青図を書いたのは竹中平蔵氏である。
竹中平蔵氏の研究家でもありジャーナリストの佐々木実氏は竹中平蔵氏のことをこう言っている。
「第二次安倍政権発足当初、安倍首相は、竹中氏を経済財政諮問会議のメンバーに起用しようとしましたが、麻生太郎副総理らの反対で実現せず、産業競争力会議の議員に就きました。竹中氏は産業競争力会議を拠点にして特区構想を進め、ついに経済財政諮問会議と同格の特区諮問会議の議員に就いたわけです。竹中氏の巻き返しは見事に成功しました。」
その通りなのである。
安倍首相は当初、竹中氏を、あの小泉政権を動かした「経済財政諮問会議」に起用する魂胆だったが、麻生氏の横やりが入ってこの話は流れている。
その理由は、2004年当時の郵政民営化における分社化構想について、麻生氏と竹中氏の熾烈なバトルがあったからである。
このとき、竹中氏は4分社化に強くこだわっており、麻生氏は漸次的な分社化を主張している。
結局、麻生氏と竹中氏の火花を散らした駆け引きは、小泉首相が竹中氏の肩をもったことで決着がつき、郵政公社は4分社化に進んだ。
このときの恨みを麻生氏は引きずっているので、竹中氏が経済財政諮問会議に入ることを麻生氏は敬遠したのだと思われる。
竹中平蔵氏は、今春から施行するこの国家戦略特区法の主力中心メンバーになっている。
陣頭指揮を執る参謀なのである。
多国籍企業群の新自由主義に基づいて国民生活や社会の安定を奈落の底に突き崩す“国家戦略特区法”の実施が、人材派遣会社パソナグループの会長である竹中平蔵氏の裁量判断に委ねられるのである。
日本の形がグローバル企業の従属体に変えられてしまうような重大な法律の実行に際し、政治家ではなく民間人が主導する現実に戦慄を抱くのは自分だけではないはずだ。
しかも、竹中平蔵氏は非正規労働者を増やそうとする人材派遣会社の会長である。
これはグローバル資本や大企業のための規制改悪を主導したオリックスの宮内義彦氏とほとんど同じ形であり、小泉政権以降の我が国国政の根本的な問題と化している。
民間の企業人が国家の重要な政策を決定するこの体制こそ、思想家の内田樹(たつき)氏の言う『日本国家の企業化』なのである。
竹中氏も安倍首相も岩盤規制を破壊することに血道を上げているが、これがどれほど国民生活を破壊し、社会を惨憺たるものにするか、今こそ国民は注意を向けるときである。
強欲なグローバル企業人たちが乗り込んで来てしまったあとでは遅すぎるのだ。
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