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2014-02-19 13:16:41
「いじめにどう対処するか」で始まった教育委員会改革は、結局、自治体の首長の権限を強め、ひいては国家の意志を反映させやすい形にするという、うさんくさい結論になりました。従来のなんとか「政治からの中立」を守ろうとしてきた教育委が明らかに形骸化される内容になりました 。この改革案は安倍首相の意向に沿って自民党の小委員会が昨日2月19日にまとめたもので、今国会中に関連法案の成立をめざすとしています。
安倍首相の根幹にある考えは、「戦後レジームからの脱却」です。「戦後レジーム」とは、戦後の日本のマッカーサー改革全般であり、これを根本から見直すという内容です。その見直しの中には、東京裁判による戦犯の罪状認定の否定も含みます。
安倍首相の頭にあるのは、「先の大戦は、アメリカをはじめとする列強が日本への戦略物資などの供給を止めたため、自衛のためにやむを得ず戦争せざるを得なかったもので、戦犯扱いされるのは受け入れられない」という、考え方です。
すでに「戦後レジーム」からの脱却策をさまざまに講じてきましたが、いよいよ子どもの時から「国家思想」を植え付ける教育分野への介入という段階にまで至ったといえます。
教育委員会は「責任が明確ではない」という理由で、責任を選挙の洗礼を受ける首長にすることにしました。首相→文科相→都道府県教育委→市町村教育委→各学校の上意下達方式を、より鮮明にするために、各首長に責任を持たせることにしました。
先の国会答弁で、安倍首相が集団的自衛権の行使容認に関して、「私が総理大臣であり、責任者だ。私が判断し、その結果については選挙で(可否を)問われる」と述べました。憲法を実質的に変える解釈改憲を選挙の洗礼を受けたものができるという考えは、憲法の上に総理を置くもので、かつてのヒトラーがやってきたことと同じです。
ボクガ住んでいる大阪府でも、選挙で選ばれた橋本徹知事(当時)の時に、「これが民意だ」と公立学校の全先生に「君が代」を歌うことと、校長や教育委の人間による「口元チェック」を強制しました。それに従わずに処分を受けた先生は、三回の処分で退職処分です。
沖縄の竹富町では、「公民」の教科書としては東京書籍番を使ってきましたが、さまざまな経緯があったとはいえ、文科省が直接、竹富町に育鵬社版を使うよう介入するほどとなっています。育鵬社版は、たとえば平和主義の項目では自衛隊の説明に重点を置き、主権在民の項目では天皇の説明に偏重した内容です。
いくつもの学校で、「日の丸掲揚」と「君が代斉唱」に対する不服従の先生が学校長などから”いじめ”にあっています。
「いじめ対策」という口実で、教育委員会の改編と学習指導要領の押しつけが学校現場で進められています。先生方は、自分の頭で考えることを放棄させられ、思考停止の中で「右向け右」の教育が浸透しつつあります。
本当に、「教育が危ない」時代です。地域の私たちが、学校で何が起きているか、もっと関心を持つことが求められています。
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