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2014年02月16日
何度か似たようなテーマのコラムを書いているので、もう判ったよ、シツコイ!と叱られそうだが、またまた「円安」誘導の愚かさを書かざるを得ない。なにせ、日本経済が生きながらえている、肝中の肝、経常収支が、3か月連続で赤字を出したことである。日本の財政が、借金1000兆円超えの財務省プロパガンダ報道も、愚民たちは鵜呑みにするのみで、本当はどうなの?という疑問さえ持たないのだから、書くだけ無駄だろうが、己の精神安定剤の為に書いておく。信州大学経済学部教授の真壁昭夫が今更のようなコラムを書いている。一応、参考に目を通して置いて貰おう。
≪ 円安続くも輸出伸びず、減少し続ける経常黒字
足下の為替市場ではドル・円のもみあい状態が続いているが、わが国の経常収支の黒字の減少傾向に歯止めがかからない。2月10日、財務省が発表した12月の経常収支は、過去最大の6386億円の赤字になった。 それによって、単月ベースの経常赤字は3か月連続で続いたことになる。
2013年暦年で見ると、経常収支は僅か3兆3千億円の黒字と前年対比でマイナス31.5%の大幅減少になった。 本来、円安傾向が進む中で輸出が増加傾向を辿り、貿易収支の赤字が減少することは期待されたのだが、実際には輸出が思ったように伸びない。こうした状況が続くと、今後、経常収支が赤字化することも懸念される。それは、中長期的に円安要因となるはずだ。
貿易赤字が拡大する三つの理由
わが国の経常収支の黒字幅が減少している最も大きな要因は、貿易収支の赤字幅が拡大していることだ。2013年の貿易赤字は約10兆6千億円に上り、前年対比で4兆8千億円余りも増えた。2011年から3年連続の赤字に落ち込んだことになる。
貿易収支が赤字基調になっている主な理由は三つある。
一つは、原発休止による天然ガスの輸入急増だ。それだけで、貿易収支を4兆円余り悪化させている。
二つ目は、日本企業が生産拠点を海外に移転したことだ。製品を海外工場で生産すると、当然、日本からの輸出は減少する。
三つ目は、わが国企業の製品の競争力が低下していることだ。特にスマホ等のIT関連機器に関して、この傾向が目立つ。IT以外にも高級衣料品や宝飾品、さらには掃除機などに至るまで、日本の消費者が海外製品を求める傾向が鮮明化している。
将来的には双子の赤字≠フ懸念も
わが国の経常収支の悪化傾向をみると、今後、財政赤字と経常赤字が重なる双子の赤字≠フ懸念が現実味を帯びる。
消費税率引き上げの駆け込み需要で輸入品が増加している面はあるものの、今後、貿易収支の赤字幅は一段と拡大する懸念は残る。 また、海外投資家の国内株式保有の増加は、海外向けの配当金の支払いの増加を通して、所得収支の悪化に繋がる。
所得収支の悪化によって経常収支の黒字幅が減少すると、いよいよ双子の赤字≠ェ現実的になる。 そうなると、今までわが国が蓄えてきた富が海外に流出して、為替市場ではさらなる円安が進むことが考えられる。そして最終的に、日本経済の活力が失われ、国民の経済活動が不安定化することになりかねない。 ≫(現代ビジネス:企業・経済:真壁昭夫)
2012年に野口悠紀夫が書いた「製造業が日本を滅ぼす」(ダイヤモンド社)、の中で、最近の日本経済における重大な懸念、“双子の赤字”への警鐘は、鮮明に語られている。同氏は“「超」整理法シリーズ”がベストセラーになり有名になったが、経済学者としてもホンモノであるが、経済学界では傍流の扱いになっている。しかし、視点は異なるが植草氏同様、慧眼の徒である。彼の「製造業が日本を滅ぼす」における論点は、目次を読むだけでも理解可能だ。参考に以下に目次を羅列しておく。
第一章 日本の輸出立国は大震災で終わった
1、貿易赤字が定着する
2、貿易赤字の定着は「ニューノーマル」
3、貿易赤字の定着は通念の変更を迫る
第二章 日本の貿易構造は変化している
1、自動車産業は「農業化」した
2、日本の電機産業は生き残れるか?
3、対中国輸出は日本経済を支えられるか?
4、ドル建て価格を上げられれば、円高は問題ではない
第三章 円高について通念を変えるべきとき
1、円高は日本の国難なのか?
2、円高の利益を冷静に評価する必要
3、5時間で300億円超!FX投機で空前の利益
4、貿易赤字になっても円安にはならない
第四章 電力問題に制約される日本経済
1、電力供給は需要に対応できるか
2、発電コストが上昇する
3、電力問題で加速する海外移転
4、電力会社は、地域独占と総括原価方式で支えられていた
第五章 縮原発は不可能ではない
1、エネルギー計画の見直しは、電力需要の再検討から
2、経済成長率を見直せば、原発依存度は半減する
3、産業構造が変われば、電力需要は減る
4、環境基準と縮原発の同時達成は可能
第六章 製造業の事業モデルを変える
1、正念場を迎えている日本の製造業
2、成長モデルを全体として入れ替える
3、新しい製造業モデルを構想する
第七章 海外移転で減少する国内雇用をどうするか
1、製造業の海外シフトが加速している
2、怒涛のようにアジアにシフトする自動車産業
3、製造業が国内のとどまっていても、雇用は減少する
4、日本経済の活性化には、高生産性サービス業が不可欠
第八章 TPPで本当に議論すべきは何か?
1、TPPは貿易自由化ではない
2、TPPによる輸出増加効果はわずか0.4%
3、中国の出方次第で、日本の製造業は大打撃を受ける
4、TPPやFTAは、輸出振興策として時代遅れ
5、世界に開かれた日本をめざせ
第九章 欧州ソブリン危機は日本に波及するか?
1、対照的なギリシャとアイルランド
2、イタリア国債で問題が生じたのはなぜか?
3、欧州ソブリン危機は日本国債に波及しない
4、経常収支赤字でも国債消化に支障は生じない
5、日本国債のリスクは確実に高まっている 以上
野口氏の著書に全面的に賛意を示しているわけではないが、単純に、日本は貿易立国だからと云う観念を振り払う必要性の考えは同じ。縮原発と云う表現は腰が引けているが、経済学者としてギリギリの表現なのだろう。日本国債のリスクは、経常赤字が恒常化すれば、実際は理屈ではなく、現実のマーケットでは下落し、金利高を招き、国債償還に支障をきたすであろう。同氏の目線が製造業に向かっているのは、今まで稼がしてくれた製造業への義理立てだろう。これから重視すべきは、内需市場の質的転換と規模の拡大がポイントだろ。また、既成観念を取り払った、製造とサービス業の混合産業構築も、日本独自の世界を生み出せるだろう。
アングロサクソン系やユダヤ系に真似のできない必ずしも合理的ではないないが、最終的に合理に至る、日本人独特の文化の再生を通して、世界に独自の産業構造を見出すことは、明治維新以降の欧米追随精神を破棄することによって、展望は拓ける。円安で経団連の延命の為に、国民生活を犠牲にして、悪しき医療処置をしているに過ぎない。大きく変わることは、誰しも怖い。しかし、明日から世界が変わることもない。一つ一つのシーンが徐々に、独自、否、維新によって取り入れられた誤った近代国家観念から脱却は、本当の希望の光を見出すだろう。世界経済は、総体的に行き詰っているわけで、彼らと同じ手口を使う限り、日本の再生はありえない。我々は、アングロサクソンでもユダヤ人でもない。宗教も八百万の神、自然が神なのだ。この神が、誰が考えたって一番確かだ(笑)。
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