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2014-02-21 文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ 『毒蛇山荘日記』
「内閣参与」とか何とかいう肩書きの本田悦朗(静岡県立大学教授)が、米紙のインタビューに答えて、何か面白い発言をしたらしい。またまた例によって例のごとく、「特攻隊」や「靖国参拝」を持ち出して 、紋切り型の持論を展開したようだ。それにしても、この本田という男は、学者(教授)とは名ばかりで、著書が一冊もない大蔵官僚上がりのトンデモ学者のようだ。要するに、官僚の天下り先が、静岡県立大学だったという話。
本田は、朝日新聞によると、こんなことを発言したらしい。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは19日付の電子版で、安倍晋三首相の経済ブレーン・本田悦朗内閣官房参与のインタビューを掲載した。同紙によると本田氏は、太平洋戦争末期に米艦に体当たりした神風特攻隊について「日本の平和と繁栄は彼らの犠牲の上にある。だから安倍首相は靖国へ行かなければならなかったのだ」と語ったという。
同紙は本田氏が「第2次大戦中の神風特攻隊の『自己犠牲』について語りながら、涙ぐんだ」と説明。本田氏は「日本の首相が靖国参拝を避けている限り、国際社会での日本の立場は非常に弱い」として、「われわれは重荷を背負った日本を見たくはない。自立した国としての日本を見たい」と語ったという。
また、同紙は「本田氏はアベノミクスの背後にナショナリスト的な目標があることを隠そうとしない。日本が力強い経済を必要としているのは、賃金上昇と生活向上のほかに、より強力な軍隊を持って中国に対峙(たいじ)できるようにするためだと語った」とも伝えた。(朝日新聞)
本人は得意気に話したのだろうが、一連の失言問題と並べられて、話題になると、そんなことは言っていない、と泣き言を始めたらしい。
本田悦朗内閣官房参与は20日、自身の発言を報じた米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、「あまりにもバランスを欠いた記事だ」と電話で抗議した。菅義偉官房長官が同日午後の記者会見で明らかにした。菅長官は、WSJを発行するダウ・ジョーンズ社から、内容を修正する用意があるとの回答があったとも説明した。
WSJは19日付の電子版で、本田氏が経済政策「アベノミクス」の目的について「より強力な軍隊を持って中国に対峙(たいじ)できるようにするためだ」と述べたなどと報じた。
本田氏は20日、記者団に「そういうことは言っていない」と語った。一方、ダウ・ジョーンズ社は同日夜、日本での広報業務を代行するプラップジャパン社を通じてコメントを発表。「記事の内容は正確だと確信している」と主張した上で、「修正をする用意があると申し出た事実もない」と菅長官の発言を否定した。
(時事通信)
では、本田は何て発言したのか 。「違う」というなら、真意を述べてみよ。「抗議」などと言っても国内向けのポーズだけであって、発言の中身は、たいして違いはあるまい。ほとぼりが冷めるの待つ・・・というのが真相だろう。批判されて、すっかりしおらしくなった百田尚樹や衛藤晟一らと同じだ。
第二次安倍政権の誕生とともに、尖閣諸島の領有権を巡る「日中対立」を利用して、中国の軍事攻勢をはねのけ、日本の存在感を示してくれるのかと期待していたが、予想通り、安倍政権は、政権内部から「自己破壊衝動」にかられているらしく、自滅的な「失言問題」は、後を絶たない。
僕が『保守論壇亡国論』で指摘した通り、思想的に堕落した「保守論壇」の幼稚=稚拙な言論を、鵜呑みにしているからである。「特攻隊」「靖国参拝」「南京事件はなかった」「朝鮮人慰安婦の強制連行はなかった」・・・。そんなものは、国内でしか通用しない自己欺瞞的な自慢話にすぎないのだが、それが、正論だと思っているらしいのだ。まったく救いようがない。そういうネット右翼以下の連中が、安倍内閣の内閣参与だとか首相補佐官だというのだから、世も末である。
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