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(政々流転)河野太郎・衆院議員 脱原発、勝負の時を待つ
http://www.asahi.com/articles/DA3S10981691.html?iref=comtop_list_ren_n12
2014年2月16日05時00分 朝日新聞
◇河野太郎・衆院議員(51歳) 異端者に頂点への階段現れるか
自分の信ずる「まっとうなこと」を、河野太郎はずっと言い続けてきた。自民党では異端でしかなかった。だが、福島の原発事故で光景が一変した。一人で先の見えない広野を歩いていたのが、一緒に歩く仲間ができ、そして……。見据える先に頂点に登る階段が現れたのか。
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今月12日、首相官邸で河野は菅義偉官房長官と向き合った。原発を重要なエネルギー源と位置づけようとする政府の「エネルギー基本計画」に異論を唱えた。「福島の事故後の議論が無視されている」
自民党「脱原発」派の7人の議員も一緒だ。河野は「昔は俺1人だった。1人が2人になったら2倍だぜ。自民党がようやく正常化してきたんだ」。
当選1回の1999年、原発から出るゴミの処理もできないままの原発政策は「トイレのない家」で、核燃料サイクルは破綻(はたん)していると批判。将来的な脱原発を訴えた。
与野党を問わず、電力会社から支援を受ける議員は数多い。党の会合で発言すると、当時、東京電力出身の議員だった加納時男が「お前は共産党か」と一蹴。「原子力ムラ」と呼ばれる電力会社、政治家、官僚の壁にはねつけられた。以来、脱原発は持論だ。
河野はリュックを背負って地下鉄に乗る。東京と地元神奈川県の往復もJR。そのスタイルも、運転手付きの車が標準の自民党の政治家では異端だ。「車の中で本を読んでも酔っちゃうし、電車のほうが時間が正確だし」。酒は飲まず、仲間とも群れない。「合理主義者」。知人は口をそろえる。
それは時に永田町の文化とぶつかる。野党時代、国会の会期延長に反対する党の方針に反して賛成し、役職停止処分を受けた。
「そんなに俺、変わってないけどな」。河野からすれば、異論を許さず国会では党議拘束をかける方が「でたらめな民主主義」に映る。
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自民党内ではなかなか理解されない。2006年の総裁選には、推薦人が集められずに出られなかった。野党時代の09年は出馬はできたが、3人中2位だった。それでも自民党にこだわる理由がある。
脱原発論者の急先鋒(きゅうせんぽう)で環境NPOを主宰する飯田哲也は、河野とも付き合いが長い。かつて河野に詰め寄った。
「自民党を割って出たらどうか」。河野は「いや、新党は父親がやっているから」と首を横に振った。
父・洋平は自民党を飛び出し「新自由クラブ」を結成した。世間の熱狂はすさまじく、13歳だった河野が選挙カーで団地を通ると、人々は次々に窓を開け手を振った。見ず知らずの人が100万円を放り投げてきた。
しかし仲間との路線対立から新党は10年で挫折。熱狂の分、冷めるのも速かった。父は自民党に戻る。トップを狙うには自民党を乗っ取った方が早い。それが父を見た河野の結論だ。
河野を支えるのは、圧倒的な選挙の強さだ。前回の総選挙では19万2604という全国最多得票。父親譲りの知名度と神奈川県湘南地域という都市型の有権者に支えられ、自民党支持者以外からも票を得る。
信念を貫く代償も支払っている。河野より期数の少ない議員もすでに入閣している。それでも後援会の名誉会長・伊藤栄雄は「上に行けるか行けないかは別にして、原発の信念だけは曲げるな」と河野に言う。その信念こそが支持される理由だと思うからだ。
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かつて河野と同様に自民党内で異端視され、だが世間の支持を受けて首相に上り詰めた人物がいる。
「君には先見の明があったよ」
昨年秋、河野に「彼」から電話がかかってきた。小泉純一郎。「脱原発」について書かれた本を河野が送ったお礼だった。小泉は講演でも、この本を引き合いに出している。
小泉が都知事選で細川護熙に寄り添い、脱原発を訴える姿を見て河野は思った。「正しいと思うことを言う、これぞ政治家の姿だ」。ただ、自分は都知事選で細川の支援はしなかった。今はまだ、脱原発を掲げて勝負する時ではないと思ったからではないか。周囲はそう見る。
あれこれ摩擦を引き起こす河野に、所属する派閥の長、麻生太郎が言った。「つまらないことでケンカをするな。ここぞという時にケンカしろ」
その時はいつ来るのか。頂点への階段に足をかけられるのか。河野は見極めている。=敬称略(三輪さち子)
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