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えぐりを入れた部分を刃にしたとみられる貝製の道具=沖縄県立博物館・美術館 :朝日新聞
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/311224a251b0b563c0c2d9bca4f4584d
2014年02月17日
以下の朝日新聞の日本人の起源に迫る大発見の記事を読みながら、筆者の気持ちは“沖縄の遺跡で日本人の起源”と云う言葉に、わだかまりを含む感じが去来した。沖縄県の南城市と云う洞窟のある場所は、最南端に近い。誰が考えても、日本人の起源論などに興味のある人間であれば、南洋系のDNAが日本に入ってきた経路の道筋という推論には至る地である。方や、北方系人種の経路もあるわけで、その二つのDNAが現在の日本人に受け継がれていることは承知している。ゆえに、特に違和感はないはずだけど、朝日の見出しには違和感を覚えた。
なぜ筆者に違和感があるかと云えば、民族のルーツを探る意味では、特に異を唱える気はないが、日本人の起源に迫る大発見というのには抵抗感がある。筆者は、朝日が言うところの日本人という部分が正確ではないと思っているからだ。人種の成立の系統立てとして問題ないが、“日本人”と束で括る安易さに異論はある。琉球王国と云う立派な王国が存在していたわけだし、1609年に薩摩藩により実効支配され、王国の血脈は華族とし遇され、現在も「尚家」は存続している。(但し沖縄在住ではなく東京在住のようだ)
まぁ琉球王国の祖“舜天”は、「おもろそうし」や「椿説弓張月」などによれば、源為朝(鎮西八郎)だと云う説が正史となっているので、まさに日本人とも言えるが、真偽は不明だ。源義経=成吉思汗説が江戸時代の林羅山、新井白石らによって、本気で議論されたのだが、現在では、学術的には一笑にふされている。何ともロマンのない話だが、概ねの史実であれば致し方ない(笑)。琉球王国の祖“舜天”=源為朝の話もロマンはあるが、嘘くさい。その辺の余談はさておき、沖縄諸島には琉球王国が存在した事実を重視した場合、沖縄の遺跡から、2〜3万年前、旧石器時代の貝器と人骨が発見されたことが、日本人起源と直結させる考えに、短絡的に反応することは出来ない。
≪ 沖縄で旧石器時代の貝器発見 国内初、日本人起源論迫る
日本最古の人骨が密集する沖縄地域のサキタリ洞遺跡(沖縄県南城市)で、約2万年前の旧石器時代の貝製道具(貝器)が国内で初めて見つかった。県立博物館・美術館が15日、発表した。同時に人骨も出土し、骨と道具がそろった国内最古の例となる。骨はあるのに文化遺物が出ないといわれた沖縄旧石器時代の謎を氷解させ、人骨と道具の両面から日本人起源論に迫る成果だ。
出土したのはマルスダレガイ科やクジャクガイなどの貝の破片39点。道具の証拠となる使用痕が確認できた。同じ地層から人間の歯と足の骨も出た。 同じ層の木炭を測った放射性炭素年代をもとに計算すると2万〜2万3千年前の値が出た。ツノガイの破片2点はビーズのように使ったとみられ、旧石器時代では国内初の貝製装飾品だという。
サキタリ洞遺跡の南1・5キロの八重瀬町からは、国内で唯一全身骨格がそろう「港川人」が見つかっている。今回の貝器の時期もほぼ同じで、当時の人類が身近な貝を利用して環境に適応した生活を営んでいた様子がうかがえる。
石灰岩質の沖縄地域は酸性土壌の本土に比べて骨の残りがよく、本土にほとんどない旧石器時代の人骨が複数確認されているが、使われたはずの道具が見つからないという不思議な状態が続いていた。今回の発見はそれを埋める成果で、同博物館の山崎真治主任は「石器だけではない道具を使った旧石器時代文化の多様性を物語る」と話す。
サキタリ洞遺跡では同館による近年の調査で、9千年前の沖縄最古の土器や1万4千年以上前の人骨や石器が見つかっている。(編集委員・中村俊介)
西秋良宏・東京大教授(先史考古学)の話 沖縄には旧石器がないので旧石器文化の存在を疑問視する見方もあったが、それに解答を与える大発見だ。貝を使う南方文化とのつながりを考える材料が出てきた。日本人の系統論を骨ばかりではなく文化的にも語る材料といえる。 ≫(朝日新聞)
上記の記事を読んだ後から、佐藤優の対談形式の辺野古基地移設問題への言及を読むと判るが、彼が好むと好まざると、沖縄県民と琉球民族と云うテーマでは、奥歯に物が挟まったように言葉を濁している。この対談を読んでいて、直接的に“目から鱗”の部分もあったし、奥歯に物が挟まった言葉じりに、民族問題も、実は含んでいることを窺わせている。佐藤優は、独立運動に結びかないことを支持しているようなので、言わぬが花と云う処なのだろう。筆者の深読みかどうかは、皆さんのご判断次第である。
≪ 名護市長選に負けた石破氏の態度はまるでイソップ寓話。なぜ沖縄県民が辺野古移設反対なのかその現実を見よ!
【本コーナーは、佐藤優さんが毎月第1金曜日と第3金曜日に出演している文化放送「くにまるジャパン」での発言を紹介します。今回は1月31日放送分をお届けします。野村邦丸(のむら・くにまる)氏は番組パーソナリティ、伊藤佳子(いとう・よしこ)氏は金曜日担当のパートナーです。】
邦丸: いつもはここでニュースを取り上げるのですが、今日は佐藤さんが最近いろいろなメディアに寄稿されているものから取り上げたいと思います。テーマは2つです。一つ目は「沖縄」、そして「日本とロシア」。まずは「沖縄」から。(……略)
佐藤: この「くにまるジャパン」の放送内容をメールでも流していますけれど、沖縄の選挙に関しては録音していた人もけっこう多かったということです。「佐藤さんの予測どおりになりましたね」と言われるんです。沖縄ツウと言われる人のほとんどは、ギリギリで末松文信候補がひっくり返すのではないかと予測していた。 東京からそうとう応援もするし、カネも入れて振興策も入れるし。石破茂(自民党幹事長)さんが500億円というおカネを名護につけるという話も直前にした。それから、公明党が最終段階のところにおいては末松さんに行くんじゃないかと。こういうような情報が流れたんですが、私だけが一貫して、そうはな らないと言っていた。しかも大差がつくと予想していました。
(…略…)
佐藤: 今回重要なのは、どうも東京からは、沖縄で意見を申し立てている人たちというのは左派、日米安保に反対しているリベラル派じゃないかと見てしまうんですが、そうじゃないんだということなんです。普天間飛行場の辺野古移設に反対しているのは保守派なんです。
(…略)
沖縄の保守派が、「東京の言っていることにとにかく従わなければならない」というグループと、「保守というのは土地の利益に合致してなけれ ばいけないのでこれはもう過重負担で無理だ」というグループに分かれていて、後段のグループは、これ以上無理なことをすると、「ふざけるなよ、これは差別だ」ということで、逆に「嘉手納基地を封鎖しろ」とか「日米安保自体を棄損しろ」という事態になったら大変だから、もう歩留りをつけておいたほうがいいと考えているんです。 こちらのグループのほうが今、保守派の中心になっているんですね。仲井眞弘多(なかいま・ひろかず)知事の今回の転換(辺野古への移設のための埋め 立てを承認)は、ものすごい圧力をかけられて知事が壊れちゃったんだと思うんですよ。それで、もうまったく沖縄で影響力がなくなった。翁長雄志(おなが・ たけし)那覇市長に求心力がグッと移っています。この人も保守系で、辺野古移設反対をずっと言い続けている。ですから、沖縄と沖縄以外の日本とのギャップ が辺野古の問題で広がっているので、これが今後どうなるか心配です。
邦丸: 政府が今後、この辺野古移設に関しては「粛々と進める」と言っていますね。地元名護市の権限は尊重しながらも、それがすべてではないんだと言っています。「粛々と」というのは「強引に」ということなんですね。
佐藤: 選挙の前までは、「名護市長選挙は絶対に勝たなければならない」と言っていた。それは市長権限があるからということでした。それを獲らないことには、円滑に進まないんだから、これは決戦だと言った。
邦丸: はい、そうでしたね。
佐藤: 石破さんの話を聞いていると、イソップ寓話の「すっぱいブドウ」を思い出すんですよ。
(…略…)
キツネが森のブドウを取ろうとしていた。ところが高い所になっているので取れない。何度頑張っても取れない。どうしても取れなくて、キツネは最後に捨て台詞を吐く。「あのブドウは酸っぱいんだ」と。 (…略…)
佐藤: 選挙の前は「勝つんだ」「勝つんだ」と一生懸命言っていた。つまり、ブドウを取ろう、取ろうとしていた。ところが選挙に勝てなかったら、「市長権限なんか関係ないんだ。国が粛々とやるんだ」と言い出した。そういうイソップ寓話みたいなことをやっていてはダメですよ。
邦丸: 辺野古移設に関しては、以前から佐藤さんは「沖縄人同志、同胞同志が血を流し合うような事態だけはなんとしても避けなければならない」とおっしゃっています。
佐藤: 要する に、東京の保守派の人は、本土から行っているプロの新左翼とか、過激な考えを持った活動家が辺野古移設に反対しているんだというイメージを持っているんですね。しかし、移設反対の中心になっているのは沖縄の地元の人たちなのであって、特に「戦争は二度と繰り返したくない」という80代、90代の沖縄戦経験者の人たちが、基地をつくるとなれば座り込みをすることになるんです。それを沖縄県警の機動隊がゴボウ抜きにする。機動隊員は沖縄出身の青年たちですよ。 となると、沖縄出身者の間で流血が起きて、高齢者からは死者が発生することが十分考えられます。そうなった場合、沖縄のなかでは怒りが沸点に達しますよ。
邦丸: ふむ。
佐藤: (略)国際的に見ると、民族問題の初期段階なんですよ。ですから、これは分離の可能性すらある、大変な段階なんです。この問題について、私は自分の立場ははっきりしているんです。沖縄は日本のなかにあったほうが、日本のためでもあるし、沖縄のためでもあると強く思う。だから、中央政府はやり過ぎてはダメですよ。「過ぎたるは及ばざるが如し」とは、こういうことだと思うんですよ。
邦丸: 沖縄県内の世論調査を見ると、なぜ辺野古移設に反対なのかというと、「新たなる基地をつくることになるから」という回答に、ああ、そうかとハッとします。
佐藤: そういうことなんです。実は、沖縄の基地というのは、地元の同意を得てつくられたものは1つもないんです。そこが原発とは違うところなんです。原発は一応、設置するときには地元の同意を得ているわけです。 沖縄の基地は「銃剣とブルドーザー」と言われるように、占領下に無理やりつくられちゃったものなんです。もし、辺野古に新基地ができると、これを地 元の人が認めたということになっちゃう。そうすると、沖縄の基地の位置づけも変わるんだということも、沖縄の人たちの危機感をもたらした原因で、この流れはもう変わらないです。 いくらおカネを積まれても変わらない。だから、沖縄はおカネで最終的には転ぶんだという発想から、自民党本部も首相官邸も早く決別するべきですね。
(…略…)
邦丸: 佐藤さん、以前おっしゃっていましたけど、過去の自民党政権のとき、時の総理大臣、時の政府重鎮が何度も沖縄に足を運んだということでした。おカネ、振興策ももちろん持っていくんだけれど、何度も何度も足を運んだ。
佐藤: ぜんぜん提案の内容が違うんですよ。沖合にあんな巨大基地を永遠に置いておくということではなくて、今あるキャンプ・シュワブの滑走路を延ばして、しかも15年の 期限付きでその後は民間に渡すというものだったんですよ。それが今は、普天間よりもずっとデカい基地をつくって永久に置いておこうという。話がぜんぜん違うわけです。それも沖縄の不信感の原因なんです。……
*この続きは「佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」」でお読みいただけます。 ≫(現代ビジネス:佐藤優直伝 インテリジェンスの教室)
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