http://www.asyura2.com/14/senkyo161/msg/485.html
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衆議院予算委員会で安倍首相が「解釈見直しの判断については、自身が「最高責任者だ」と強調した」ことで、自民党を含む様々な方面から批判が出ているらしい。
まず、政府や最高裁判所さらには法曹界も含めてだが、現行憲法の条文解釈は、節度をはるかに超え、解釈ではなく改憲と言えるレベルに達していることに強い不満を抱いている。
第9条をどうこねくり回そうが、自衛隊が違憲の存在であることから免れることはできない。防衛力保持の正当性根拠として国家の自然権を持ち出す論もあるが、憲法条文で明示しているのだから、自然権なる概念を持ち出しても対抗力にならない。自然権なる概念を持ち出すことに意味があるのは、憲法に規定がないような場合だけである。
また、首相の内閣不信任案可決(信任案否決)を経ない衆議院解散権も違憲である。天皇の国事行為を規定した第7条を利用して、参議院とともに国権の最高機関を形成する衆議院を解散できるとする解釈も許されざるものである。
日本には憲法裁判所は存在しないから、違憲合憲の問題は、具体的なケースをめぐる訴訟を通じて決せられる。そして、婚外子の相続権規定が違憲と判断されたように、ケースないし時の流れとともに違憲・合憲の判断が変わることになる。
日本には、具体的なケースから離れたかたちで公式の条文解釈を行える権限を持った国家機関はないのである。
「憲法解釈見直し判断「私が最高責任者」」と答弁した安倍首相の隠れた真意は、「最高の責任者は私です。私が責任者であって、政府の答弁に対しても、私が責任を持って、そのうえにおいて、私たちは、選挙で国民から審判を受けるんですよ。審判を受けるのは、法制局長官ではないんです」と述べたところにあると思う。
内閣法制局は、内閣上程の法律案(法律案を内閣が上程できるかどうかも憲法上疑義あり)が憲法に反していないかどうかを含み、法論理の妥当性を確認し法案の矛盾性や抜け穴をチェックする国家機関である。法治国家として法律作成にあたって重要な助言を行う内閣法制局長官の任命権も、当然のこととして首相にある。
行政機構の一部である内閣法制局に対する最高責任者は内閣総理大臣なのである。
私が問題にしたいのは、これまでのメディア報道が、内閣法制局が裁判所に匹敵するような独立機関であるかのように錯覚させてきたことである。
官僚でしかない内閣法制局(長官)の見解が、法律案の合憲性を含む妥当性の判断であるかのように報じられてきたのである。
そのような悪しき報道慣習に棹を差したという点で、安倍首相の答弁を高く評価したいと思っている。
しかし、だからといって、安倍首相が望んでいるとされる「集団的自衛権」の行使が合憲というわけではない。
※ 参考投稿
「安倍首相、憲法解釈の見直しの判断について「私が最高責任者」:内閣法制局は立法上の助言者:首相の解釈も争う解釈のただ一つ」
http://www.asyura2.com/14/senkyo161/msg/398.html
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