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2014/02/14 06:41
ソチ五輪に電波ジャックされている間に、この国は安倍首相に好いようにされているようだ。予算委員会で安倍首相が答弁している内容には愕然とせざるを得ない。
まず都知事選で自公推薦の候補が「脱原発」候補を完膚なきまでに破ったことから原発再稼働と新設を全面解禁する勢いだ。安倍氏が先頭になって創設した「原子力規制委員会」は原子力推進委員会の本領を発揮して大飯原発の原子炉建屋の地下を走っていると疑われていた活断層と思われる地形は活断層でないと断定した。
しかし原子炉建屋地下に活断層があるかないかは福一原発放射能漏れ事故が起きる以前でも原子炉設置基準に適合しているか否かの判定を決定的なモノにしていたはずだ。福一原発の放射能漏れ事故は「津波」による全電源喪失が原因だったと誰が決めたのだろうか。
マスメディアも原子炉建屋地下に活断層があれば原発再開は駄目だ、とあたかも活断層の存在判定こそが再稼働のカギだと原発問題の矮小化に手を貸して来たが、問題の本質は福一原発が地震により破損していたのではないかという疑念を1ミリたりとも払拭していないことだ。実際に福一原発の職員が地震直後に原子炉オペレーションルームに鳴り響く警告音と警告ランプの点滅に事態の深刻さを知り慌ててオペレーションルームを750人中700人が放棄したという証言がある。それをなぜキチンと聞き取り調査して国民の前に明らかにしないのだろうか。原発事故は電力会社や経産省官僚たちだけの問題ではなく、日本という国家と国民の問題であり世界人類の問題でもある。
さらに安倍氏は当初から目論んでいた三点セットの仕上げに取り掛かっている。昨日の予算委員会で「集団的自衛権行使」を決めるのは自分だ、と言い切ったのだ。
内閣法制局が国会で決める法律が憲法規定から逸脱していないかを判定しているが、その機能を首相が奪って良いという論理を展開した。つまり自分は政治家で国民の審判を選挙で得るが、法制局官僚は選挙の洗礼を受けない存在であり総理大臣のシモベではないか、と建前論を展開した。
確かに官僚は内閣と所管大臣の職務権限に従って行政を掌るという仕組みになっている。しかし内閣法制局に限っては他の官僚とは趣が異なる。
内閣が国会に提出する法令が憲法に抵触していないか、国会で答弁する総理大臣や各大臣の法論理が憲法規定から逸脱していないかを検証する役所だ。さもなくば国会で決定した法令が最高裁判所で違憲判定を受けて無効とされ執行停止を言い渡される可能性があるからだ。その憲法適否の事前確認と総理大臣答弁の順法性を確保する役割を担っている内閣法制局を蔑ろにする答弁には驚いた。ついに安倍氏は日本版NSCと特定秘密保護法と集団的自衛権という三点セットの仕上げに入ったな、と彼の野望の全景を見る思いだった。
もちろん他人が困難に直面していれば、それを助けるのは人として当然のあり方だ。自衛隊が他国の災害復旧に派遣されるのに異を唱えることはない。しかし戦争となると話は慎重を要する。
集団的自衛権はタガをしっかりと嵌めていないと野放図な戦争大好き米国の代理軍隊として使われる可能性がある。米軍の戦争を自衛隊が代役を買って出させられることになりかねない。そして「特定秘密保護法」により米国との密約を60年も特定秘密に指定されてはかなわない。
いうまでもなく内閣は国民の負託を受けた国会議員により代理的に権能を委託された機関に過ぎない。その内閣総理大臣が「内閣法制局は選挙により国民の洗礼を受けていないが、私(総理大臣)は選挙により国民の審判を受ける(だから集団的自衛権を内閣法制局の解釈を踏襲する必要はない)」という暴論はこの国の法体系に馴染まない逸脱した解釈だ。
安倍氏は危険人物の本領を発揮し始めたようだ。彼の思考体系は飛んでもないマキャベリズムだ。その突出した唯我独尊ぶりは祖父の岸信介氏をも凌ぐもののようだ。
国民は二度にわたる衆・参国政選挙で安倍自民を余りに勝たせ過ぎた。そして今度の都知事選挙で「脱原発」の細川氏を都民が見捨ててしまった。その結果は安倍氏の独断専行ぶりの火に油を大量に注いでしまったようだ。
ソチ五輪報道に国民の目を釘付けにしている間に、国会で安倍政権の暴走が加速している。集団的自衛権は必要だと思うからこそ、慎重に議論して国民の合意を取りつけつつ、マスメディアも大いに子細を報道して国民漢の目の前で論理展開されるべきだ。「政治家たる私が決めればそれで良い」とは余りに暴論過ぎて言葉もない。
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